ガンで余命を宣告されていた絵本作家、文筆家の佐野洋子さんの最期の日々を記録した、
ドキュメンタリー映画です。
佐野さんの顔は映さないという条件で製作されましたが、路地裏のねこや、「100万回生きたねこ」を読みつなぐ女性たちの顔はしっかり出てきます。助演者^^たちが、主役かもしれません。
「100万回生きたねこ」は不思議な絵本です。
ねこは飼い主が大嫌いだし、何回もし(死)にますし、しんだら埋められます。
1977年に初版が出て、刊行35周年にあたる2012年には累計発行部数は180万部を超えたそうです。
私の手元にある、近くの大学の図書館で借りてきた本は2010年発行の第98刷。
超ロングセラーです。
だれのねこでもなくなったとき、ねこは自分が大好きで、その自分よりも大好きな対象が現れます。
そしていつか、「静かに動かなく」なります。「しにました」は使われません。
映画はお棺の中の遺体まで登場してきて(佐野さんではありません)、ぎょっとさせられたりします。
2010年佐野さんは亡くなりました。
亡くなったあとも、撮り続けられた映画を、もちろん佐野さんは見届けることはありませんでした。
(映画のスチル写真は映画.comのサイトから借用しました)