11月4日(火)、神戸市シルバーカレッジの公開講義を聴いてきました。
講師は立命館大学の元教授で、『季刊上方芸能』の発行人、木津川計さん。
上方芸能を1968年の創刊から最新号まで購読している夫は、はじめから参加する予定でしたが、私はたまたま聴いたNHKラジオの「ラジオエッセイ」に出演した木津川さんの「やぶさかではない」という言葉の話にいたく共感して、講義を聴きたくなって、追加で申し込みをしました。
講義の対象はシルバーカレッジの学生で、平均年齢は65歳前後、団塊の世代中心です。
対象がしぼられているし、意欲的な方々が多いようで、とても受け手の反応がいい講義でした。
木津川さんは杖をついて、足元おぼつかなくステージへの階段を上りました。
というのも、3年前に脳梗塞を発症して、今年の1月から杖を使うようになったということなのです。
3年前地下鉄の階段を降りようとしたら、左半身がしびれて歩けなくなっていて、タイミングよく拾えたタクシーに乗り帰宅しました。すぐ救急車を呼ぼうという奥さまを制止して朝まで待ち、タクシーでかかりつけ医にいったところ、即専門病院を紹介され入院することになったそうです。
「変だと思ったら迷わずすぐ病院へ」と、シルバー世代には身につまされる話です。
杖を持つようになってから、乗り物で席を譲られることが俄然多くなったそうで、譲られたらありがたく座らせてもらうことにしているそうです。
ただし、譲られてからすぐ本や新聞を読んだり、原稿を書き出したりすると、活動的に見えて、立ってくれた方に申し訳なくて、しばらくは譲り甲斐があったと思ってもらえるよう、神妙に座っている^^そうです。
木津川さんは今年79歳。
長谷川伸さん、谷崎潤一郎さん、今東光さん、藤本義一さんたちはともに79歳で鬼籍に入ったそうで、79歳の壁伝説を乗り越えられるか!と、ご自分のハンディを笑いに変えていました。
ツカミはまだまだ続き、たっぷり30分ほど。
本題に入ってからも、よどみなく60分、脳梗塞のあと味わったという言語障害もまったく感じさせず、壇上では杖を使わず白板に向かい板書されていました。
配られたレジュメを載せましたが、見にくいので、新〈趣味人〉の資質の部分を転記しておきます。
1.自然を愛する人
2.清福を好む人
3.ユックリズムを好む人
4.人生を楽しみながら生きていく人
シルバーカレッジが我が家から通学に便利な場所にあれば通うのに・・・。残念です。