ギャラリーのオーナーのKさんは父の教え子で、父の英語の授業でマクベスの朗読をテープで聞いたことを鮮烈に覚えていたそうです。それを彼女の同級生に聞いても、みな覚えていなくて、ご自分の記憶に不安を持ってしまったそうです。もしかしたr、あこう公の授業ではなくて大学だったのか?と。今回、例の父の自筆の日誌を展示したところ、その中に書いてあったのでした。どのクラスでも2学期最初の英語の授業で、マクベスのテープを聞かせたと。
それぞれの興味の深さなどで、記憶というものは全然違ってしまうものなのですね。やはり、興味のある人にとって、それはもしかしたら一生の進路を決めるような授業だったのかもしれないと思うと、やはり教師というのはすごいものなのかもしれません。
でも、ほとんどの時間を趣味の絵の制作に打ち込んでしまった父は、英語の教師としてはどうだったのだろう・・・。かつて生前、父は、「オレの授業は大学の授業よりも深くて面白かったと卒業生に言われた」と自慢したことがありました。興味のある生徒を引っ張っていく、それはとても生きがいになることでしょう。今は、興味のないやる気のない生徒を引っ張っていくことばかりが多くなっているのが現状なのかもしれません。
たくさん吸収できるときに、勉強に知の魅力に夢中になれないというのは、本当に残念なことだと思います。勉強がつまらないなんて、不幸だと思うなー。