正月に高齢者施設に暮らす義母に会った際、義母の頭髪が明らかに薄くなっている事実に私はすぐさま気付いた。
その前に義母に会ったのは娘の誕生日祝い会の11月下旬の事だ。 わずか2ヶ月足らずで、これ程までに“薄毛”が進むものかと内心驚いた。
義母の場合20年程前からウィッグを使用しているようだが、そのウィッグが現在の薄毛を隠すには小さく薄毛状態が露わに表面化している。
そうしたところ、やはり義母からその話題が出た。
「あのね、施設内美容院の美容師が少し前に変わったのよ。 その新しい担当者が、髪を染めても痛まないから大丈夫! と言って美容院へ来る都度毛染めをしていたら、見る見る間に薄毛になっちゃって… ウィッグを被っても隠せず困っているの…」
義母の言う通りだろう。 元々薄毛で悩んでいた義母がこの高齢域(87歳だが)に差し掛かって“毛染め”を何度もしたならば、薄毛を助長するようなものだ。
何故義母は、「ウィッグで白髪をカバーしますから、毛染めはしないで下さい。」と訴えられなかったのか!?
要するに自分の頭での思考が叶わず、新しい美容師の“毛染め推奨”を丸のみにしてしまったのだろう。(参考だが、以前の美容師氏は義母に“毛染め”を推奨しなかったらしい。)
私自身も過去に罹患した頭部皮膚癌摘出手術後の傷を隠す目的で、23年来ウィッグに依存している。
そのウィッグが義母使用中のウィッグよりも大きいのに加え余る程に自宅にある故に、今度義母にプレゼントすると一応話をまとめて一件落着した。
ただ、義母とはそもそも そういう“他力本願”人格者である。
少なくとも私が晩婚にて義母と知り合う以前より、あらゆる方面に於いて“主体性”に欠ける人物だった。
医療依存然りだ。
少しでも体調不良があると「お医者様に診てもらう」と言いつつすぐさま病院通いを始める。 我が晩婚当初より義母は物凄い数々の薬漬け状態だった。 医学関係者の私が何をアドバイスしようが、まったく聞く耳を持たないまま現在に至っている。
そして医師の診断や処方された薬剤が絶対に効く、と信じて疑わない人生を辿って来ている。 今更ながらそれを誰が指導しようが、既に手遅れ状態…
それでも、元々丈夫な体質の人なのだろう。(認知症状と耳の聞こえの悪さ以外の話だが。) 日々医師に処方された劇薬の数々を飲みつつ、87歳の現在何らの致命的疾患も無く、日々杖もつかずに近隣散歩を趣味としながら、ケアマネ氏を捕まえては苦情を垂れつつ施設で元気に生きているのだから。
さて、その「医療依存」に関してだが。
本日朝見たネット情報に、医学関係者の立場として “やっとこの種の情報がネット上に出回るようになったか”、と安堵させられる記述を発見した。
早速、以下に一部を要約して紹介しよう。
“ピンクリボン運動”を筆頭に、受診を促すイベントや施策は数多い。 しかし、どこで何才のときに、どのくらいの頻度で受けるべきか、必要ない検診・検査は何なのか教えてくれる医師や自治体はほとんどない。 受けても無駄な検査を盛り込まれて、お金を搾り取られてしまうケースまである、と話すのは某医療ジャーナリスト氏。
「中には人間ドックを主として、附属のクリニックを設けているところもあります。 一概に全部とはいえませんが、お金儲けのために値段の高い医療を施される危険もあり要注意といえる。たとえ『大きい病院に行きなさい』と他院を紹介されたとしても、患者としては『治るのだろうか』『今後どうなるのか』などと不安が募るものですし、とかく余計なストレスがかかります」
また、尿酸値に加え、心電図の検査も現在ではやる意味が変わってきているようだ。 国立がん研究センターの検診研究部長の某氏解説する。「尿酸値の検査は無駄ですね。もしそれが高くても、結果として起こるのは痛風くらい。死ぬほど痛いといいますが、死ぬ病気ではないので、起きてから治療しても遅くない。薬をのむなら一生のことになるので、食事制限に限ります。スポーツ選手などであれば別ですが、一般の人にはあまり重要ではないでしょう」
一方、心電図についてはどうなのだろうか。 「心電図は、心臓の筋肉に障害が起きる心筋症の診断には役立ちますが、治療が必要なかたにはだるさや動悸、息切れといった自覚症状がある。不整脈であっても、『あ、脈が飛んだ』と自分自身でわかるもの。現在では心電図の重要性は薄れてきています」
高いコレステロール値も、「単に基準値以内ならば手放しで安心ではありません」と某医師が解説する。「コレステロール値は、善玉と悪玉の比率が大事なんです。LH比といって、コレステロールの数値自体が正常であっても、悪玉÷善玉が2.0以上だと動脈硬化の疑いがあります。また、LH比が2.5以上ですと心筋梗塞や脳血栓になるリスクが大きくなります。こういったことは結果通知には書かれていないことが多い」
そして、今や「受けるべき」と喧伝されるがん検診。 その中には無駄であるばかりか、かえって害になるものまであるというから驚きだ。 2017年、部位別で日本のがん死亡者が最も多かったのが肺がん。男性の1位、女性でも2位に浮上している。この肺がんを見つける検診からもデメリットが明らかになっていると言うのは、某国立大学名誉教授で医師の某氏。「研究により、レントゲンによる肺がん検診では肺がんによる死亡率を減らせないことが立証されています。それどころか、むしろ検診を受けた群の肺がん患者が増加している。X線の被曝によるものではないかと推察される」
労働者に義務付けられた年1回の健康診断の内容に「胸部X線」検査が入っているが、それは以前、結核が流行していた名残りだとも某氏は言う。 「今では結核は激減しており、全員に胸部X線を受けさせるメリットはない。それなのに、現在でも法律で受けることが義務付けられているのは重大な問題。 検査を拒否し、解雇された人もいるというから深刻です」
事前に「受けるとがんが増える検査」と知っていたら、受けたいと思う人は誰もいないはずだ。
(以上、今朝見たネット情報より一部を要約引用したもの。)
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
「医学」程、素人にとって高度(と表現すれば語弊があるだろうから言葉を変えると)“分かりにくい”分野は他に存在しないのでは無かろうか?
いやもちろん、もっと分かりにくい「科学分野」は幾らでも存在する。
そんな中、「医学」の最大に厄介なところとは、“人命にかかわる”点だ!
医学関係者が下手な発言をしたものならば、自分の医学者生命は二の次としても、世の人命にかかわってしまうのだ。 これぞ、実に厳しい現実だ!
私事に戻るが、後に社会科学も学び「経営法学修士」を取得している我が身だが。
この分野に関しては直接的に人命にかかわらないであろうため、比較的容易に自己のオピニオンを綴り公開出来る感覚があるのが実際正直なところでもある。
ところが、こと医学分野のエッセイを綴り公開する際には「人命」に関する考察が不可欠なため、私としても緊張を強いられる課題である。
それでも結論としては、上記に引用したネット情報を原左都子としては支持したいのが私論のまとめである……。
ただやっぱり医学の心得が無い不特定多数の人達には、とりあえず医師(主治医)に頼れと指南するべきかなあ…
その前に義母に会ったのは娘の誕生日祝い会の11月下旬の事だ。 わずか2ヶ月足らずで、これ程までに“薄毛”が進むものかと内心驚いた。
義母の場合20年程前からウィッグを使用しているようだが、そのウィッグが現在の薄毛を隠すには小さく薄毛状態が露わに表面化している。
そうしたところ、やはり義母からその話題が出た。
「あのね、施設内美容院の美容師が少し前に変わったのよ。 その新しい担当者が、髪を染めても痛まないから大丈夫! と言って美容院へ来る都度毛染めをしていたら、見る見る間に薄毛になっちゃって… ウィッグを被っても隠せず困っているの…」
義母の言う通りだろう。 元々薄毛で悩んでいた義母がこの高齢域(87歳だが)に差し掛かって“毛染め”を何度もしたならば、薄毛を助長するようなものだ。
何故義母は、「ウィッグで白髪をカバーしますから、毛染めはしないで下さい。」と訴えられなかったのか!?
要するに自分の頭での思考が叶わず、新しい美容師の“毛染め推奨”を丸のみにしてしまったのだろう。(参考だが、以前の美容師氏は義母に“毛染め”を推奨しなかったらしい。)
私自身も過去に罹患した頭部皮膚癌摘出手術後の傷を隠す目的で、23年来ウィッグに依存している。
そのウィッグが義母使用中のウィッグよりも大きいのに加え余る程に自宅にある故に、今度義母にプレゼントすると一応話をまとめて一件落着した。
ただ、義母とはそもそも そういう“他力本願”人格者である。
少なくとも私が晩婚にて義母と知り合う以前より、あらゆる方面に於いて“主体性”に欠ける人物だった。
医療依存然りだ。
少しでも体調不良があると「お医者様に診てもらう」と言いつつすぐさま病院通いを始める。 我が晩婚当初より義母は物凄い数々の薬漬け状態だった。 医学関係者の私が何をアドバイスしようが、まったく聞く耳を持たないまま現在に至っている。
そして医師の診断や処方された薬剤が絶対に効く、と信じて疑わない人生を辿って来ている。 今更ながらそれを誰が指導しようが、既に手遅れ状態…
それでも、元々丈夫な体質の人なのだろう。(認知症状と耳の聞こえの悪さ以外の話だが。) 日々医師に処方された劇薬の数々を飲みつつ、87歳の現在何らの致命的疾患も無く、日々杖もつかずに近隣散歩を趣味としながら、ケアマネ氏を捕まえては苦情を垂れつつ施設で元気に生きているのだから。
さて、その「医療依存」に関してだが。
本日朝見たネット情報に、医学関係者の立場として “やっとこの種の情報がネット上に出回るようになったか”、と安堵させられる記述を発見した。
早速、以下に一部を要約して紹介しよう。
“ピンクリボン運動”を筆頭に、受診を促すイベントや施策は数多い。 しかし、どこで何才のときに、どのくらいの頻度で受けるべきか、必要ない検診・検査は何なのか教えてくれる医師や自治体はほとんどない。 受けても無駄な検査を盛り込まれて、お金を搾り取られてしまうケースまである、と話すのは某医療ジャーナリスト氏。
「中には人間ドックを主として、附属のクリニックを設けているところもあります。 一概に全部とはいえませんが、お金儲けのために値段の高い医療を施される危険もあり要注意といえる。たとえ『大きい病院に行きなさい』と他院を紹介されたとしても、患者としては『治るのだろうか』『今後どうなるのか』などと不安が募るものですし、とかく余計なストレスがかかります」
また、尿酸値に加え、心電図の検査も現在ではやる意味が変わってきているようだ。 国立がん研究センターの検診研究部長の某氏解説する。「尿酸値の検査は無駄ですね。もしそれが高くても、結果として起こるのは痛風くらい。死ぬほど痛いといいますが、死ぬ病気ではないので、起きてから治療しても遅くない。薬をのむなら一生のことになるので、食事制限に限ります。スポーツ選手などであれば別ですが、一般の人にはあまり重要ではないでしょう」
一方、心電図についてはどうなのだろうか。 「心電図は、心臓の筋肉に障害が起きる心筋症の診断には役立ちますが、治療が必要なかたにはだるさや動悸、息切れといった自覚症状がある。不整脈であっても、『あ、脈が飛んだ』と自分自身でわかるもの。現在では心電図の重要性は薄れてきています」
高いコレステロール値も、「単に基準値以内ならば手放しで安心ではありません」と某医師が解説する。「コレステロール値は、善玉と悪玉の比率が大事なんです。LH比といって、コレステロールの数値自体が正常であっても、悪玉÷善玉が2.0以上だと動脈硬化の疑いがあります。また、LH比が2.5以上ですと心筋梗塞や脳血栓になるリスクが大きくなります。こういったことは結果通知には書かれていないことが多い」
そして、今や「受けるべき」と喧伝されるがん検診。 その中には無駄であるばかりか、かえって害になるものまであるというから驚きだ。 2017年、部位別で日本のがん死亡者が最も多かったのが肺がん。男性の1位、女性でも2位に浮上している。この肺がんを見つける検診からもデメリットが明らかになっていると言うのは、某国立大学名誉教授で医師の某氏。「研究により、レントゲンによる肺がん検診では肺がんによる死亡率を減らせないことが立証されています。それどころか、むしろ検診を受けた群の肺がん患者が増加している。X線の被曝によるものではないかと推察される」
労働者に義務付けられた年1回の健康診断の内容に「胸部X線」検査が入っているが、それは以前、結核が流行していた名残りだとも某氏は言う。 「今では結核は激減しており、全員に胸部X線を受けさせるメリットはない。それなのに、現在でも法律で受けることが義務付けられているのは重大な問題。 検査を拒否し、解雇された人もいるというから深刻です」
事前に「受けるとがんが増える検査」と知っていたら、受けたいと思う人は誰もいないはずだ。
(以上、今朝見たネット情報より一部を要約引用したもの。)
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
「医学」程、素人にとって高度(と表現すれば語弊があるだろうから言葉を変えると)“分かりにくい”分野は他に存在しないのでは無かろうか?
いやもちろん、もっと分かりにくい「科学分野」は幾らでも存在する。
そんな中、「医学」の最大に厄介なところとは、“人命にかかわる”点だ!
医学関係者が下手な発言をしたものならば、自分の医学者生命は二の次としても、世の人命にかかわってしまうのだ。 これぞ、実に厳しい現実だ!
私事に戻るが、後に社会科学も学び「経営法学修士」を取得している我が身だが。
この分野に関しては直接的に人命にかかわらないであろうため、比較的容易に自己のオピニオンを綴り公開出来る感覚があるのが実際正直なところでもある。
ところが、こと医学分野のエッセイを綴り公開する際には「人命」に関する考察が不可欠なため、私としても緊張を強いられる課題である。
それでも結論としては、上記に引用したネット情報を原左都子としては支持したいのが私論のまとめである……。
ただやっぱり医学の心得が無い不特定多数の人達には、とりあえず医師(主治医)に頼れと指南するべきかなあ…