高野公彦選
能登に降る雪の予報の声揺らぐAIの音声でない声 奈良市 山添聖子
元旦が命日となりし人を視ずなおも進める原発稼働 佐倉市 中村寛
妻逝きてはじめての冬ひとりきり小さな家の大きな寒さ 館林市 阿部芳夫
一首目、能登の人たちのことを思えば、心のこもらないようなAIの声でニュースを流したくはないです。こちらはライフラインも問題なく使っていることに、なんだか心が痛みます。早く復旧することを願っています。私に何かできる事って、輪島塗のものを買うくらいしかできないのかな・・・。この歌は永田和宏氏も選んでいます。能登の大災害の時には自民党が裏金問題でそれこそ激震が走りましたけど、結局、議員の皆さんはレシートもない使途不明金で税金逃れをしているこの期間、国民はレシート1枚1枚チェックして確定申告している、こんなひどい国ってありますか?議員辞める時に大量に高級ワインを買ったって人もいましたよね。本当に腹が立ちますよ。二首目、元旦に大地震でめでたい日が一瞬にしてひっくり返ってしまう。お正月だからと帰省して集まった人たちも被害にあいました。まさか能登半島でこんな大きな地震が起こるなんて!原発をこの地域に作らなくてよかったけれど、だからって、他の地域が安全なんて全然ん保証できない火山列島日本なのです。それdめお原発を進めるのは絶対におかしい。今日、何かのニュースで見たのですが、日本は地熱発電に適しているのにほとんど作っていない。独逸なんて、ほとんど地熱が期待できないのに投資して作ろうとしている。温泉を選ぶか地熱を選ぶかってことなのかもしれないけれど、将来のエネルギーを考えたら今からでも計画立てて、原発は廃止しないといけないはず。なんでも地熱事業に業務スーパーもかかわっているとか、応援したいですね。三首目、たった一人になってしまった時の寂しさは、経験した人でないとわかりません。配偶者の死は、一番大きなストレスです。その次が引越し。私は数年の間にその二つとも経験しました。人は一人では生きて行けないものなんじゃないでしょうか。彼氏ができてよかった・・。この歌は馬場あき子氏も選んでいます。
永田和宏氏
良心の呵責ではない 死を前に自分に戻りたかった「桐島」 観音寺市 篠原俊則
日本の極左暴力集団で1970年代のテロ事件にかかわったとして指名手配されていた桐島聡、偽名でずっと暮らしていて末期がんで倒れて入院中に、本名を名乗ってしばらくして亡くなったという、世間を騒がせたニュースでしたね。1954年生れで赤軍派とか、そういうテロ集団に入っちゃうなんて、びっくりでした。もうちょっと前の世代かと思っていました。1954年は亡夫の生年ですから。そういえばデモに参加した話は聞いたことあったかな、夫は早稲田だったから。で、良心の呵責か、警察へのザマーミロ的なものかと言われていましたが、私もこの歌のように、本当の自分の名前に戻りたかったんだと思いました。偽りの人生を終わらせたかったのでしょう。
佐佐木幸綱選
おばあちゃん好きになってと言われてもトリケラトプスは好みじゃないの 新潟市 野澤千恵
これ、面白くて選んじゃいました。いくら大好きな孫に言われてもねえ・・。でも、そのうちひょっと好きになることもあるかもです。人生、何が起こるかわからない。