昨日、久しぶりにトスカーナのパンを焼きました。これは、中だね法を使って、まず最初にゆるい生地を作り、それを発酵させて種落ちしてから、それに粉と水を加えて本ごねする方法で、ちょっと時間がかかるのです。それに、フランスパンを作るときのように、蒸気注入もします。
家庭のオーブンでこれをする場合には、天板に小石を並べて250度~300度で15分以上焼いて、パンを焼くとき、その直前に小石に200ccの水をかけて蒸気を出させてすぐにオーブンのふたを閉めて焼き始めます。
我家の小石は、父がいた高尾野家の庭から、無断で御影石を少しもらってきたものです。ありがたい・・・?!
さて、3年ぶりくらいのこのトスカーナのパン、最初、分量は通常の4/5にしたのですが、単純計算してほかの分量もそうしてはいけないのです。それは、シエナのレラ先生にも言われたことでした。うっかり、単純計算での分量で中だねを作ったr、亜どうもゆるくなくて、失敗してしまいました。それで、4/5でも、水の量は通常のとおりに作り直したらなんとか思ったような中だねになりました。4時間後、ふつふつと気泡が出てきて、なんとか種落ちしたようで、それから本こねをして1時間弱の一次発酵、そして分割とベンチタイム、そして仕上げ発酵して、久々の蒸気注入、そして焼成と、なんとか無事、やりとげたのでした。そして、焼きあがって並べたパンは、懐かしい、あのパンの歌をうたいはじめたのです。この焼きたてのパンが奏でる音楽、パチパチという音は本当に私を幸せにしてくれます。まあ、水分が抜けていく音なんですけれど、それがとても素敵なんです。フランスパンや食パンといったリーンなパンの焼いたあとに、よく聞かれます。
さすがに、久しぶりで成形もうまくできなかったので、けっこうふぞろいになってしまいました。でも、粉の味がよくわかる、シンプルでとてもおいしいパンです。夜は、夫が作ったラタトィユをオムレツにかけて、そのパンで食べました。あと、このパンは、最高のエキストラヴァージンオイルに浸して食べるだけでもワインに合うつまみになります。イタリアではそうして食べていました。
もし、試したい方は、ぜひ、こちらのレシピを参考にして下さい。シエナのレラ先生から教わり、自分なりに工夫してきたレシピです。