自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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今ここにある危機とぼくの好感度

2021-06-06 | 映画・テレビ

プロ野球のペナントレース中は本もなかなか読めないし、大好きなテレビドラマも観られません。
なんていうのは言い訳か。時間遣いのヘタな私です。

NHKの土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度」は、名門大学で次々と起こる不祥事に翻弄される大学の広報マンの話。
主人公の神崎真を松坂桃李さんが演じています。



録画していたこのドラマもハードディスクが足りなくなったし消そうかな? と、思ってました。
キャストは豪華なんだけれど、登場人物や筋が変てこ過ぎて・・・。

イケメンアナウンサーだった神崎は、「意味のあること」を言わないことで好感度をあげていましたが、後輩アナにその席を奪われました。

しかし彼を登用してくれた恩師の総長のもとで、「意味のあること」を言える人間に成長していきます。
まるで、いま日本で起こっていることとそっくりのシチュエーションでストーリーは進むのですが、脚本の渡辺あやさんとプロデューサーが企画を決めたのは2019年、収録はその後ですが、オリパラ開催の混迷より前のことです。

第3話で総長が何を聞かれても「学生の安全を確保すること」しか答えず呆れられるという場面は、菅首相が「国民の命と健康を守っていく」だけを繰り返し読み上げたことと重なります。

このドラマ消そうと思いつつ、全部見届けられてよかったです。
特に最終回の第5話。

総長役の松重豊さんのせりふに救われました。
ということで^^書き起こし^^ました。

帝都大学は過ちをおかした。
ゆえに、しかるべき責任を取らなければならない。
これが本当の現実です。

確かに競争はし烈です。
しかし、だからこそ我々がこのまま生き残っていけるとは、私にはどうしても思えないのです。
なぜなら、我々は腐っているからです。

皆さんはもうお気づきでしょう。
我々は組織として腐敗し切っています。

不都合な事実を隠蔽し、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認し合う。
何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じ合うことも、敬い合うこともできなくなってくるのです。

お互いに信頼も敬意も枯れ果てたような組織に、し烈な競争を生き残っていく力などありません。
もし本当にそれを望むのなら、我々は生まれ変わるしかない。

どんなに深い傷を負うとしても、まことの現実に立ち向かう力、そしてそれを乗り越える力、そういう本当の力を一から培っていかなければならない。

おそらく長く厳しい闘いになる。
これ(マスコミ懇談会で真実を語ること)はその第一歩です。

このセリフのバックに、バッハのカンタータ140番「目覚めよと呼ぶ声あり」が流れます。
全編を通じて挿入されている曲なんですけれどね。ここでは長くしっかり入ります。

いろいろな方々の顔が浮かんできませんか?

総長の言動に最後まで異を唱えた理事の一人がアベノマスクしてオミットされたイベント会場の袖から見ている場面が皮肉です。
でも、彼は再任された総長の補佐として残るのです。

ドラマのタイトルより先に「この物語はフィクションです」と出るところが、逆に「今こんなことが起こってるよ」と、言ってるみたいです。

 

今日甲子園で阪神はソフトバンクに大敗、オセロ勝ち負けも途切れ、1ヶ月半ぶりの連敗です。
明日休んで、といっても札幌に移動ですが、出直しですね。

 

 

コメント (4)
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