トルコ映画「蜂蜜」を観てきました。
2010年第60回ベルリン映画祭で金熊賞を受賞した作品です。
賞をとったからもありますが、興味がわいたのは、字幕を担当したのが、大阪外国語大学でトルコ語を学んでいる学生3人だと知ったからです。
内容の地味さからか、公開予定がないことを知った彼らが、字幕をつけて上映会を開こうと、版権を持つドイツの会社やカプランオール監督と折衝して、学術研究用を条件に翻訳と上映の許可を得たのだそうです。
最終的には、日本の映画配給会社が配給権を取得したのですが、学生たちの翻訳が字幕に採用されたそうですよ。
せりふは少ないのですが、とても「音」の豊富な映画です。
風の音、水の流れる音、お湯がわく音、草がそよぐ音、鳥のさえずり、蜂の羽音、雷鳴、雨の音、床のきしむ音、時計の秒針が動く音、お茶を刈るハサミの音、ストーブの中の薪がはぜる音・・・・・、自然の音だけで、最後の最後まで、全く挿入曲が入りません。
映像もとてもきれいでした。トルコというと褐色の高原をつい想像してしまうのですが、少年ユスフが暮らし、学ぶ環境は緑の山の中です。
6歳の小さな男の子は周りの人たちの深い愛情の中で育ちます。少年も周りの誰もが大好きです。
いい映画だと思っても再度観ることはないな、と思う人が多そうな映画ですが、私はパルシネマで上映してくれたら、もう1回観に行っちゃいますね。
少年が夜バケツに映った満月を両手ですくえなくて、直接口をつけるところなんて、忘れられないシーンです。
思い入れがあって行ったにもかかわらず、シネコンで、
「ミツバチ、シニアで1枚」なんて言って、
「ハチミツですか?」と聞き返されてしまった私です。
(写真はYahoo!映画から借用しました)