◎神戸から広島までの所要時間は8時間56分
『明治廿八年 御重寳』から、「全国鉄道汽車発着時刻及賃金表」を紹介している。
その五ページの上には、ヨコ右書きで「神戸広島間」とあって、神戸駅・広島駅間の各駅について、その発着時刻が示されている。
このページの内容を、箇条でまとめてみた。
○神戸駅・広島駅間は、山陽鉄道(民営)の路線で、1894年(明治27)6月10日に、広島駅まで延伸したばかりだった。
○神戸駅・広島駅間にある駅名は、次の通り。神戸・兵庫・須磨・舞子・明石・大久保・土山・加古川・阿弥陀・姫路・網干・龍野・那波・有年・三石・吉永・和気・瀬戸・長岡・岡山・庭瀬・倉敷・玉島・鴨方・笠岡・福山・松永・尾道・糸崎・三原・本郷・河内・西条・八本松・瀬野・海田市・広島。
○神戸駅始発の列車は、一日に九本あるが、その内訳は、広島行きが三本、岡山行きが三本、姫路行きが二本、糸崎行きが一本である。
○このほかに、岡山駅始発の広島行きの列車が二本ある。
○神戸駅始発午前9:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午前10:33、姫路発午前10:39、岡山着午前12:57、岡山発午後1:04、糸崎着午後3:27、糸崎発午後3:32、広島着午後5:56。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、8時間56分である。
○神戸駅始発午前10:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午前12:15、姫路発午前12:30、岡山着午後4:00、岡山発午後4:19、糸崎着午後7:22、糸崎発午後7:37、広島着午後10:35。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、12時間35分である。
○神戸駅始発午後8:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午後10:15、姫路発午後10:30、岡山着翌日午前1:50、岡山発午前2:15、糸崎着午前4:59、糸崎発午前5:17、広島着午前8:43。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、12時間43分である。
○神戸駅から主要駅までの賃金(乗車賃)は、次の通り。兵庫2銭・姫路34銭・岡山70銭・倉敷80銭・福山1円・糸崎1円・広島1円30銭。
ウィキペディア「八本松駅」の項によれば、八本松(はちほんまつ)駅の開業は、1895年(明治28)4月4日である。一方、冊子『明治廿八年 御重寳』の発行は、1894年(明治27)11月20日であった。すなわち、この冊子の編集者は、翌年4月の八本松駅開業に合わせた時刻表を入手し、この冊子に載せていたことがわかる。
神戸駅始発午前9時の列車と、同駅始発午前10時、午後8時の列車とを比べると、広島駅までの所要時間に、3時間以上の差があるが、時刻表では、そのようになっている。
『明治廿八年 御重寳』から、「全国鉄道汽車発着時刻及賃金表」を紹介している。
その五ページの上には、ヨコ右書きで「神戸広島間」とあって、神戸駅・広島駅間の各駅について、その発着時刻が示されている。
このページの内容を、箇条でまとめてみた。
○神戸駅・広島駅間は、山陽鉄道(民営)の路線で、1894年(明治27)6月10日に、広島駅まで延伸したばかりだった。
○神戸駅・広島駅間にある駅名は、次の通り。神戸・兵庫・須磨・舞子・明石・大久保・土山・加古川・阿弥陀・姫路・網干・龍野・那波・有年・三石・吉永・和気・瀬戸・長岡・岡山・庭瀬・倉敷・玉島・鴨方・笠岡・福山・松永・尾道・糸崎・三原・本郷・河内・西条・八本松・瀬野・海田市・広島。
○神戸駅始発の列車は、一日に九本あるが、その内訳は、広島行きが三本、岡山行きが三本、姫路行きが二本、糸崎行きが一本である。
○このほかに、岡山駅始発の広島行きの列車が二本ある。
○神戸駅始発午前9:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午前10:33、姫路発午前10:39、岡山着午前12:57、岡山発午後1:04、糸崎着午後3:27、糸崎発午後3:32、広島着午後5:56。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、8時間56分である。
○神戸駅始発午前10:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午前12:15、姫路発午前12:30、岡山着午後4:00、岡山発午後4:19、糸崎着午後7:22、糸崎発午後7:37、広島着午後10:35。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、12時間35分である。
○神戸駅始発午後8:00の広島行き列車の、主要駅における発着時刻を示す。姫路着午後10:15、姫路発午後10:30、岡山着翌日午前1:50、岡山発午前2:15、糸崎着午前4:59、糸崎発午前5:17、広島着午前8:43。この列車の場合、神戸から広島までの所要時間は、12時間43分である。
○神戸駅から主要駅までの賃金(乗車賃)は、次の通り。兵庫2銭・姫路34銭・岡山70銭・倉敷80銭・福山1円・糸崎1円・広島1円30銭。
ウィキペディア「八本松駅」の項によれば、八本松(はちほんまつ)駅の開業は、1895年(明治28)4月4日である。一方、冊子『明治廿八年 御重寳』の発行は、1894年(明治27)11月20日であった。すなわち、この冊子の編集者は、翌年4月の八本松駅開業に合わせた時刻表を入手し、この冊子に載せていたことがわかる。
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