父は、大正14年生まれ。だから、年齢は昭和の年数と同じでした(昭和が終わるまでは)。母は、昭和2年生まれ。そして、昭和天皇の崩御の日の数日前に亡くなったので、母は本当に、昭和を生きた人でした。晩年の3年くらいは、多発性骨髄腫による闘病生活でした。
父は昔の人でしたから、男子厨房に入らずでしたが、絵が好きな器用な人でしたので、おにぎりは父がいつも握ってくれました。そして、すき焼きの味付けも父の役目。でも、それくらいだったので、母が倒れてから、週末には私が様子を見に行きました。父は、結局、ヨシケイの食材の宅配を利用して、何とか一人で食事を作っていました。そんな父の生活に、先日亡くなった小林カツ代さんの「簡単おかず」(昭和60年初版、家の光協会出版)がありました。
今は私も、料理好きの夫を亡くして一人暮らし。父が大事にしていたこの本を、私も使おうと思います。30年近く経っていても、この本はとても役に立ちます。彼女の料理は、今も、私たちを楽しませてくれます。心より、ご冥福をお祈りします。