慈姑は、昔からおせち料理として食べていました。父の出身は愛知県一宮です。もしかしたら、その地方の伝統なのかもしれませんが、物心ついたときから、必ず慈姑を煮ていました。母が多発性骨髄腫で入退院を繰り返した頃、高尾でひとり暮らしする父にこの「慈姑の煮物」を作るために、病室で母から作り方を聞きました。いまはそのメモが私の宝物です。思えば、母は昭和時代の枠ぎりぎりに生きた人でした。昭和2年生まれ、そして昭和天皇崩御の数日前まで。だから、聞いたのは、母のなくなる10日くらい前だったのかもしれません。
うちには子どもがいないので、伝えるすべがありません。多分、姉に教えても料理が苦手だから絶対に作らないでしょう。これを機会に、書き留めておきます。どなたか、よかったら試して見ませんか?
材料は、くわい 20個
水 カップ2
酒 大さじ2
砂糖 大さじ3
みりん 大さじ2
醤油 大さじ2
塩 少々
作り方 くわいは皮をむいてすぐに水洗いし、しばらく水に入れておく。
鍋でくわいを2、3度湯でこぼす。
くわいを水洗いして鍋に戻しいれ、上記の調味料でことこと煮る。
最近は、半分の量で作っています。くわいは「芽が出る」という縁起ものです。父は遂に最期までアマチュアの画家で終わってしまったから、効果のほどはわかりませんが、あの食感はたまりません。おいしいですよ。
さて、炒り鶏から先に作りましょうか・・・。いつもは冷凍野菜を使っていたのですが、今回夫はすべての食材を生で買ってしまったので、実は面倒なんですよ。ま、今夜は帰りが遅いでしょうから、のんびり作るとしましょう。