馬場あき子選
プーちんが考え直しますようにと絵馬にあり偕楽園の梅は盛りに 東京都 吉見雅和
何も無いこの一日が大切な日々であるのを知るウクライナ 筑紫野市 二宮正博
一首目、プーちんは最初、わからなかったのですが、ロシアのプーチンのことだったんですね。お子さんが絵馬に書いたのでしょう。くまのプーさんかと思ってしまいました。おっとそれなら習近平でしたね。プーチンが起こしたこの残りゃくな戦争、早く終わることを祈っています。こんな非道が許されるわけがありませんよ。二首目、私たちは遠い極東にいます。でも、とても他人事とは思えないのですが。遠いから何も手助けすることが出来ないもどかしさを感じています。さらに、日本という国は島国なので、陸続きの感覚がわかりません・ウクライナも、ポーランドも、オーストリアだって、陸続きでの領土の不条理を経験してきた歴史があります。想像するしかないのですが、想像することこそ大事なんだと思います。他人事と思って、目をそらすことこそ、罪だと思います。ロシアの国民も、真実を知らされていないけれど、知ろうとしないことも罪なのです。この歌は、永田和宏さんも選んでいます。
佐佐木幸綱選
仕事みな中止となりてケータイを忘れて出ても困らない日々 東村山市 五十井梧楼
実感がありますね。それでも、ケイタイを忘れて外出とは、不安になるものです。私はよく、慌てて家に戻ることが多いですよ。
高野公彦選
壁の無きキエフのアパート部屋ごとに暮らしがあった命があった 観音寺市 篠原俊則
ウクライナとロシアの選手数多ならむ数年後のちのパラリンピック 関市 武藤修
プーチンに何を学ぶか見つめ居る習近平の今後が不安 福山市 梅本武義
一首目、篠原さんの歌です。ニュースで見た爆撃を受けて外壁が亡くなったアパートの姿が目に浮かびます。こんなことになって、住んでいた人たちがどうなったのか、本当に気の毒でなりません。日常が、平和が日常が突然壊されてしまうというこの戦争の恐ろしさ!これだけの破壊は、どうしたら元に戻るのでしょうか。壊すということは、賠償責任が、現状復帰の責任があると思うのですが、違いますか?二首目、東京の次はパリでしたよね、オリンピック。この戦争で、どれだけの人の命が奪われたのか、生きていても、どれだけ体に被害を受けるのか・・。そこから、パラリンピックへと希望をもって挑めるといいのですが、どうでしょうか・・。三首目、ロシアの暴挙に表立っては反対していない中国がどう出るか、世界が注視しています。まさか、非道のロシアに組して、中国が共に覇権を狙うのでしょうか。そんな地球に、未来があるのかしら。自由がない世界には、私は生きていられません。
永田和宏選
戻る人戻らない人判断がまだつかぬ人これが福島 南相馬市 佐藤隆貴
いまだにこうなのが、福島の現実です。それだけ、あの原発事故がいまだに平常に戻れないということなのですから、このエネルギー危機で、原発再稼働なんて、地震列島日本で現実的とはいえませんよね。原発は、今回の戦争で標的にされるということも分かったし、あまりにリスクが大きすぎます。絶対に、再稼働はあってはなりません。この歌は、そのままウクライナの人たちにも当てはまるものです。難民となって他国に行っても、仕事がなければ生活できない。一度非難した人も、戻っているということも聞きます。その土地dゑ生きる、生活する、それがどういうことか、そもそも、それを壊したロシアが私は許せないのです。このままでは、地球がどうなってしまうのか、不安でなりません。ああ、長生きはしたくないものです。