原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

福島さん、よくぞ政権離脱した!

2010年06月01日 | 時事論評
 冒頭から原左都子の個人的な嗜好の話で恐縮なのだが、実は私は社民党現党首の 福島瑞穂氏 を2003年の党首就任直後より好意的に捉えさせていただいている。

 最初に断っておくが、私は決して社民党支持派ではない。(原左都子は典型的な“無党派層”であり支持政党は一切ない。)  にもかかわらず何故に社民党党首である福島氏を好意的に捉えているかの理由について、少し述べさせていただこう。

 その第一の理由は氏と私が “同い年” であるからだ。 (原左都子の実年齢がバレるなあ… ) 同じ時期に生まれ同じ時代を生き抜いてきている同世代の人には無条件に親しみが湧くものである。(皆さんも、そうじゃないですか??) 

 次に福島氏は東大法学部を卒業され弁護士を経験しておられる。 これに関しては決して学歴、経歴にこだわる思想に基づいている所以ではなく、 国会議員とは政治経済や法学等に関するある程度の学問経験やそれに基づいた職業的バックグラウンドが要求される職種であると私は考えているからだ。 福島氏の場合、東大法学部を卒業後司法試験に合格した後、1998年の参院選当選までにある程度の年数弁護士の実務も積み重ねて来られている。
 訳のわからんタレントやスポーツ選手等の“名のみの有名人”が7月の参院選に“人寄せパンダ”として立候補させられている旧態依然とした現状や、昨夏の衆院選における数の論理で集められた民主党新人などが立候補した“お寒い”実態よりは、立候補者の信用できるバックグラウンドの方が原左都子にとってはよほど信頼感があるというものだ。

 そして、何よりも福島氏の国会での答弁やメディアのインタビューに応じる時の、あくまでも“自然体”にして説得性のある明瞭な言及の態度を私は好むのだ。


 ここで歴代(近年に限るが)女性閣僚の中における福島氏の優位性を証明するために、過去に活躍した女性閣僚の各々方を思いつく範囲で列挙し、あくまでも原左都子の嗜好と趣味の範疇で論評してみよう。

 社民党の先代党首であられる “山を動かした”土井たか子氏。 この方もなかなか言及に説得性がありインパクトはあったが、福島氏の方が外見的にはチャーミングだなあ。

 ご存知 田中真紀子氏。 “遺伝子は争えない”ことを証明するがごとくの親譲りの迫力満点の指導力、存在感のある政治家だと捉えていたが、人気とは裏腹に何ら実績を残せないまま政党を鞍替えした後、今何してるの??

 ついでに自民党の野田聖子氏や小渕優子氏。 二世であるが故に一時期閣僚として取り上げられたかどうか知らないけど、実力や存在感のなさと不相応に“威厳”を演出しようとしたところがかえってマイナスイメージだったかも…。

 番外編として、短期間のみ平議員で終わった片山さつき氏。 東大法学部出身の官僚経験者と認識しているが、その鬱陶しい長髪とふてぶてしい態度をどうにかしたら、との記憶以外何の印象もないなあ…。



 ずい分と前置きが長くなってしまったが、本記事のテーマである社民党が連立を離脱した話でまとめることにしよう。

 当ブログの時事論評カテゴリーのバックナンバー記事「元々連立には無理があった」においても既述しているが、昨年の12月に社民党党首の福島氏は、普天間移設問題に関して鳩山内閣が辺野古への移設を決めるならば社民党として連立政権からの離脱も辞さない考えを既に示している。 これを受けて、対米関係を後回しにしてでも「連立」を優先する意向の鳩山内閣が当問題の年内決着をあきらめる結論を出したことにより、新政権内をはじめ米国や沖縄県民にも苛立ちを募らせたまま、国民の支持率低下も煽りつつ普天間問題は何の進展も見出せないまま春先まで先送りにされてきた訳である。

 元々国際平和や日米安保に関する考えが食い違っている民主党と社民党が“数の原理”で「連立」を組んだ事自体に矛盾があるのに加えて、昨年末より既に政権離脱を匂わせていた社民党がこの期に及んで政権離脱をしたのは“時遅し”とも捉えられる。
 いずこの政党(新党も含めて)も来る7月の参院選を視野においた票取り作戦でしかない“我が身息災”な情報を発信して、国民のさならる不信感を煽っていることにうんざりさせられる今日この頃でもある。

 そんな中、やっと社民党が政権離脱をしたことを私は“一応”評価している。 ただし、今回の社民党の決断にも党の内外から様々な憶測が存在する現状である。 それは致し方ないことと捉えるが、ここはあえて下手な参院選対策を前面に出さない政策展開を福島氏は考慮するべきであろう。
 
 昨夏民主党が政権を取って以降、“政治とカネ問題”や今回の“普天間問題”をはじめ“経済・雇用政策の失策”“国庫財源難による子ども手当て等の金のバラまき政策の今後の実行不確実性”等々…  内部の相次ぐ失態により国民の不信感を募り続けた挙句、ついに10%台にまで支持率が低下し野党より内閣不信任案が提出されている現状である。

 福島氏ご本人が、連立新政権における「消費者・少子化等対策大臣」としてわずか8ヶ月間の任期中に何らの実績も残せなかったことを嘆きメディアを通じて涙する心情も少しはお察しするが、一国民感情としては社民党は政権離脱で正解である。

 若くして一政党の党首に上り詰めている福島氏にとっては、連立政権の大臣としての職務不履行よりも、今後は“野党”としての社民党党首の力量が問われるのではあるまいか。
 まさかこの期に及んで政権閣僚の地位にしがみつきたいがために、野党党首の立場を捨てて政党を鞍替えしようと狙っておられないのであれば…
              
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