佐佐木幸綱選
柔道着畳まれしまま梅雨に入る師範の夫のこの四ケ月 直方市 曽根富久恵
行列のできるパン屋が出現し村はにはかに都会の匂ひ 長野県 千葉俊彦
一首目、緊急事態宣言で外出自粛が続き、道場も開けないままになっていたご主人の様子が気の毒。この歌は馬場あき子さんも取っています。二首目、「行列のできるパン屋」というブームは都会だけではなく、地方にも進出しているのですね。都会の匂ひ、かあ・・。それが村に根付くのかは心配です。
高野公彦選
昭和より松山容子が笑みかくる雨宿りする村の雑貨屋 大阪市 橋口俊司
これは、ボンカレーの広告でしょう、なつかしいです!
永田和宏選
河童捕獲許可証を手に川沿いの小道行くなり遠野梅雨明け 坂戸市 山崎波浪
燃料棒抱いて妖しくゆらめきぬ冷却プールの青き静謐 霧島市 久野茂樹
「夜の街関連です」と東京の庶子かと思う街あるあわれ 水戸市 中原千絵子
一首目の遠野の河童、面白いです。なかなか梅雨明けしませんねえ。二首目、この光景、忘れてはいけない原発事故の今です。三首目、夜の街に罪を押し付けてもコロナ騒動は解決しないのに。経済を動かすとはいえ、感染者がどんどん増えたら医療崩壊が起きます。それでもいいのか、国の政策は絶対に間違っています。人の命よりも経済優先なんて、第二次世界大戦の日本そのものですよ。
馬場あき子選
真っ白な接触冷感生地選びナツノマスクを作る週末 ふじみ野市 片野里名子
十万円をありがたく受け国民に格差ひろがる五輪なき夏 日向市 黒木直行
一首目、カタカナにしているのは、アベノマスクを連想させるためでしょうか。不織布マスクは、夏にはとてもしていられません、暑くて。二首目、本当にその通りですよ。いまさら五輪やるお金なんか、どこをはたいたって、出て来ないでしょう。それにコロナが終息して完全に安全なんていえないと思う。捕らぬ狸の皮算用で、失敗しましたね。真夏にやるってことがありえませんし。
私から
手始めはアベノマスクの無駄遣い医療現場を助けもしない
コロナ禍で難病患者の安楽死医療崩壊恐れたからか
感染者がどんどん増えているのに、医療への政策を何もしていない。それよりもほかの事に税金をつぎ込んでいる、この国は本当におかしい。だいたい、コロナ患者にどれだけの医師や看護師が必要か、そして感染防止の費用もどれだけかかるか。インフルエンザとは全く違うんですよ。「コロナ加算」という点数をつけないと、病院はどんどん経営難になってしまいます。何より、コロナ患者が増えればそれだけ、通常の治療や手術が行われなくなるんです。ひどいですよ。医療崩壊が目前なのに、Go To トラベルだってさ!ニューヨークでは望めば誰でも無料でPCR検査を受けられるっていうのに。国民の安全を優先しないで、旅行業界だけを助けようとしているなんて、本当に情けない。悔しいです、本当に悔しいです。
医療従事者に、感謝という言葉だけではだめなんですよ。彼らはボランティアじゃない。何て愚かな政策ばかりしているんだろう、この国は。