香雪美術館で特別展「小倉遊亀 慈愛のまなざし」を観てきました。
会期は5月6日(月・休)までです。
小ぢんまりとした館内を一回りしたあと、別室での記念講演会に参加しました。
講師は小倉さんの出身地滋賀にある、滋賀県立近代美術館の主任学芸員、國賀由美子さん。
滋賀県立美術館は小倉さんの代表的な作品を数多く所蔵しています。
ホテルだったか旅館だったか失念しましたが、小倉さんの作品を飾っていたところが火災で作品とともに消失してから、作品を手元に置くことが多くなっていたのが、美術館建設の計画とともに寄贈され、コレクションのもとになっているようです。
父親が満州に42年間も渡ったきり帰国せず、決して豊かだったとはいえない子ども時代を過ごし、周囲の援助で奈良女子高等師範学校で学び、故郷の近くで母親の面倒をみながら、小学校の教師となりながらも、結局、恩師の東進について、彼女も東へ移動していく経歴や家族関係、作風など1時間半のレクチャーでした。
2000年に105歳で亡くなるまで、小倉さんは作品を創作し続けました。
2000年の第85回院展は彼女が亡くなった年の秋に作品が展示されたことになります。
マチスやピカソの影響を受けた作品があることは、以前観た展覧会の時に知りましたが、身近なものを題材にしていることが多いことや、ちょっとくだけた作風が温かさにつながっているように思います。
レクチャーを受けたあと、もう1回会場を回りました。
この展覧会には下絵や作品に登場している花器など、関連資料が併せて展示されています。