スノーカントリートレイルの難関である『越後駒ヶ岳周回』、日が長い時期にやりたい。
今回、その時が来たようです。
覚悟を決めて日帰りでやってやろうじゃないか。
越後駒ヶ岳は数年前に山仲間と登った思い出深い山です。
僕がGPSを落としちゃって、それを拾ってくれた人とその仲間たちです。
車に戻ったら貼り紙がしてあって、連絡先が書いてありました。
そこに電話すると、送ってくれる⋯と。
なんといい人なんだ!
なんてったって僕のGPSは、まだ発売されて間もないスペシャルなものでした。価格もおよそ10万円しました。
でも、遭難するより安いと思って、思い切って買ったものです。今ではこれを使わない登山やトレイルは無いです。
本当に買って良かったです。
それをですね、あっさりと落としてしまうなんて⋯。
あの時、僕と彼らだけあの山にあのタイミングで入ったのです。
さらに、僕がGPSを持っているのを彼は見ていたのです。
そんな偶然とそんな幸運で、今僕はそのGPSをまだ使えています。
スイッチのゴムが破けても、落として画面に傷が着いても、なんとか使えるようにしています。
ある日その彼から電話がありました。
『一緒に登りませんか? 僕ら百名山やってるんですけど、高橋さんも一緒に百座登りましょうよ』
そう言われて、僕のハートに火が着いたって訳です。
彼らに追いつくために北海道や九州の日帰りもやったし、往復1,500km運転して二座登って日帰りするなんてこともしました。おかげで去年『剱岳』にて百座目を達成したのは記憶に新しいことです。
その越後駒ヶ岳、けっこう厄介な山です。
まず、遠い。そしてコースタイムが長い。標高差も結構ある。さらにアップダウンも嫌になるほど出てくるのです。
二度目は無いかなと思っていたけど、スノーカントリートレイルで再び挑戦することになったというわけです。
そして今回はさらに難儀な『駒の湯登山口』からです。
ずっと急登の連続、稜線に出てからも駒ヶ岳はさらに奥です。
前夜、頑張って早めに出ましたが、それでも21時になりそうな時間でした。
眠くなるたびパーキングエリアに入って車を降ります。
そしてジャンプします。
ん? なんでジャンプするかって?
お客様のタカ〇くんがそうするって言ってたから。実験してるのです。
相当頑張って、到着は午前0時30分。
ごちゃごちゃ用意してから目覚まし時計をセットします。
起床は4時15分にしました。
なるべく軽くすると、やっぱり調理器具は省くことになりました。
『どうせ行程が長いからゆっくり出来ないし、雷雨が心配だし』
そう、また発雷確率が上がっているのです。
ただ、予報によると風向きが南のため、尾瀬や水上よりはちょっと良くなりそうです。
寝るにしては暑い夜です。
夏場は高い登山口を選べば窓も締め切っていてもさほど暑くないのです。
山は涼しいです。
4時45分スタートします。
のっけからいきなりの急登です。
100mほど登っただけで汗が吹き出してきます。
ひたすら森の中を登ります。
『きつい、きついじゃないか』
無心になって頑張ります。
7時37分やっと小倉山山頂に到着しました。
ここがコースポイントになっています。
枝折峠からの最短ルートとこの先で合流します。
さすが百名山、それなりに登ってくる人がいます。なんか久しぶりの感覚です。
いつも人けのない山ばかりですからね。
それでも平日となれば、だいたいがリタイアされたお父さんがほとんどです。
それでも中には強い人もいます。
僕は後ろから突っつかれるのが嫌いなので、なるべく1人になりたい⋯。
今日出会った方たちはみんな普通の人ばかりで助かりました。
単独のご婦人がいました。
僕とスピードが同じです。
風が抜けるいい所でパンを食べていました。
その先の岩場でおじさんがお二人休憩しています。
僕もそこに座りました。
なんかもう疲れきってしまいました。
暑さのせいもありますね。
持って来た水は明らかに足りません。
9時43分 駒の小屋に到着しました。
水がザーザー出ています。
雪解け水のようです。
飲んでみると、クセがなく美味しかったので空いたペットボトルに2本詰め込み、さらに満足いくまでゴクゴクと飲み貯めしておきました。
その間にご婦人が先に山頂へ向かいます。
早くはないけど、なかなかいい足持ってますね。
単独なんてやるじゃん。
ふらふらになった足は、軽くつってきました。いつも持ってる塩を忘れたからかな?
念のために持っていた薬を飲んで回復を待ちます。
10時17分越後駒ヶ岳山頂。
山頂では先ほどのご婦人がベンチに腰掛けて軽い食事をしてました。
新潟県内の方だということで、3時に起きて来たんだとか。
山はいくらやってもいいけど、長距離の運転だけはやめてくれとご主人に言われているようです。
僕はまずチェックポイントの道標を探します。
山頂プレートの裏に隠れていました。
スノーカントリートレイルの話をしました。驚いていました。
まだまだ知名度としてはこれからですね。
攻略方法を考えて、それを実行する感覚がとても刺激的です。
地方の知らないことや、地元の方とのおしゃべりなんかもいいですね。各地特色があります。
日本は挨拶するとちゃんと返ってきます。
これも旅を軽快にするスパイスだと思います。
ご婦人が先に下山を開始しました。
5分ほどして僕がスタートします。
やはり下りは僕にとっては得意みたいで、だいぶ前に出た方を次々とパスしていきます。
そんなに飛ばしている感覚はないんですけどね。
ところが、何度か現れる登り返しが思うように上がれません。
フラフラします。
どうやら軽い熱中症になったようです。
小屋で汲んできた水をガブガブ飲んで癒します。
ポットには氷をぎっしり詰め込んで来ました。
これが良かった。大中小とポットのサイズを揃えて持っていますが、用意の時点で小が見当たらず中にしました。
またまたこれが良かった。下山まで僅かながらに氷が残ってくれました。
ダメだフラフラだ。
何度も座り込みます。
風がない。
日焼けがひどい。
もってきたタオルは絞れるほど汗を含んで、温泉で使ったタオルのようです。
明日は平地なので裸のような薄着と厚めのタオル2本、凍ったドリンクを用意しよう。
あと、塩もね。
13時33分、明神峠に着きました。
思っていたほど空もヘソを曲げず、これから樹林帯を降りて行きます。
『銀の道』という名が付いた道が指定されています。
江戸時代には銀山から銀をはこびだす唯一の道として栄えたらしいです。
入り込むやいなや、雑草の道でした。あまりにも背丈の高い藪漕ぎかと思われるような道でした。
『いやだなぁ、これを2時間も歩くのか⋯』
と思いながら歩いていると、たまに落ち葉のしっかりした道になったりしました。
下に行くほど良くなりなすが、突然薮になったりします。
路肩が狭く、傾斜が強いので踏み外すと藪の中に埋没しそうです。
木の根を踏んで滑り落ちないように神経を使いながら歩きます。
倒木、蜘蛛の巣、変な虫、色々なものに歓迎されながら進みます。
10合目から1合目まで道標が立っていました。そこにもトレイルの道標が付いています。こんな所まで付けに来るのは大変だっただろうなぁ。
山をやる人が付けにくるのかなぁ。
そんなことを考えたりしました。
ほとほと嫌になったころ、林道に吐き出されました。
着いた!
いやー辛かった。
身体中が腐敗した臭いだ。
風呂、風呂に入りたい。
ささっと片付けて車で風呂に向かいます。
どうせなら道標がある『ユピオ』に行ってみよう。
ところが定休日でした。
道標は⋯ 見つかりませんでした。
念のため、事務局に問合せてみると担当者さんはお休みでした。
ま、最悪分かるところで撮影するしかないな⋯。
8km走って『薬師の湯』に行きました。
近くにコンビニもあるので、色々仕入れました。
アイスや炭酸飲料も買いました。
風呂は綺麗で良かったですよ。
フロントにはスノーカントリートレイルのハイカー証(ステッカー)も置いてありました。
JAF割もあります。
小出インターも近いので明日もここかな?
食堂もありました。
キッチンにいるお姉さんにオススメを聞くと『おろしそば』と言うのでそれにしました。
あっさりとした感じで塩っけが足りなく、今の自分には薄味でしたけど、まあまあでした。
車に戻ってブログを入力します。
忘れないうちにね。
そして駒の湯登山口の駐車場で夜を明かす計画です。
少しでも標高を上げないと暑くて眠れなさそうですから。
コンビニで、焼きそばとドリンクと日焼け止めを買いました。
今夜は22時に就寝です。
おしまい。明日に続きます。
歩行距離18.7km
累計標高差 +1961m -1977m
所要時間 10h45m
41,200歩
今回、その時が来たようです。
覚悟を決めて日帰りでやってやろうじゃないか。
越後駒ヶ岳は数年前に山仲間と登った思い出深い山です。
僕がGPSを落としちゃって、それを拾ってくれた人とその仲間たちです。
車に戻ったら貼り紙がしてあって、連絡先が書いてありました。
そこに電話すると、送ってくれる⋯と。
なんといい人なんだ!
なんてったって僕のGPSは、まだ発売されて間もないスペシャルなものでした。価格もおよそ10万円しました。
でも、遭難するより安いと思って、思い切って買ったものです。今ではこれを使わない登山やトレイルは無いです。
本当に買って良かったです。
それをですね、あっさりと落としてしまうなんて⋯。
あの時、僕と彼らだけあの山にあのタイミングで入ったのです。
さらに、僕がGPSを持っているのを彼は見ていたのです。
そんな偶然とそんな幸運で、今僕はそのGPSをまだ使えています。
スイッチのゴムが破けても、落として画面に傷が着いても、なんとか使えるようにしています。
ある日その彼から電話がありました。
『一緒に登りませんか? 僕ら百名山やってるんですけど、高橋さんも一緒に百座登りましょうよ』
そう言われて、僕のハートに火が着いたって訳です。
彼らに追いつくために北海道や九州の日帰りもやったし、往復1,500km運転して二座登って日帰りするなんてこともしました。おかげで去年『剱岳』にて百座目を達成したのは記憶に新しいことです。
その越後駒ヶ岳、けっこう厄介な山です。
まず、遠い。そしてコースタイムが長い。標高差も結構ある。さらにアップダウンも嫌になるほど出てくるのです。
二度目は無いかなと思っていたけど、スノーカントリートレイルで再び挑戦することになったというわけです。
そして今回はさらに難儀な『駒の湯登山口』からです。
ずっと急登の連続、稜線に出てからも駒ヶ岳はさらに奥です。
前夜、頑張って早めに出ましたが、それでも21時になりそうな時間でした。
眠くなるたびパーキングエリアに入って車を降ります。
そしてジャンプします。
ん? なんでジャンプするかって?
お客様のタカ〇くんがそうするって言ってたから。実験してるのです。
相当頑張って、到着は午前0時30分。
ごちゃごちゃ用意してから目覚まし時計をセットします。
起床は4時15分にしました。
なるべく軽くすると、やっぱり調理器具は省くことになりました。
『どうせ行程が長いからゆっくり出来ないし、雷雨が心配だし』
そう、また発雷確率が上がっているのです。
ただ、予報によると風向きが南のため、尾瀬や水上よりはちょっと良くなりそうです。
寝るにしては暑い夜です。
夏場は高い登山口を選べば窓も締め切っていてもさほど暑くないのです。
山は涼しいです。
4時45分スタートします。
のっけからいきなりの急登です。
100mほど登っただけで汗が吹き出してきます。
ひたすら森の中を登ります。
『きつい、きついじゃないか』
無心になって頑張ります。
7時37分やっと小倉山山頂に到着しました。
ここがコースポイントになっています。
枝折峠からの最短ルートとこの先で合流します。
さすが百名山、それなりに登ってくる人がいます。なんか久しぶりの感覚です。
いつも人けのない山ばかりですからね。
それでも平日となれば、だいたいがリタイアされたお父さんがほとんどです。
それでも中には強い人もいます。
僕は後ろから突っつかれるのが嫌いなので、なるべく1人になりたい⋯。
今日出会った方たちはみんな普通の人ばかりで助かりました。
単独のご婦人がいました。
僕とスピードが同じです。
風が抜けるいい所でパンを食べていました。
その先の岩場でおじさんがお二人休憩しています。
僕もそこに座りました。
なんかもう疲れきってしまいました。
暑さのせいもありますね。
持って来た水は明らかに足りません。
9時43分 駒の小屋に到着しました。
水がザーザー出ています。
雪解け水のようです。
飲んでみると、クセがなく美味しかったので空いたペットボトルに2本詰め込み、さらに満足いくまでゴクゴクと飲み貯めしておきました。
その間にご婦人が先に山頂へ向かいます。
早くはないけど、なかなかいい足持ってますね。
単独なんてやるじゃん。
ふらふらになった足は、軽くつってきました。いつも持ってる塩を忘れたからかな?
念のために持っていた薬を飲んで回復を待ちます。
10時17分越後駒ヶ岳山頂。
山頂では先ほどのご婦人がベンチに腰掛けて軽い食事をしてました。
新潟県内の方だということで、3時に起きて来たんだとか。
山はいくらやってもいいけど、長距離の運転だけはやめてくれとご主人に言われているようです。
僕はまずチェックポイントの道標を探します。
山頂プレートの裏に隠れていました。
スノーカントリートレイルの話をしました。驚いていました。
まだまだ知名度としてはこれからですね。
攻略方法を考えて、それを実行する感覚がとても刺激的です。
地方の知らないことや、地元の方とのおしゃべりなんかもいいですね。各地特色があります。
日本は挨拶するとちゃんと返ってきます。
これも旅を軽快にするスパイスだと思います。
ご婦人が先に下山を開始しました。
5分ほどして僕がスタートします。
やはり下りは僕にとっては得意みたいで、だいぶ前に出た方を次々とパスしていきます。
そんなに飛ばしている感覚はないんですけどね。
ところが、何度か現れる登り返しが思うように上がれません。
フラフラします。
どうやら軽い熱中症になったようです。
小屋で汲んできた水をガブガブ飲んで癒します。
ポットには氷をぎっしり詰め込んで来ました。
これが良かった。大中小とポットのサイズを揃えて持っていますが、用意の時点で小が見当たらず中にしました。
またまたこれが良かった。下山まで僅かながらに氷が残ってくれました。
ダメだフラフラだ。
何度も座り込みます。
風がない。
日焼けがひどい。
もってきたタオルは絞れるほど汗を含んで、温泉で使ったタオルのようです。
明日は平地なので裸のような薄着と厚めのタオル2本、凍ったドリンクを用意しよう。
あと、塩もね。
13時33分、明神峠に着きました。
思っていたほど空もヘソを曲げず、これから樹林帯を降りて行きます。
『銀の道』という名が付いた道が指定されています。
江戸時代には銀山から銀をはこびだす唯一の道として栄えたらしいです。
入り込むやいなや、雑草の道でした。あまりにも背丈の高い藪漕ぎかと思われるような道でした。
『いやだなぁ、これを2時間も歩くのか⋯』
と思いながら歩いていると、たまに落ち葉のしっかりした道になったりしました。
下に行くほど良くなりなすが、突然薮になったりします。
路肩が狭く、傾斜が強いので踏み外すと藪の中に埋没しそうです。
木の根を踏んで滑り落ちないように神経を使いながら歩きます。
倒木、蜘蛛の巣、変な虫、色々なものに歓迎されながら進みます。
10合目から1合目まで道標が立っていました。そこにもトレイルの道標が付いています。こんな所まで付けに来るのは大変だっただろうなぁ。
山をやる人が付けにくるのかなぁ。
そんなことを考えたりしました。
ほとほと嫌になったころ、林道に吐き出されました。
着いた!
いやー辛かった。
身体中が腐敗した臭いだ。
風呂、風呂に入りたい。
ささっと片付けて車で風呂に向かいます。
どうせなら道標がある『ユピオ』に行ってみよう。
ところが定休日でした。
道標は⋯ 見つかりませんでした。
念のため、事務局に問合せてみると担当者さんはお休みでした。
ま、最悪分かるところで撮影するしかないな⋯。
8km走って『薬師の湯』に行きました。
近くにコンビニもあるので、色々仕入れました。
アイスや炭酸飲料も買いました。
風呂は綺麗で良かったですよ。
フロントにはスノーカントリートレイルのハイカー証(ステッカー)も置いてありました。
JAF割もあります。
小出インターも近いので明日もここかな?
食堂もありました。
キッチンにいるお姉さんにオススメを聞くと『おろしそば』と言うのでそれにしました。
あっさりとした感じで塩っけが足りなく、今の自分には薄味でしたけど、まあまあでした。
車に戻ってブログを入力します。
忘れないうちにね。
そして駒の湯登山口の駐車場で夜を明かす計画です。
少しでも標高を上げないと暑くて眠れなさそうですから。
コンビニで、焼きそばとドリンクと日焼け止めを買いました。
今夜は22時に就寝です。
おしまい。明日に続きます。
歩行距離18.7km
累計標高差 +1961m -1977m
所要時間 10h45m
41,200歩