今年も正月のおせちのために、くわいを煮ました。私が物心ついたときから、正月にはいつもこのくわいがありました。母は必ず作っていたのですが、おそらく、父の出身の愛知県の習わしだったのではないでしょうか。
芽が出るという縁起物ですが、50過ぎの夫婦に、いまさら芽が出たってねー。
実は、母が多発性骨髄腫で入退院を繰り返していたころ、今思えば相当な末期だった昭和63年暮れ、どうしても父にこのくわいの煮物を作りたくて、入院先の武蔵野赤十字病院の病棟で、もうろうとしていた母からレシピを聞き出してメモしたのです。以来、そのメモは毎年、取り出しては作り続けて21年。
くわいは皮をむき、すぐに水洗いして水に入れておく。
鍋に水から入れて2、3度茹でこぼす。
水洗いして鍋に入れ、水カップ2、酒大匙2、さとう大匙3、みりん大匙2、しょうゆ大匙2、塩少々で、ことこと煮る(くわい20個の分量)。
でも、このだし汁はくわい20個にしては少なすぎると思います。くわい10個くらいのつもりで作ったほうがいいでしょう。
ことしは大粒8個で作りました。ほくほくとしゃきしゃきの中間の歯ごたえが、くせになりそうです。
実は、この母の形見のレシピ、メモをなくしてしまったら最後なので、今回はブログに載せました。