先だっての報道によると、「長男」であるのに、役所の記載ミスにより戸籍上「長女」と記載されていた男性の婚姻届が受理されなかった、という事件が発生したようだ。
当該自治体は、法務省に対して「長男」に訂正する許可を求め、男性に対し謝罪はしたらしいのだが、その手続きに1週間の日数を要するとのことである。
この私も、戸籍謄本の記載事項の誤記を経験している。
数年前の話になるが、戸籍抄本が必要となり、当時の私の本籍所在地の東京都豊島区へ取得に出かけた。
発給された戸籍抄本の内容をその場で確認してみると、私の母の氏名の一字が抜けている。ちょうど全国的に戸籍簿の電算化が進められていた直後であり、手書きの戸籍簿から電算処理へ移行時の役所の「転記入力ミス」であるとすぐさま推測した私は、その旨を母の正しい氏名と共に窓口に訴えた。
「しばらくお待ち下さい」とのことで、1時間足らず待たされた後、再び窓口に呼ばれた。担当者は新たに作成し直した戸籍謄本を私に手渡しながら、「ただ今貴方の戸籍履歴を確認しましたところ、貴方がおっしゃったお母様の氏名が記載されていましたので、その氏名で作成し直しました。」との不十分ですっきりしない説明である。
結局、役所の「転記入力ミス」の一言も発せられず、誤記に対する謝罪の一言もないまま、私はその場を立ち去らざるを得ない成り行きとなった。
さて、話が変わるが、我が子は普段“戸籍名”ではなく“通称名”を使用している。これにはやむを得ぬ事情があるためだ。
我が子の名前は、母である私がギリシャ哲学より引用して命名している。あれやこれやと漢字の当て字を考慮したり、ひらがな表記も候補として考えたのであるが、原語の持つ意味合いを尊重したいがためにあえて“カタカナ”表記で命名し、役所に出生届けを提出した。
母としては自信を持って我が子に贈った名前のつもりだったのに、予想だにしない世間からの反応の洪水に合う羽目となるのだ。
「ご両親のどちらかが外国人ですか?」
子どもを産んだ後に出会う人、出会う人からこの質問攻めに遭う。名前の由来の本来の意味合いを理解してくれて「ギリシャ哲学からの引用で素敵な名前ですね!」などと言って下さるのは、1%にも満たない。(もちろん、元よりの知り合いの方々は当然ながら名前の由来をご存知で、賞賛いただいていたのであるが…)
落胆し困惑を極めた私は、子ども本人の苦労を回避するため、幼稚園入園時から“戸籍名”を避けてひらがな表記の“通称名”で通すことに決めた。
そして現在に至っている訳であるが、公文書や公的機関への書類提出時には“戸籍名”を使用する等の使い分けの労力が日々結構煩雑である。
先だって、日本郵政公社が民営化によりゆうちょ銀行へ移行したのに伴い、現在ゆうちょ銀行では、通帳の“本人確認”を進めているようである。
我が子の通帳は“通称名”で作成していたために、この“本人確認”に難儀した話を以下に披露しよう。
近くのゆうちょ銀行へ行き我が子の本人確認を申し出ることになる。当然ながら、本人であることを証明する書類と通帳との氏名が一致しない。「こういう事例は至って稀」で支店での判断が困難とのことで、係員が本部に問い合わせてくれるのだが、この問い合わせが難航している模様だ。待つこと1時間、結局結論が出ないとの回答で、後日自宅に電話をいただけることになった。そして、後日の電話による指示の何種類もの必要書類を持参して再び支店を訪ねるのだが、またもや係員の電話での本部との話し合いが難航している模様である。またまた待つこと今度は1時間半、やっと通帳を“戸籍名”に書き換えてもらえたのであるが、「本部が届出を受理しない場合も考えられるので、その際にはまた電話する」とのことである。(一体何度ゆうちょ銀行へ足労すれば本人と認めてもらえるの…)
本人が本人であると申し出て、承認されない…
戸籍制度とは何とも難儀な制度である。
P.S. 表題から話がずれるが、こう言った話題を出すと必ず出るのが「子どもの名前は子ども本人の迷惑を考慮して、親は奇名・珍名は避けるべきだ。」との意見である。この私も既に何度も何度もこの言葉を聞き飽きている。
そこで私は申し上げたいのだが、奇名・珍名の定義も人それぞれであるということだ。私が子どもに贈った名前は最高の名前であると当時から今に至るまで自負しているし、そんな親の熱い思いは子どもに確実に伝わっている。我が家にとっては決して“奇名・珍名”ではないのである。加えて子どもの成長と共に子どもの周囲の環境も変化してきて、現在では子どもの名前の受容者、賞賛者が増えて苦労も軽減されてきている。
子どもが高校を卒業した時点で通称名も卒業して、氏名をカタカナの“戸籍名”で通したいというのが、子ども本人の希望でもある。
我が子の名前が奇名・珍名であるとの反論コメントは、既に成長している子ども本人にも悪影響を及ぼしますため、筆者原左都子のポリシーに基づき、今回に限り、誠に勝手ながら削除させていただきます故をお許し下さいますように。
当該自治体は、法務省に対して「長男」に訂正する許可を求め、男性に対し謝罪はしたらしいのだが、その手続きに1週間の日数を要するとのことである。
この私も、戸籍謄本の記載事項の誤記を経験している。
数年前の話になるが、戸籍抄本が必要となり、当時の私の本籍所在地の東京都豊島区へ取得に出かけた。
発給された戸籍抄本の内容をその場で確認してみると、私の母の氏名の一字が抜けている。ちょうど全国的に戸籍簿の電算化が進められていた直後であり、手書きの戸籍簿から電算処理へ移行時の役所の「転記入力ミス」であるとすぐさま推測した私は、その旨を母の正しい氏名と共に窓口に訴えた。
「しばらくお待ち下さい」とのことで、1時間足らず待たされた後、再び窓口に呼ばれた。担当者は新たに作成し直した戸籍謄本を私に手渡しながら、「ただ今貴方の戸籍履歴を確認しましたところ、貴方がおっしゃったお母様の氏名が記載されていましたので、その氏名で作成し直しました。」との不十分ですっきりしない説明である。
結局、役所の「転記入力ミス」の一言も発せられず、誤記に対する謝罪の一言もないまま、私はその場を立ち去らざるを得ない成り行きとなった。
さて、話が変わるが、我が子は普段“戸籍名”ではなく“通称名”を使用している。これにはやむを得ぬ事情があるためだ。
我が子の名前は、母である私がギリシャ哲学より引用して命名している。あれやこれやと漢字の当て字を考慮したり、ひらがな表記も候補として考えたのであるが、原語の持つ意味合いを尊重したいがためにあえて“カタカナ”表記で命名し、役所に出生届けを提出した。
母としては自信を持って我が子に贈った名前のつもりだったのに、予想だにしない世間からの反応の洪水に合う羽目となるのだ。
「ご両親のどちらかが外国人ですか?」
子どもを産んだ後に出会う人、出会う人からこの質問攻めに遭う。名前の由来の本来の意味合いを理解してくれて「ギリシャ哲学からの引用で素敵な名前ですね!」などと言って下さるのは、1%にも満たない。(もちろん、元よりの知り合いの方々は当然ながら名前の由来をご存知で、賞賛いただいていたのであるが…)
落胆し困惑を極めた私は、子ども本人の苦労を回避するため、幼稚園入園時から“戸籍名”を避けてひらがな表記の“通称名”で通すことに決めた。
そして現在に至っている訳であるが、公文書や公的機関への書類提出時には“戸籍名”を使用する等の使い分けの労力が日々結構煩雑である。
先だって、日本郵政公社が民営化によりゆうちょ銀行へ移行したのに伴い、現在ゆうちょ銀行では、通帳の“本人確認”を進めているようである。
我が子の通帳は“通称名”で作成していたために、この“本人確認”に難儀した話を以下に披露しよう。
近くのゆうちょ銀行へ行き我が子の本人確認を申し出ることになる。当然ながら、本人であることを証明する書類と通帳との氏名が一致しない。「こういう事例は至って稀」で支店での判断が困難とのことで、係員が本部に問い合わせてくれるのだが、この問い合わせが難航している模様だ。待つこと1時間、結局結論が出ないとの回答で、後日自宅に電話をいただけることになった。そして、後日の電話による指示の何種類もの必要書類を持参して再び支店を訪ねるのだが、またもや係員の電話での本部との話し合いが難航している模様である。またまた待つこと今度は1時間半、やっと通帳を“戸籍名”に書き換えてもらえたのであるが、「本部が届出を受理しない場合も考えられるので、その際にはまた電話する」とのことである。(一体何度ゆうちょ銀行へ足労すれば本人と認めてもらえるの…)
本人が本人であると申し出て、承認されない…
戸籍制度とは何とも難儀な制度である。
P.S. 表題から話がずれるが、こう言った話題を出すと必ず出るのが「子どもの名前は子ども本人の迷惑を考慮して、親は奇名・珍名は避けるべきだ。」との意見である。この私も既に何度も何度もこの言葉を聞き飽きている。
そこで私は申し上げたいのだが、奇名・珍名の定義も人それぞれであるということだ。私が子どもに贈った名前は最高の名前であると当時から今に至るまで自負しているし、そんな親の熱い思いは子どもに確実に伝わっている。我が家にとっては決して“奇名・珍名”ではないのである。加えて子どもの成長と共に子どもの周囲の環境も変化してきて、現在では子どもの名前の受容者、賞賛者が増えて苦労も軽減されてきている。
子どもが高校を卒業した時点で通称名も卒業して、氏名をカタカナの“戸籍名”で通したいというのが、子ども本人の希望でもある。
我が子の名前が奇名・珍名であるとの反論コメントは、既に成長している子ども本人にも悪影響を及ぼしますため、筆者原左都子のポリシーに基づき、今回に限り、誠に勝手ながら削除させていただきます故をお許し下さいますように。