『錆びない剣 1(偶然で結果良し)』(好奇心は探る-古代技術のこと)
『鉄鉱石の代わりに鉄隕石を使った。化学変化が錆や腐敗から剣を守った』
先日、ツタンカーメンの特番で、3,400年間も『錆びなかった剣』が放送されていました。
ウエブ情報(ツタンカーメンの錆びない剣の画像)より引用
先ずはウェブ情報です。
1922年、考古学者ハワード・カーターによって発見されたツタンカーメンの墓だが、ミイラの右大腿部分に、1本のナイフが収められていた。 現在、エジプト考古学博物館が所蔵するこのナイフの刃の部分に研究者を悩ませ続けてきた大いなる謎が秘められていた。
なんと、3400年以上前に作られた鉄製のナイフであるにもかかわらず、刃がまったく錆びていなかったのだ。 しかも、鉄器時代の幕開け(紀元前8世紀)から遡ること600年、紀元前14世紀に作られたものと考えられており、世界史の通説とも合致しない。
今回この謎に挑んだのが、ミラノ工科大学(伊)、ピサ大学(伊)、エジプト考古学博物館の研究者たちからなる共同研究チームだ。ツタンカーメンのナイフを蛍光X線による組成分析(非破壊分析)にかけた彼らは、結果を先月20日に学術誌の論文において研究チームは、ツタンカーメンのナイフが隕石から作られたと結論づけている。
ここで思い出したのが、2,000年以上も錆びなかったと言われる。中国の『越王勾践剣』で八振りもある、と言われています。
これもウェブ情報です。
なんと、2000年以上という長い年月を土の下で眠っていたというのに、刀身が全く錆びていなかったからです。 別の場所で出土した同年代の剣の多くは腐敗が進み、かつての輝きは既に失った状態で見つかっています。 しかし、「越王勾践剣」は当時の造形や輝きをそのままにして見つかっており、刃の鋭さまで保っていました。
ただの鉄ならば100年と持たずに錆びてしまうはず・・・。
(どんな防錆処置をしても、持っても百数十年でしょうか、日本の鉄筋構造が良い例です。)
その謎を解明するために、中国の復旦大学と中国科学院が共同でX線解析した所、ついに謎が解明されました! その結果、剣の刀身には銅が用いられており、表面には硫黄が多く含まれていることが判明しました。 そして、硫黄が刀身の銅と化学反応を起こして生まれた「硫化銅」が、剣全体を包んでいることも分かりました。つまり、硫化銅がちょうど鞘と同じ働きをして、刀身本体が空気に触れる事を防いでいたのです。 さらに、表面に薄いクロムが塗られている事も分かり、クロムの影響で腐敗を防いでいた事も判明しました!
つまり、化学の力を使って錆や腐敗から剣を守っていたのです。
このような情報;
❶エジプトの剣、鉄鉱石の代わりに鉄隕石を偶然使っていた。
❷中国の剣、結果的に、化学変化が、錆や腐敗から剣を守っていた。
を早く解って居れば、グラハムハンコックの小説に夢中にならなくて済んだと思うこの頃です。
(記事投稿日:2018/05/31、最終更新日:2020/04/08、#019)
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