先月、病院の待合室で手に取った週刊誌 AERAの記事の中に“年の差恋愛”が取り上げられていた。
“年の差恋愛”と聞くと、多くの皆さんは高齢男性と若い女性との恋愛か? あるいは、近年流行りの40代前後の女性が10数歳年下の男性をゲットする話かな? 等々、想像されることであろう。
今回の記事の内容はそうではないのだ!
なんと、50代以上の女性が我が子や孫よりも若い20代の男性(男の子と言うべきか)と付き合っている記事なのである。
「そんなのありえない話だ。面白おかしい作り話だよ。」と疑ってかかるのが大方の反応であろう。
ところが、原左都子の感想は(やっぱり、今これが流行っているんだ…)だった。
と言うのも、私の身近にこの“年の差恋愛”に近い話が実在するのだ。
ここで、私の身近に発生したこの種の事例を少し紹介することにしよう。
私と同年代の知人女性が、昼間ショッピング中に20代後半の男の子に声を掛けられたのだと言う。
「あの…、ボクの好みなんですけど、よかったらお茶に付き合ってもらえませんか?」と名刺を手渡されたそうだ。 (そんな訳はないぞ、これはセールスか何かで年寄りを騙そうとしてるぞ。きっと背後に悪徳組織が控えているに違いない。)と警戒しつつ、名刺の職業に興味を持ってお茶に付き合ったと言うのだ。 そして、相手の男の子の名刺に記されている職業等について尋ねたり、いろいろとたわいない会話をしたらしい。
帰り際に「これからホテルへ行きませんか?」と誘われ仰天し、「今日出会ったばかりでホテルへ行く訳がないでしょ!」と説教をしたら、「じゃあ、また今度ランチでも一緒して下さい」と言われたらしい。 その後メール交換しつつ、昼間会ってお茶やランチ、カラオケを楽しむのだが、どうしても彼の要求は「ホテル」に行き着くらしいのだ。 「若い子がセックスしたい気持ちは分かるけど、セックスとは“愛”があってこそ官能感が味わえるものなのよ。 それに私ほどの年齢になると、セックスが何にも勝る快楽ではありえないのも正直なところよ。」 このセックス感の食い違いに加えて、当初は世代間ギャップが物珍しく新鮮だった彼との会話も、デートを重ねることにそのギャップが鬱陶しくなり、2人の関係は自然消滅したのだと言う。
その後この男の子はセックスさえしてくれれば誰でもいいレベルの相手をゲットしたのだろうか? (風俗利用の場合高額出費になるが、街でお気軽女性をゲットすればホテル代のみで済むからね~。今時の若き肉食女性はナンパになんか乗ってくれないが、年寄り女性なら喜んでついて来るし~~、と目論んでいたのかもしれないよね。)
あるいはこの男の子の目的が“金”等その他にあったのかについては、早々付き合いを切り上げたため不明だそうだ。
そうこうしているうちに、やはり同様の相談を朝日新聞紙面で発見した。
朝日新聞11月13日付“悩みのるつぼ”の相談は、70歳主婦による「30代の彼と別れられません」であった。 相談内容を少しかいつまんで以下に紹介しよう。
今から遡ること10年前に、行きつけの美容院の当時20代半ばだった美容師男性と知り合った。 本気で好きになり、その彼に年間300万円にも及ぶ贈り物をしつつ付き合いが続いている。 彼には彼女が2人ほどいて、自分がいくら頼んでも部屋には連れて行ってもらえず、体の関係はキスまででそれ以上はない。 私にはすばらしい夫がいて何も他に求めることはない。 彼の美容院には1時間半ほどかけて週1回通っている。電話しても出ないし、買い物ばかり行きたがる彼に対し不満だらけなのに別れられない。 やはりこんな彼とは別れたいと思っているが、どうすればいいか?
ここで私論になるが、上記“悩みのるつぼ”の事例の場合、若き美容師男性の付き合いの目的が「金」であることは明白な事実であろう。 それに重々気付きつつも70歳の女性が一方通行の恋愛に苦悩する姿が見て取れる相談内容であり、その10年の月日が痛々しくもある。
今回の相談回答者は社会学者の上野千鶴子氏であられるが、「ペットだと思えば腹も立ちません」と題する回答が私論と一致するため、以下にその一部を紹介しよう。
あなたは70代、お相手は30代、この年齢差で異性のペットを飼えるお金が年間300万円もあるなんて羨ましい。少々維持費がかかるペットと思えばいいでしょう。 そもそもペットとは見て楽しみ、そばにおいて喜ぶ以上に何の役にも立たないものだ。夫との間にトラブルも起きずその彼との関係が暮らしのうるおいになっているなら、その関係をやめる理由は何一つないはずだ。 にもかかわらず、あなたは今苦しんでおられる、こんな関係はやめた方がよいと。 それはあなたが相手に対し見返りを要求したいからに他ならない。 で、あなたは彼から何の見返りを要求したいのでしょう? セックス? 愛情? ペットの飼い主であるための条件は抑制と寛容、すなわち支配者の徳であり、それが持てないならば飼い主の資格はない。
まさに上野千鶴子氏のおっしゃる通りである。
男であれ女であれ人生経験を積んだ人間が、世の秩序、道理に背いてまでも“若き世代の肉体”を欲するならば、それはそれなりの覚悟を要するものだ。 たとえ金力で若者をなびかせようとて、その種の不自然な男女関係が長続きするはずもないのは誰が考えても自明の理である。 にもかかわらず金力によって若者をなびかせた場合、それは「ペット」の域を超えていないと早期に悟って付き合いを続行する以外に身の置き所はないであろう。
一方で現在の若い世代の男性とは、過去において若き女性が男の経済力に依存した「援助交際」のごとくの他力本願の歴史をそのまま模倣し、軟弱化していることを目の当たりにさせられる思いである。
そこで、若き世代の男子にも忠告申し上げたい。 自己の性欲の発散を実現するためには、年配女性の“お気軽さ”や“金力”に頼らず、同世代の女性と健全な出会いをして対等な付き合いをするべく少しは努力しなさい、と。
それ以前の問題として、今時の更年期以降の年配女性とは“若き男性”の体を求め彷徨っているのだろうか?
見かけのみは新開発化粧品やエステ等で一生懸命若返りを試みつつも、内面では自らの今後の生き様を見据えられず、みすぼらしくも性的欲求不満を溜め込んだまま年老いているのが現実なのか??
それが事実とするならば、この日本社会の水面下では過去における男尊女卑の歴史を女性が取り違えて模倣し、虚しく彷徨うばかりに落ちぶれているとしか表現しようがない現実である。
“年の差恋愛”と聞くと、多くの皆さんは高齢男性と若い女性との恋愛か? あるいは、近年流行りの40代前後の女性が10数歳年下の男性をゲットする話かな? 等々、想像されることであろう。
今回の記事の内容はそうではないのだ!
なんと、50代以上の女性が我が子や孫よりも若い20代の男性(男の子と言うべきか)と付き合っている記事なのである。
「そんなのありえない話だ。面白おかしい作り話だよ。」と疑ってかかるのが大方の反応であろう。
ところが、原左都子の感想は(やっぱり、今これが流行っているんだ…)だった。
と言うのも、私の身近にこの“年の差恋愛”に近い話が実在するのだ。
ここで、私の身近に発生したこの種の事例を少し紹介することにしよう。
私と同年代の知人女性が、昼間ショッピング中に20代後半の男の子に声を掛けられたのだと言う。
「あの…、ボクの好みなんですけど、よかったらお茶に付き合ってもらえませんか?」と名刺を手渡されたそうだ。 (そんな訳はないぞ、これはセールスか何かで年寄りを騙そうとしてるぞ。きっと背後に悪徳組織が控えているに違いない。)と警戒しつつ、名刺の職業に興味を持ってお茶に付き合ったと言うのだ。 そして、相手の男の子の名刺に記されている職業等について尋ねたり、いろいろとたわいない会話をしたらしい。
帰り際に「これからホテルへ行きませんか?」と誘われ仰天し、「今日出会ったばかりでホテルへ行く訳がないでしょ!」と説教をしたら、「じゃあ、また今度ランチでも一緒して下さい」と言われたらしい。 その後メール交換しつつ、昼間会ってお茶やランチ、カラオケを楽しむのだが、どうしても彼の要求は「ホテル」に行き着くらしいのだ。 「若い子がセックスしたい気持ちは分かるけど、セックスとは“愛”があってこそ官能感が味わえるものなのよ。 それに私ほどの年齢になると、セックスが何にも勝る快楽ではありえないのも正直なところよ。」 このセックス感の食い違いに加えて、当初は世代間ギャップが物珍しく新鮮だった彼との会話も、デートを重ねることにそのギャップが鬱陶しくなり、2人の関係は自然消滅したのだと言う。
その後この男の子はセックスさえしてくれれば誰でもいいレベルの相手をゲットしたのだろうか? (風俗利用の場合高額出費になるが、街でお気軽女性をゲットすればホテル代のみで済むからね~。今時の若き肉食女性はナンパになんか乗ってくれないが、年寄り女性なら喜んでついて来るし~~、と目論んでいたのかもしれないよね。)
あるいはこの男の子の目的が“金”等その他にあったのかについては、早々付き合いを切り上げたため不明だそうだ。
そうこうしているうちに、やはり同様の相談を朝日新聞紙面で発見した。
朝日新聞11月13日付“悩みのるつぼ”の相談は、70歳主婦による「30代の彼と別れられません」であった。 相談内容を少しかいつまんで以下に紹介しよう。
今から遡ること10年前に、行きつけの美容院の当時20代半ばだった美容師男性と知り合った。 本気で好きになり、その彼に年間300万円にも及ぶ贈り物をしつつ付き合いが続いている。 彼には彼女が2人ほどいて、自分がいくら頼んでも部屋には連れて行ってもらえず、体の関係はキスまででそれ以上はない。 私にはすばらしい夫がいて何も他に求めることはない。 彼の美容院には1時間半ほどかけて週1回通っている。電話しても出ないし、買い物ばかり行きたがる彼に対し不満だらけなのに別れられない。 やはりこんな彼とは別れたいと思っているが、どうすればいいか?
ここで私論になるが、上記“悩みのるつぼ”の事例の場合、若き美容師男性の付き合いの目的が「金」であることは明白な事実であろう。 それに重々気付きつつも70歳の女性が一方通行の恋愛に苦悩する姿が見て取れる相談内容であり、その10年の月日が痛々しくもある。
今回の相談回答者は社会学者の上野千鶴子氏であられるが、「ペットだと思えば腹も立ちません」と題する回答が私論と一致するため、以下にその一部を紹介しよう。
あなたは70代、お相手は30代、この年齢差で異性のペットを飼えるお金が年間300万円もあるなんて羨ましい。少々維持費がかかるペットと思えばいいでしょう。 そもそもペットとは見て楽しみ、そばにおいて喜ぶ以上に何の役にも立たないものだ。夫との間にトラブルも起きずその彼との関係が暮らしのうるおいになっているなら、その関係をやめる理由は何一つないはずだ。 にもかかわらず、あなたは今苦しんでおられる、こんな関係はやめた方がよいと。 それはあなたが相手に対し見返りを要求したいからに他ならない。 で、あなたは彼から何の見返りを要求したいのでしょう? セックス? 愛情? ペットの飼い主であるための条件は抑制と寛容、すなわち支配者の徳であり、それが持てないならば飼い主の資格はない。
まさに上野千鶴子氏のおっしゃる通りである。
男であれ女であれ人生経験を積んだ人間が、世の秩序、道理に背いてまでも“若き世代の肉体”を欲するならば、それはそれなりの覚悟を要するものだ。 たとえ金力で若者をなびかせようとて、その種の不自然な男女関係が長続きするはずもないのは誰が考えても自明の理である。 にもかかわらず金力によって若者をなびかせた場合、それは「ペット」の域を超えていないと早期に悟って付き合いを続行する以外に身の置き所はないであろう。
一方で現在の若い世代の男性とは、過去において若き女性が男の経済力に依存した「援助交際」のごとくの他力本願の歴史をそのまま模倣し、軟弱化していることを目の当たりにさせられる思いである。
そこで、若き世代の男子にも忠告申し上げたい。 自己の性欲の発散を実現するためには、年配女性の“お気軽さ”や“金力”に頼らず、同世代の女性と健全な出会いをして対等な付き合いをするべく少しは努力しなさい、と。
それ以前の問題として、今時の更年期以降の年配女性とは“若き男性”の体を求め彷徨っているのだろうか?
見かけのみは新開発化粧品やエステ等で一生懸命若返りを試みつつも、内面では自らの今後の生き様を見据えられず、みすぼらしくも性的欲求不満を溜め込んだまま年老いているのが現実なのか??
それが事実とするならば、この日本社会の水面下では過去における男尊女卑の歴史を女性が取り違えて模倣し、虚しく彷徨うばかりに落ちぶれているとしか表現しようがない現実である。