10月5日(金) 兵庫県立芸術文化センター小ホールで、仲道郁代、シュタインを弾く!
曲目は―
モーツァルト◆きらきら星変奏曲
幻想曲
ピアノ・ソナタ第14番
ベートーヴェン◆バガテル「エリーゼのために」
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
アンコールで―
「悲愴」第2楽章
モーツァルト◆トルコ行進曲
小ホールは客席400ほどの小さなホールです。
そのすり鉢の底の小さな舞台に置かれているのは、1970年ころのフォルテピアノを複製したシュタインモデル。
現代のピアノの約6分の1の大きさ(重さ)、約10分の1の張力、鍵盤は61で、足で踏むペダルはついていません。
いつものように、仲道郁代さんご自身のMCでコンサートが始まりました。
小さい声で静かな口調なのは、シュタインに合わせて、耳のほうも繊細モードにしてほしい^^とのこと。
演奏されたのは耳なじみのある曲ばかりで、しかも音はモーツァルトやベートーヴェンのころに近いのです。
ヴァイオリンと違って、ピアノは楽器の外側部分は弦の張力を持ちこたえられなくて当時のものは残りません。しかし、塗装に使うニスはモーツァルトやベートーヴェンの時代に近いもの、ハンマーは当時の皮を使っているそうです。
足踏みペダルはないのですが、ひざ(で押し上げる)ペダルで音を響かせます。
「月光」の1楽章は始めから終わりまで、ひざペダルを使って、しかも途中で足を代えないようにという、ベートーヴェン自身の指示が楽譜にあるそうで、仲道さんはその指示通り、1楽章のすべてを右足を上げたままで弾かれました。
まぁ、なんて重労働^^なんでしょうね。
調律がとても大変なようで、演奏が始まる直前までと、1部と2部の間の休憩時間すべてを使って山本宣夫さんが調律していて、2部開始前に退場するとき山本さんに向けての拍手が起こったほどです。
お2人のおかげで、200年、時代をさかのぼった音が聴けました。