原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

現在ウクライナ侵攻中のロシアと“長大な国境”を接するフィンランドの苦悩の歴史を考察する

2022年06月15日 | 時事論評
 (冒頭写真は、2022.06.15付朝日新聞記事「フィンランド 隣国の生存戦略 侵攻で崩れた『共生条件』NATO加盟申請 」より転載したもの。


         
 同じく、同日の朝日新聞記事より転載。



 早速、冒頭写真の朝日新聞記事の一部を以下に要約引用しよう。

 北欧フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請した。 第二次大戦後、長大な国境を接する旧ソ連・ロシアに配慮して軍事的中立を守ってきたが、ウクライナ侵攻が転機となった。 
 フィンランドの苦悩の歴史をひもといて考える。

 現在のウクライナを想起させるような戦い「冬戦争」が、1939年から翌年にかけてのおよそ3か月間、ソ連とフィンランドの間で起こった。
 フィンランドは、スウェーデンやロシアによる統治を経て1917年に独立。 39年に第二次世界大戦が起こると、ナチス・ドイツの勢いを警戒するソ連から、バルト海の防衛を強化するために領土の交換や租借を求められる。 拒否されたソ連は、フィンランド兵の発砲でソ連兵が死亡したなどと口実を作って、同年11月に侵攻を始めた。 
 この「冬戦争」は、翌40年3月に終わる。 ソ連の戦死者は13万千人で、フィンランドの約5倍。「冬戦争の驚異」と呼ばれる。 (中略)
 だが協和条約の結果、カレリア地峡をはじめ、国土の10分の1を割愛する。さらにソ連は、冬戦争直後にバルト三国を併合し、その脅威は去ったわけではない。 フィンランドはナチス・ドイツとの軍事協力を進める。(途中大幅略)
 約1300キロの国境を接する大国とどう友好関係を結び、国土を守るか。 歴代の大統領や首相は苦悩し、国民も社会主義諸国という「生き方の違う集団」との共生を長く受け入れてきた。「北欧にせよ、東欧にせよ、小国の外交は、隣り合う大国、つまり嫌な相手とどう友好関係を結び生き残りを図るかという実践の積み重ねだった」と津田塾大学名誉教授・百瀬宏氏は言う。
 だが今回のウクライナ侵攻は、「プーチン大統領が、そうした営為が成り立つ条件を根底から破壊してしまった」と百瀬さん。 国民世論はNATO加盟支持に一気に傾き、「マリン首相ら若い指導者がこれまえの外交方針をひっくり返す決断をした」と指摘する。

 (以上、朝日新聞記事より一部を要約引用したもの。)



 原左都子の私見に入ろう。

 フィンランドと言えば、スウェーデン、ノルウェーと共に「北欧三か国」として文化や教育レベルの高い国家とずっと認識してきたが。

 確かに特にフィンランドの場合、国境がロシア(ソ連)と接していることは(「高校・中学社会科教諭」免許を取得している身として)、あくまでもイメージ的には把握していた。
 最近になって、今回のロシアによるウクライナ侵攻の地理的位置関係を確認するために改めて世界地図を広げてみて。 
 フィンランドとロシアとが接する国境の長大さに、恥ずかしながら今更だが唖然とさせられた!!
 過去の「冬戦争」の歴史の後ナチス・ドイツの軍事協力を進めてきたフィンランドの苦悩の程が、痛いほど我が身に染みた。

 そんなフィンランド(隣国スウェーデンも)は、昨月5月にNATOへの加盟申請方針を明らかにしている。 この両国の政策は至極当然のことであろう。
 これに対しロシアのプーチン大統領は、両国のこの施策に嫌悪感をあらわにしているとのニュース報道を見た。
 現在のところ、表向きにプーチンにそれに対する動きは無い様子だが。 ただ、今後のプーチンの動向は空恐ろしいものがある… 



 以前の本エッセイ集の記事内にも書いたが。

 我が国は長年に渡り、ロシアとの「北方領土問題」との憂えるべき課題を抱えている立場である。
 先だって北方領土に程近い知床半島に於いて、遊覧船が転覆するとの大事故直後に。 私は一瞬本気で、ロシアが北方領土問題を受けて日本に対し攻撃を仕掛けて来たか!と勘違いしたものだ。 (遊覧船転覆犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます…)

 ただ、それに似た動きがロシア側にあるとの報道も存在するようだ。
 今後も油断はならない。


 今後のフィンランド対応は、NATOの判断にかかっているのだろうが。

 NATOの実態をさほど認識していない我が身にして、もう少しそれを把握した後に論評するべき課題と言える点をお詫びしておこう。          


この記事についてブログを書く
« 世の中の皆が皆、“金持ち”を... | TOP | 新型コロナ オミクロン株が... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 時事論評