私が生れてはじめてヨーロッパに行ったのは、1990年頃、親友の社長が持っているパリのアパートに彼女と二人で1週間滞在という、なんとも自由な初ヨーロッパ旅行でした。往復は旧ソ連のアエロフロートで、格安個人旅行。帰りの免税店で買ったのが、ディディエラマルトというブランドのワインレッドのショルダーバッグ。私は本革のバッグに目がなくて、ひとめぼれでした。
ずっとクローゼットに入れっぱなしのそのバッグが昨日、夢で出てきたのです。ユニコーンのブランドマークのそのバッグは、あまりのお気に入りで使うのがもったいなくてしまい込んでいましたが、夢の中でとても劣化して、早く外に出してくれと言っていたのです。
最近は高齢でハンドバッグは全然使わなくなり、せいぜいがレッスンバッグ、あとはリュックタイプばかりです。でも、レッスンバッグを使うのなら、このディディエのバッグを使えばいいのかもと思いました。夢では、普段使いしようと、バッグの詰め物を外してせっせと中に物を入れていました。
きっと、異国で寂しい思いをしていたのでしょう。夢に出てきて、なんとかしてくれと抗議したのかもしれません。大事にしすぎて、もったいないことをしたのかもしれません。初めてであった時のあの手触りの良さ、もう格別でした。マイナーなブランドですが、そして、私のバッグの形はどこにも出てこないのですが、それはそれはすばらしく素敵なバッグなのです。私はフランスが大好き!ヴァイオリンもフランス製です。私の余生をかけて、大事にするからね!