『塔(継承と改革 息づく匠の精神) 4(古代日本 塔の来歴)』
『「日本で唯一」二層、三層へと登ることができる安来市清水寺』
先般(2020/03/08・03/15・03/22)、日経新聞の日曜日版に美の粋という特集があり、『古代日本 塔の来歴』を掲載していました。
日本の塔は2層から上には上ることを想定していない造り(吹き抜け)だということを知りませんでした。 裳階(仏堂・仏塔などの軒下壁面に取り付けた庇状の構造物)辺りに見える回廊のようなものは、単なる飾りのようです。塔は、観たときには、上りたいと思いますが、上るものでは無く、下から見るものようです。
余談ですが、世界盆栽展の最優秀作品を大勢の観客の後ろから呆然と見ていたら、『南ア』から、来日された講師の方から、突然教わったこと、『盆栽は下から見て、巨木に見えるものが良い』とアドバイスをいただきました。 盆栽ズブ素人のアラ傘寿(当時)には、『目から鱗』で即納得でした。
通常、五重塔、三重塔の内部は、立ち入り禁止です。 いつでも、そうですが、特例はあります。 通常、仏塔の中は基本的に非公開で立ち入り禁止ですが『日本で唯一』二層、三層(最上階)へと登ることができる階段が設けられていて『塔の中に入って最上層へと登り「外に出る」こともできる』仏塔が島根県の安来市にある清水寺(きよみずでら)です。
安来市清水寺
ウキペデイア情報から引用
天台宗の寺、山号は瑞光山(ずいこうざん)。 中國観音霊場第28番札所、出雲観音霊場第27番札所、出雲国神仏霊場第11番札所。 開山は尊隆上人、本尊は十一面観世音菩薩です。
大阪市堺市中区土塔町の大野寺土塔
塔として、瓦や石で作った仏塔もあるという。 土塔と呼ばれるこれらの塔の存在すら私は知らなかった。 堺市にある土塔は1辺53m、高さ9m、頂部まで13の階段が設けられた13層。 727年、行基によって創建。 これを『ピラミッド』と呼ばす『土塔』と呼ぶ、先哲の方々の敬意と同時にエジプトの影響がここまで及んでいることに驚きました。
平成9年周辺発掘調査時の土塔
ウエブ情報から引用
土塔(北西隅より)
ウエブ情報から引用
大野寺は行基(ぎょうき)が建立したといわれる。
行基、668-749 飛鳥(あすか)-奈良時代の僧。 和泉(いずみ)(大阪府)の人、百済系渡来人の末という。 義淵(ぎいん),道昭に法相(ほっそう)をまなぶ。 各地で布教のかたわら架橋,築堤,池溝開削,布施(ふせ)屋の設置などにつくして多数の信者を得,菩薩(ぼさつ)とあがめられる。その活動は百姓をまどわすとして一時禁圧されるが,聖武(しょうむ)天皇の帰依をうけ,天平15年東大寺大仏造営の勧進(かんじん)をおこなった。 17年わが国初の大僧正。畿内に49寺院をひらいた。
同じような塔・遺跡が岡山県の赤磐市熊山遺跡の山頂にあります。 割石を3段に積んだ、1辺は8m、高さ3.4mの「龕」(仏像を納める区画)を持つ構造だ。
全国唯一の石積遺構
ウエブ情報から引用
この塔の源流はどこかと云う事は分からないらしいが、インドネシアのボロブドール遺跡の名前も類似としてあげられていた。
ウエブ情報から引用
『所変われば・・・』では済まされない、文明・文化の交流は凄いです。
(記事投稿日:2022/09/08、#571)
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