高野公彦選
おびえつつ防空壕で聞きし音いまウクライナにひびくサイレン 嘉麻市 野見山弘子
自国民保護するための侵攻と同じ嘘つくナチスとプーチン 狛江市 松本勇一
ようやくロシアのウクライナ侵攻に関する歌がたくさん出てきました。反戦歌とは、このことですね!がんばりましょう。さて、一首目、おそらく詠み手の方は戦争体験者なのではないでしょうか。自分の恐怖体験が思い出されて、つらいでしょう。こんなことが、21世紀になっても起きるなんて、とても信じられません。二首目、ヒトラーのナチスだけではありませんね、旧ソ連もカチンの森で、ポーランド軍の将兵を大勢殺したんです。最初はナチスの仕業と思われていたのがスターリンがやったとあとでわかりました。それに、ドイツ陥落と満州や北方領土では敗戦時にどれだけ旧ソ連兵が女性に性暴力を行なったか、恐ろしい話です。戦争とは未だにそういうものなのでしょうか。ウクライナでは女性子どもも殺されています。こんなことが許されていいのかとぞっとします。こういうことが正義だと言いながら行われる国って、おかしくないですか?悔しくて悔しくてたまりません。良識あるロシア人はすでに国外に出ていることでしょう。誰もプーチンを止められない。多分、プーチンがゐなくなっても、同じような人間がまた現れるのでしょうね。ああ、そんな国に生まれなくて本当によかった・・・、で話を終わられてはいけないと思います。どうしたらいいものか。
永田和宏選
あの下で人が死んでる泣いている国を出る人出られない人 茨木市 瀬川幸子
ウクライナの民の命を奪う国ロシアが安保理議長を務める 観音寺市 篠原俊則
自閉症の息子が教えてくれました江ノ電踏切はイ短調で鳴る 鎌倉市 佐々木眞
一首目二首目は、ウクライナ侵攻の歌です。二首目、知らなかったけれどこんな恐ろしいことがあるんですね、議長国が戦争を起こすなんて、どういうこと?三首目、こういう歌、大好きです。すごく惹かれます。
馬場あき子選
「平凡な暮ししたかった」と銃をとり戦火の中へ消えし若者 北海道 大戸秀夫
今年1月時点で、こんなことになるなんて、誰も思わなかったはずです。当たり前の日常が、こんなにも無残に壊れてしまうなんて。どうか、生き延びてください。でも、どっちにしても殺人はしてほしくないです。人を殺さないで国を守ることが、どうしてできないのでしょうか。
佐佐木幸綱選
若き日にチェーホフに知りし古都キエフ戦場となる春の日かなし
春日市 藤井量子
そうですよ、ロシア文学はそれこそ、文学界の王道じゃないですか。そんなロシアがこんなことするの?納得できませんよ。キエフを壊さないで!!