中国の作家、六六(リュウリュウ)さんの原作「蝸居」が出版されたのは2007年末、青樹明子さんの訳で「上海、かたつむりの家」が出版されたのは昨2012年9月です。
この5年の間に日本と中国の関係は大きく変わり、いまや中国は日本を抜いて世界第2位の経済大国です。
経済発展のスピードが速すぎる弊害が中国内外で様々な軋轢を引き起こしていて、隣国の住人としては恐怖と脅威、また驚異も感じます。
ただ、識者、評論家の中国を嫌悪する発言や、逆に媚びる発言の両方とも極端で気持ち悪いのも確かです。
普通に生活する一般人が自然に近づいていけたらどんなにいいでしょう。
この本の要約としてよく使われている文章はこうです。
「バブル、汚職官僚、貧富の差、拝金主義、不倫と性愛・・・。中国の現実社会のすべてが赤裸々に詰まっていた」
ぶ厚く、文字も小さく、翻訳といったら、私にとって手に取らない条件がそろった本です。
でも、思いのほかすいすいと最後まで読み切りました。
登場人物の名前に最後まで何度もルビがふられていました。
結構こんなことでも、読みやすさにつながってありがたかったです。
興味深い1冊でした。