アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

B層封建オヤジの職場ファシズム

2007年04月12日 08時34分03秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 今回は敢えて自分のバイト先の愚痴を書かせて貰います。
 4月10日(火)の出勤時に、同僚のA君が私に、「Cさん(私の事です)、BさんがCさんの事を怒っていましたよ」と忠告してくれました。どういう事かと話を聞くと、どうも、その数日前の私の作業の仕方がBの気に障った様なのです。

 その前に、私の職場のあらましを簡単に説明しておきます。職場での主な仕事の内容は、ハンバーガー・チェーンやスーパーに卸す食材や具材のピッキング(店舗別商品仕分け)作業です。出勤したらまず先にハンバーガー・チェーンの方のピッキングにかかります。3~4人で一斉に、各ブロックに分かれたそれぞれの店舗に、フライオイル、シェーキ、牛乳、飲料などの食材や、カップ、トレーなどの具材を、集品リストを見ながら手仕分けしていくのです。
 その中で、構内施設配置や配送コースとの関係で、各ブロック毎の持ち店舗数や仕分け物量には大きなバラツキがあるので、早く終えた人からまだピッキングが終了していないブロックに順次応援に入って、前半戦のハンバーガー・チェーンの分のピッキングを終わらせるのですが、他ブロックに応援に入るタイミングは、もう物量やオーダーの出方や当日の頭数によって臨機応変に変わるし、人によっても違います。

 それで数日前のその日は、私ことCが、自分の持ちブロックの食材のピッキングをある程度終わられた後、次の具材の方のピッキングにかかったのですが、A君の言によると、それがBの勘に障ったというのです。B曰く「食材のピッキングを全ブロック終わらせてから次の具材のピックにかかって然るべきなのに、Cは自分の所だけさっさと終わらせて次の具材のピックにかかった、Cは自分さえ良ければそれで良いと思っているエゴイストだ」なのだそうです(アホか)。

 しかし私に言わせると、そんなものはケース・バイ・ケースでしかありません。下手に同じ箇所のピックに殺到しても、リストの取り合いになったりごちゃついたりするだけなので、それなら次の具材のピックにかかって、私が具材を持ちブロック別にきちんと分けた上で、自分の持ちブロックのピックに取り掛かった方が、Bにとっても、その後で自分の持ちブロックの次の具材のピックにスムーズにとりかかれる訳ではないですか。それで全部の仕事を終わらせた上で、遅れている所に応援に入っても一向に構わない筈です。
 工場でベルトコンベヤーの前に座ってのライン作業ではなく、人間の手仕分け中心の集品作業なのですから、マニュアルも大枠の流れしか規定しようがないし、後の細部については、人それぞれのやり方やその時々の状況によって違ってくるのは当然なのです。そういう「どれが正解か」なんて決めようが無い問題であるにも関わらず、「自分のやり方が正解だ」だと勝手に決めつけて、意に沿わぬ相手の悪口を陰で言う。

 なぜそんな事になるかというと、A君の話を聞くと、どうもBには、仕事をきちんとスムーズに効率よく終わらせる事よりも、各ブロック各人の仕事量のバランス(もっと有体に言えば、人より楽かシンドイかという損得勘定)を、何よりもまず優先するという、そういう発想があるようなのです。

 確かにまあ、その発想も分らなくはありません。私のやり方では、仕事はスムーズに進んで最後みんな同じ時間に終わるのも同じですが、仕分け店舗数やピッキング回数のバランスだけで見れば、BとCの間には大きな不均衡が生じます。しかしそれは、ピック以外の前準備や後工程をピックと同等の仕事と看做さないからそうなるのであって、それらもトータルとして考えれば、仕事のバランス上から見ても、何ら問題はない筈です(だから、本当は損得勘定ですらなく、単なる錯覚でしかないのに、その事には当人は全然気づいていない)。

 そして、より問題なのは、前準備や後片付けも仕事に含めて、その中でピックをきちんとするのではなく、単に「ピックを終わらせる事」だけを仕事と捉えて、その中での「ピッキング量の不均衡」をあげつらっている、という点です。賞味期限の先入れ先出しや、在庫管理や、後々の作業のし易さといった事は一切考えずに、「形だけ取り繕って、ただひたすら早く終わらせればそれで良し」という、「やっつけ仕事」の発想の中で、「人と比べて自分は楽かシンドイか」という個人的な損得勘定を基に、他の人の仕事ぶりを一方的に決め付けているのです。「エゴイスト」なのはBです。

 しかも、私に対する不当な人格攻撃ともいうべきこの様な低レベルな愚痴を、当の私には言わずに、自分や私よりも一回り年下の第三者のA君に言って、A君からもその本質を見抜かれて。バカみたい。私がこの身辺雑記のブログ公開に敢えて踏み切ったのも、この仕打ちに対するホンの相互処置です。先に陰口を叩いたBにはそれを非難する資格はない。

 まあA君も言うように、これは両者の仕事観の違いから来る行き違いで、それに施設配置や頭数の問題も絡んだ問題なので、徒に問題をこじらせても水掛け論になるだけです。だから、ここは私Cが一回り大人になって、Bと一緒に作業する時はBの発想で動いて、それで丸く収まって仕事をスムーズに回すのが一番賢いし、それが職場の処世術なのは分ります。しかし、この発想こそが、私に言わせればファシズムそのものなのです。

 きちんとした食品を消費者に届けるという仕事本来の目的から乖離して、仕事を単なる苦役としてしか見る事が出来ず、その日一日をどうにか形だけ終わらせる事しか頭に無く、だから進歩も無く、十年一日の如く同じ事、同じ失敗の繰り返しで(雪印や不二家の不祥事もこの企業風土の為せる業)、何事につけても他人との比較や損得勘定だけでしか物事を判断できず、そのくせ作業の見直しや頭数の充実や労働条件の改善といった根本的解決の方向には頭が全然無かわずに、適わないとみた上の相手には「長いものには巻かれろ」「出る釘は打たれる」と必要以上に卑屈になって、自分の気に入らないものや下のものに当って鬱憤晴らすしか能が無く、その中身は問わずに形だけ「みんな横並びである事」だけをひたすら至上の価値とする。これを「ファシズム」と呼ばずに何と言う。

 先の東京都知事選でも、乱開発・地上げ問題で揺れる世田谷区の下北沢で、石原慎太郎が、野次を飛ばす住民に対して、「お前らガタガタ言ってんじゃない、物事は多数決で民主的に決めるんだよ!」と、どしゃぶりの雨の中、宣伝カーの上で喚き散らしていたそうです(以前の拙稿記事参照)。
 しかし、「民主主義=多数決」ではありません。民主主義というのはそもそもそれ以前の、「みんな違って、みんな良い」という事から始まるのです。SMAPが歌っていた「世界にひとつだけの花」の中のフレーズにもあるように。

 「これが絶対正解だ」という事で一つの意見を全員に押し付けるのではなく、それぞれが自分の「正解」を持ち寄って、その良い所を取り入れていくのが民主主義なのであって、多数決というのはその際にとる手順の一つにしか過ぎません。そういう精神がなければ、多数決はただの「数の暴力」でしかありません。
 かつて日本が起こした戦争を国民の力で食い止める事が出来なかったのも、不敬罪や治安維持法などの弾圧体制や天皇制軍国主義教育の存在も然る事ながら、こういう「下見て暮らせ傘の下」「長いものには巻かれろ」「みんな横並び」根性が染み付いた人間が一杯居たからに他なりません。

 昨年の郵政解散にしてもそうです。総選挙の時に張られた「郵政民営化」のワンフレーズ・キャンペーンも、あれは小泉政権が情報宣伝企業に委託して作らせたものなのです。有権者をA・B・Cの3つの層に分類した上で、「政治の事は良く分らないが雰囲気やイメージだけで投票する」B層にターゲットを絞って、恰も「阪神タイガーズや高校野球の応援」と同じノリで、マスコミを通して垂れ流されたのが、あのワンフレーズなのですから。

 昨今の反中国・反北朝鮮キャンペーンにしても然り。Bにしても、職場でこの手の話題が出るたびに、「朝鮮人になめられるな」という方向に流されたりしています。そして、本来は当該国の人権問題として捉えられなければならないものを、政権与党の翼賛キャンペーンに易々と乗せられて、歴史観や民族対立の問題に矮小化してしまったり、当該国の独裁政治を批判しながら当の日本の右傾化・軍国化・「北朝鮮」化を支持したり、日本での脱北者の受け入れや定着には反対して金正日体制の固定化を助けていたりします。そういう自分たちの自家撞着や矛盾にも気付かずに。

 そういう人が昔も今も、良く分らないまま何となくイメージだけで、呈よく時流に乗せられて、権力者にとって都合の良い方向に流されていくのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見損なったぞ義家弘介

2007年04月10日 22時47分06秒 | 反石原・’07東京都知事選
 都知事選絡みで石原慎太郎の事を調べているうちに、義家弘介氏の思想的変節について知る事になりました。今回の都知事選でも、石原陣営は、藤原紀香などの「護憲派」タレントに石原支持の発言をさせて、それを選挙ビラで宣伝していました。その石原支持の「護憲派」タレントの一人に、義家弘介氏がいる事を知りました。

 ヤンキー先生こと義家弘介氏といえば、あのTVドラマ「ヤンキー母校に帰る」のモデルにもなった、元不良少年の熱血教師と呼ばれた人です。憲法・教育基本法改悪反対の立場からの発言も度々しておられました。そんな人が何故、安倍内閣の教育再生会議のメンバーになれたのか、今まで全然分りませんでした。しかし、きっこの日記や下記資料を読んで、初めてその訳が分りました。以下、義家弘介研究会のサイトに掲載中の当該資料から引用します。

(引用開始)
主張の変遷(日の丸・君が代編)

第1ステージ(北星余市在職中)

「世界」特集「日の丸・君が代」戒厳令 『なあ、みんな、学校は好きか?』義家弘介(2002.4)
教育現場に「日の丸・君が代」を持ち込めば、道徳教育を徹底すれば、日本人としての自覚や、国際協調の精神が培われると、文部科学省は本気で思っているのか、ということである。
(中略)
現在、高い場所からの強制では子どもをコントロールすることはできない。もし、強制を貫こうとするならば、恐怖政治を敷き、有無を言わせず一方的に従わせる方法しかないだろう。そんなことになってしまったなら、まさに戦前教育の再来となる。
(中略)
安心しろ。卒業式には、お前たちを邪魔するものは何もない。卒業式のシンボルはお前たち自身だ。そしてテーマソングはお前たちが最後の学園祭で、大声で歌ったあの歌だ。胸を張ってあの舞台に立て。お前らは俺の夢だ!「なあ、みんな、学校は好きか?」(了)

第2ステージ(安倍政権教育再生会議室長就任)

※朝日新聞10/17に掲載 義家弘介氏インタビューより抜粋
―国旗・国歌法は。
公立校に勤務していたら、順守します。キリスト教の学校で、(教師が)「私は仏教徒だから礼拝に生徒を出しません」ということがまかり通れば教育現場はメチャクチャになってしまう。
ttp://blog.livedoor.jp/suruke/archives/51147357.html

--「愛国心」教育をどう考えますか。

◆この国を愛せずに、どうやって国際人になれるのか。公務員であり校則順守を指導している教員が(国旗掲揚、国歌斉唱を定めた)学習指導要領に従うのは当然だ。(毎日新聞 2006年10月19日 東京朝刊)

第3ステージ(室長就任後保守から批判されて)

資料集(その3)参照
つまり、母校北星余市で間違った思想を植えつけられ、それに沿った発言をしていた、今は北星余市の教育方針も間違っていると。
(引用終了)
 http://www20.atwiki.jp/mekemekedash/pages/18.html

 なるほど。氏の教育再生会議メンバー入りも、決して安倍の選任ミスなんかではありませんでした。氏が、受験産業で安倍政権から学力テスト作成を丸投げされているベネッセのHPにも顔写真入りで頻繁に登場している理由も、これで初めて判りました。私は、確か過去に旧掲示板で、義家弘介氏の事を賞賛する投稿をした記憶があります。この事については、今更ながら自分自身の不明を恥じます。当該投稿内容については、これを以って全面的に撤回します。賞賛対象としての義家弘介氏は既に過去の人となりました。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石原圧勝ではなく反石原勢力の前進だ

2007年04月10日 10時41分06秒 | 反石原・’07東京都知事選
 統一地方選の前半戦(知事・道府県議・政令市議選)が終わりましたが、マスコミ報道によると、知事選では「自民優位、民主敗北」、道府県議選では「民主躍進、社共退潮」と、盛んに書きたてています。しかし、実際はどうなのでしょうか。まずは東京都知事選の結果から見てみましょう。

●東京都知事選の結果概数 及び今回2007年と前回2003年の比較
 但し四捨五入して万単位で表示しているので合計値と総数は一致しません。

(投票総数・率) 
今回 556万 54% (増減+112万、+9P) 
前回 444万 45%
(候補者系列別の得票数・率)     
与党系
今回 石原慎太郎 281万 51% (増減▲28万、▲19P)
前回 石原慎太郎 309万 70%  
民主党系
今回 浅野史郎  169万 31% (増減+87万、+12P)
前回 樋口恵子   82万 19%
共産党系
今回 吉田万三   63万 11% (増減+27万、+3P)
前回 若林義春   36万  8%
その他系
今回 計11名で  37万  7% (増減+24万、+4P)
前回 計 2名で  13万  3%

 確かに、石原氏は次点の浅野氏との間に100万票以上の大差をつけて当選しているので、その現象面だけで見れば「石原圧勝」なのかもしれません。しかし、私たちは傍観者ではなく、都政を変えるという立場から選挙総括を試みようとしているのですから、そういう立場から前進面と克服すべき弱点の両方について見ていかなければなりません。

 そういう意味で今回の都知事選を見ると、投票総数が前回より112万票増え、投票率は9ポイント上がりました。その増加票は殆ど浅野氏と吉田氏に流れ、石原氏は逆に28万票減らしました。減った分は何処に流れたかと言うと、黒川その他の泡沫候補に流れた格好になりました。勿論、各候補者ともそれぞれ票の出入りがあるので、実際はもっと複雑な流れになるのでしょうが、全体を概観すればそういう事になります。今回の選挙では候補者が乱立して反石原票の拡散が懸念されましたが、これを見る限りでは、その候補者乱立のあおりを一番受けたのは、実は石原氏だったのでは。従って、今回の都知事選結果を単に「石原圧勝」とだけ見るのは余りにも表層的な見方であって、実際は寧ろ「反石原勢力の前進」「あの石原をここまで追い込んだ」と見るべきではないでしょうか。

 しかしその一方で、克服すべき弱点もリアルに見ておかなければならないでしょう。反石原陣営の統一が出来なかったという不十分さは勿論あります。これは必ず今後の教訓としなければならない事です。ただ、それだけでは充分ではありません。得票を見れば、浅野票と吉田票を合算しても尚且つ石原票とは約50万票の差がついてしまっています。今回の構図では、浅野・吉田の一方が降りる形で候補者の一本化が出来ていたとしても、敗北していた可能性が濃厚です。では何が足りなかったのか。

 私は今まで何度も、「浅野氏には人をひきつけるだけの魅力が感じられない」と書きました。これは必ずしも、私が共産党支持者である事や、浅野擁立に至る経緯への反発だけで言っているのではないのです。若し共産党が今回擁立したのが前回と同様の無味乾燥な党人候補なら、私はひょっとしたら浅野擁立の方に回っていたかもしれません。また、浅野陣営がもっとパンチの効いた候補者を擁立していたとしても同様です。私も、兎に角あの石原だけは何があっても落したいですから。しかし出てきたのが元宮城県知事の浅野氏で、如何にも官僚然としていて、言っている事もあやふやで定まらず、候補者としてのインパクトが全然無い。要するに「華が無い」のです。はっきり言って、吉田氏の方がよっぽど華があり、主張も具体的でぶれないので説得力がある。だから、単なる反石原勢力の「前進、善戦」に止まってしまったのです。

 それと、戦術的にもどうかと思う所はありました。浅野擁立の主力メンバーというのが、中山千夏や上野千鶴子といった「進歩的文化人」で、「手作り」とか「市民・無党派」という事を全面に押し出していましたが、これでは70年代の「革新自由連合」と何ら変わりません。これでは、あの石原と戦うには余りにも役不足です。
 石原の支配が強固なのは、改憲・新自由主義の「勝ち組」政治を全面に押し出しながら、「負け組」の溜飲も適度に下げさせて支持を集める、そういう「二重統治」を上手く使い分けているからでしょう。そうであるならば尚更、反石原勢力の方も、反ネオコン・反ネオリベの「貧乏人大反乱」を強力に組織しつつ、「勝ち組」の顔もこちらに向けさせるような、そういう陣形でなければならない筈です。「七人の侍」の武将たちや郡上一揆・三閉伊一揆の指導者、ホーチミンやゲバラがそうであったように。現代日本で言えば田中康夫がそれに近い。
 それが実際には、ひ弱な「進歩的文化人」が中心になって擁立した「官僚」だったので、「負け組」の力も100%引き出す事が出来ませんでした。この戦いは、候補者と陣形如何によっては勝てる可能性がかなりあったのでは、と悔やまれてなりません。

 ただ、戦いはこれで終わりではありません。選挙期間中はブレーンの佐々淳行(元内閣安全保障室長)や三浦博史(当選請負人の異名を持つ選挙プランナー)の言うがままに(こういうのをブレーンに据えていたのを見ても、そもそも本気度からして浅野氏とは全然違った)猫をかぶっていた石原慎太郎ですが、当選後さっそくまた老害を曝け出して兵庫県知事をカンカンに怒らせしまったようですが、こんな知事は4年後の任期満了など待たずにさっさとリコールしてしまえばよいのです。石原もさすがに高齢には勝てないのか、今期限りを最後に引退を仄めかしたりしているようです。大方、大型開発やオリンピック招致失敗のツケは後継者に押し付けて、自分は首尾よく花道を飾る算段なのでしょう(あの小泉とソックリ)。そうは問屋が卸すか。都民へのツケ回しは許しません。必ず石原に拭わせてやる。

 道府県議・政令市議選については、本当にちゃんと総括するには地域・選挙区別の得票分析が必要なのですが、今そこまではとても手が届きません。とりあえずは雑感という事で。

●道府県議・政令市議選の党派別獲得議席数・前回比
       道府県議       政令市議
 自民党   1212 ▲ 97  276 + 24
 民主党    375 +170  194 + 68
 公明党    181 +  3  169 + 23
 共産党    100 ▲  7  124 + 20
 社民党     52 ▲ 21   15 +  2
 国民新党    1 +  1    0
 諸派      40 ▲  6   39 ▲ 18
 無所属    583 ▲104  166 + 38
 合計    2544 ▲ 61  983 +157

 道府県議(都議選は2年後)も政令市議も議会の総定数が変化していますから、議席数自体よりも、総定数の増減がどの党に流れたのかを見なければなりません。また、前回の統一地方選の時よりも政令指定都市が3つ増えてますから(静岡・堺・新潟)、それに伴う選挙区分割・定数減も考慮に入れなければなりません。

 それでざっと見たら、やはり民主党の躍進が目につきます。ただこれを以って、米国や英国の様な二大政党制に日本も近づいたとする見方には、どうかなという気がします。何故ならば、地域には民主党なんて陰も形もありません。日本では本当に組織政党と言えるのは共産党と公明党しかありません。それ以外の自民党や社民党は、議員後援会や労組が形だけ支部を作っているのが実態ですが、それでも地域には一応職域支部があり、少なくない党員も居ます。翻って民主党はどうでしょうか。支部も党員も殆ど影も形も見えず、選挙の時に連合労組や議員後援会が出てきて活動するだけの「蜃気楼」政党というのが実態ではないでしょうか。党の財源も殆どが政党助成金と企業・団体(労組)献金で賄われているだけでは。
 民主党躍進なるものの実態も、臨調行革と総評解体で丸裸にされた後に売上税反対闘争で一時的に人気挽回に成功した1980年代末期の社会党と同じようなものではないでしょうか。米国の民主党と比するにしては、余りにも組織実態が無さ過ぎます。こんな「蜃気楼」みたいな政党はさっさと解体してしまって、現代的保革対決にその道を譲るべき。民主党右派のバカウヨなどは、世を欺く為にガラにも無く野党ポーズや弱者の味方を騙ったりなどという姑息な事は止めて、はやく自民党や日本会議や維新政党新風にでも逝けば良いのに。

 「社共退潮」に関しては、社民党については概ね当っているでしょう。ただ共産党について言えば、二大政党制キャンペーンやゲリマンダー紛いの選挙区分割の中では、割りとよく踏ん張ったと言えます。大阪府・市議選では府議で1議席増の微増、市議では3議席増の躍進です。地方でも、定数1~3の所での新議席獲得や返り咲きも少なくありません(長野・高知・大阪・奈良など)。しかし全体的に見た場合、この党の停滞もやはり否めません。特に今まで金城湯地だった京都で地盤後退が著しいのが目立ちます。保守二大政党制の廃棄を展望しつつも、尚且つ当該現行制度の中でも地歩を確保して、一共産党のみならず革新陣営全体の拡大にも貢献出来るような戦略を編み出していけるかどうかが、この党には問われていると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「反石原・反ファシズム」オリジナル・リンク集

2007年04月07日 23時59分59秒 | 反石原・’07東京都知事選
■お知らせ&更新履歴

・「浅野vs吉田の"どんちゃん騒ぎ"」に供する為に、とりあえずこういうリンク集を作ってみました。これ以外にも、お勧めのリンク等があれば適宜補充していきます。また、当リンクについては転載自由とします(但し標記の趣旨に適う使い方をされる場合に限る)。(2007-03-12 21:53 記)
・本投稿を都知事選告知日前日まではブログ・トップに表示されるようにしました。(2007-03-17 09:00 記)
・本投稿のブログ・トップ表示期日を都知事選投票日前日まで延長する事にしました。特定候補者の当選を直接の目的としないブログでの、政治批評記事一般や一般人同士の政治談義の掲載については、選挙告示後も何ら問題なしと判断しましたので。そんなものまで禁止されたんじゃあ、選挙期間中はネットでは一切政治談議が出来なくなってしまいます(北朝鮮じゃあるまいし)。(2007-03-22 14:00 記)
 http://katteren.blog97.fc2.com/
・リンク集の内容は適宜更新中。

■石原の「ボカサぶり」を示すリンク

・石原慎太郎研究会
 http://www.winterpalace.net/isrg/
・悪質政治屋・石原慎太郎の監視小屋
 http://www.geocities.jp/social792/isihara/isihara_kansi.html
・特集:石原慎太郎とは何か!
 http://www.linelabo.com/bk_sp003.htm
・宣戦布告(戦争扇動・ヘイトスピーチ垂れ流しの石原公式サイト)
 http://www.sensenfukoku.net/
・石原慎太郎暴言データ集
 http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/ishihara/data/
・サヨナラ石原都知事(公選法の規定で3/20日までの限定公開)
 http://www5.famille.ne.jp/~ishihara/(HP)
 http://blog.goo.ne.jp/sayonaraishihara/(ブログ)
・石原都知事のフランス語発言に抗議する会
 http://www7a.biglobe.ne.jp/~mcpmt/toppagejp.html
・石原慎太郎と朝鮮人コンプレックス
 http://www8.ocn.ne.jp/~hashingi/page021.html
・石原慎太郎の人生(本多勝一「貧困なる精神」)
 http://www1.odn.ne.jp/kumasanhouse/hinkonnaru_seisin/k121.html
・映画「君が代不起立」公式サイト
 http://vpress.la.coocan.jp/kimi.html
・税喰う人びと―特集:都知事の豪遊・ムダ使い―
 http://homepage2.nifty.com/taxeater/top.html

(論考紹介)
・東京都知事選:石原氏への「批判のしにくさ」と「社会の成熟」(上・中・下)(M.H.Square.)
 http://www.officemh.com/blog/archives/2007/20070317_2340.php
 http://www.officemh.com/blog/archives/2007/20070319_2345.php
 http://www.officemh.com/blog/archives/2007/20070320_0111.php
・なぜ女性が石原慎太郎を支持?(Munchener Brucke)
 http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070326/p1
・石原都政の検証1~4(青山貞一、独立系メディア)
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7350.html
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7357.html
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7358.html
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7360.html

■「反石原・反ファシズム」リンク

(吉田さんを支持するリンク)

・のびのび東京!吉田万三(吉田万三さんのHP)
 http://www.manzo-y.jp/
・革新都政をつくる会
 http://www.ny.airnet.ne.jp/kakushin/
・都知事候補 吉田万三を勝手に応援するブログ
 http://blogs.yahoo.co.jp/lifelove7373
・がんばれ吉田万三
 http://blog.goo.ne.jp/takashi5776/
・大津留公彦のブログ2
 http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/
・M.H.Square.
 http://www.officemh.com/blog/
・万三さんの掲示板(吉田万三さんHPの掲示板)
 http://www.manzo-y.jp/bbs/bikke.cgi?board=manzo

(浅野さんを支持するリンク)

・浅野史郎・夢らいん(浅野史郎さんのHP)
 http://www.asanoshiro.org/index2.htm
・都民のハートに火をつける会
 http://asano46.exblog.jp/
・石原都政はもうご免だ!
 http://www.red-piper.com/
・東京。をプロデュース2007
 http://www.tokyo-produce.net/
・ある国際人権派の雑食系ブログ。(仮)
 http://blog.livedoor.jp/zatsu_blog/
・てらまち・ねっと
 http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/
・四トロ同窓会二次会
 http://6305.teacup.com/mappen/bbs?

(反石原・反ファシズムでの共同・統一の呼びかけ)

・石原都知事3選阻止署名活動(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/government/0701/0701228615/1.php
・夢の保革一騎打ち(そいつは帽子だ!)
 http://teagon.seesaa.net/article/35557109.html
・東京都知事選:石原都政を変えたい人たちへ。ということで「石原知事はスルー!新都知事を選ぼう!キャンペーン」はじめませんか?(M. H. Square)
 http://www.officemh.com/blog/archives/2007/20070311_0150.php
・「反石原」なトラックバック募集(旗旗)
 http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=347

■都政一般

・都政新報
 東京都政関連の自治体専門紙。「石原都政の検証」特集ページなど。
 http://www.toseishimpo.co.jp/
・東京都の公式HP
 都議会関連、知事選関連、知事広報、各種統計資料など。
 http://www.metro.tokyo.jp/
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファシスト石原、下北沢で遂にブチ切れ、地金を晒す

2007年04月07日 22時41分35秒 | 反石原・’07東京都知事選
※以下、スポーツ報知の記事より
 http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070405-OHT1T00108.htm

・慎太郎知事 ヤジにブチッ「うるさい、黙ってろ!」…8日都知事選

 石原慎太郎都知事(74)が4日、ついに爆発した。再開発計画を巡って物議を醸している下北沢の駅前で街頭に立ったが、開発反対派からの猛烈なヤジにヒートアップ。当初は柄にもなく?謙虚な姿勢を見せていたが、我慢も限界だったようだ。

 下北沢の駅前で「安心と安全」をテーマに「ここも救急車や消防車が入れるような開発をしないといけません」と再開発の必要を訴えていた石原氏。最初はヤジにも「黙って聞きなさいよ」といなしていたが、聴衆から「住民感情を排除している」などの声を浴びてついにキレた。

 「うるさい、黙ってろ!」と一喝。「(再開発について)いろんな意見を出してもらいたい。それを区長に取り次いでですね、当たり前の手順を踏んで、民主的にやるんだよ! 物事は多数決なんだから!」と怒りまくった。

 今回の選挙では、選対本部長の佐々淳行元内閣安全保障室長が「失言ブレーキ係」を自任。告示日の3月22日には「皆さんのお力を貸してください」と殊勝に訴えたり、同30日の会見では「説明不足だった」「謙虚にならざるを得ない」などと“らしからぬ”休火山ぶりをアピールしていた。

 しかし選挙戦が進むにつれ徐々に本領を発揮。同31日には、銀座の街頭で、ヤジを飛ばす男性を「静かにしなさい」と一喝している。ここにきて陣営では過去にあった数々の失言が街頭でも飛び出すのではないかとヒヤヒヤしているという。

 この日は演説が進むうちに雨が本降りに。石原氏が噴火すると、頭上では雷鳴がとどろいた。下北沢をめぐっては、対立候補の浅野史郎氏(59)が、告示前の3月10日に、再開発反対派の住民の案内で視察。それもあってか、400人以上の聴衆を前に、SPもピリピリムードだった。

 演説後は、開発反対派と石原氏に同調する人たちが入り交じって一触即発に。土砂降りの中で「石原帰れ!」コールがこだましていた。

※ちなみに、下北沢再開発問題については下記リンクを参照の事。石原が下北沢で野次の洗礼に遭ったのには、ちゃんとそれなりの理由があるのです。「救急車や消防車が入れるような開発」?「当たり前の手順を踏んで、民主的にやる」?それが大ウソである事は、築地市場の豊洲移転劇をみれば一目瞭然。やっている事は、オリンピック招致に名を借りた「乱開発、地上げ、街壊し、住民追い出し」でしかないじゃないか。

・Save the 下北沢
 http://www.stsk.net/
・下北沢フォーラム
 http://shimokitazawa-forum.net/
・下北沢再開発を考えるページ
 http://www.big.or.jp/~solar/shimokitazawa.html
・シモキタらしさを守ろう!下北沢再開発問題(JANJAN)
 https://www.janjan.jp/area/0603/0603221210/1.php
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「石原的なモノ」をどう打ち破っていくか

2007年04月07日 11時09分13秒 | 反石原・’07東京都知事選
 昨年12月に、政府税調会長の本間正明が、「官舎売却」を主張しておきながら、自分の愛人をその官舎に住まわせていた事が発覚して、会長辞任に追い込まれるという事件がありました。庶民には日頃から「官から民へ」とか「痛みに耐えろ」とか言いながら、当の自分は官の甘い汁を吸って良い目を見ていた事が発覚して、世論から指弾を浴びたという事件ですが、このTVニュースを職場の休憩室で見ていた時に、一人のドライバーがこんな事をつぶやいていました。「愛人を官舎に囲わなかったら良かったのに」と。
 私はこれを横で聞いて「あれっ?」と思いました。普通なら、この本間やそれを庇う安倍内閣の、鼻持ちならない特権意識や、身内偏重、二枚舌に対して憤りを覚える筈なのに、このドライバーはそうならずに、寧ろ本間に対して同情的で、「出来れば自分もこんな風にして愛人を囲ってみたい」という感じでした。

 翻って4月8日投票の東京都知事選ですが、マスコミの情勢予測によると、石原の逃げ切り勝ちの気配が濃厚との事。選挙は水物なので私は最後まで石原打倒の希望は捨てませんが、恰も「憎まれっ子世に憚る」かの如く、「何でこんなに石原はしぶといのだろうか」と考えた時に頭に思い浮かんできたのが、この時の情景でした。
 石原慎太郎の強さというのは、これはまた小泉政権の強さにも相通じる側面があるのでしょうが、庶民の中にある支配欲・出世欲・英雄願望や、「他者を押しのけても自分が良い目をしたい」という、ある種のドロドロとした本音みたいなものを代弁している所にあるのではないでしょうか。

 「ババア」「三国人」「障害者に人格はあるのか?」「虐められるような弱い奴が悪い」等々のヘイトスピーチに示された石原の特異な差別思想の背景には、そういう庶民の本音に悪乗りした部分が確実にあります。私は、当初は石原の弱肉強食肯定の差別思想に頭にきて、しかもそのトンデモぶりがあんまりなので、「こんな奴の化けの皮など剥がすのは簡単だ」と思っていました。しかしその後色々調べていくうちに、前述の石原支配の強さ・巧みさも段々分かってきて、今はもう「この支配を突き崩すのはそんなに容易ではないぞ」と思い始めています。

 石原新太郎の書いた小説には、自由奔放な快男児が出世して女性をモノにするといったシチュエーションがよく出てくると言われます。そこにあるのはある種のマッチョリズムで、石原が戸塚ヨットスクールの校長を擁護するのもそういう所から来ているのでしょうが、それが案外すんなりと受け入れられる土壌は確かにあるような気がします。石原がキャリア・ウーマン(奥谷禮子の様なネオリベ女性)に意外と受けが良いのも、彼女らが肯定する「世の中は成り上がった者が勝ちよ、それを弱肉強食だ何だと批判しているのは負け犬よ」という考えが世間にも受け入れられているからではないでしょうか。

 それに加えて、何だかんだ言っても、東京が「勝ち組」都市である事も石原に有利に作用しているのではないでしょうか。経済グローバリゼーションの下では、経済の一極集中は進み、都市と地方の格差が広がります。謂わば、先進国と第三世界との間に見られるような経済格差が、国内においても見られるのです。ハリケーン・カトリーナに被災した米国ニューオーリンズとニューヨークの間に見られるような格差が。東京で言えば、ヒルズ族とホームレスやネットカフェ難民との間に典型的に見られる形で。

 勿論、東京に住んでいるのは「勝ち組」ばかりではありません。以前のテレビ番組で、六本木ヒルズ族が億ションでホームパーティーに耽っているその同じ港区内で、一人暮らしの高齢者が年間数万円の年金だけを頼りにどうにか生きながらえている姿を映し出していました。しかし、東京都全体で言えば前者の「勝ち組」が全都民の62%を占めるのです(「反石原・都政革新の戦いは第二ラウンドへ」参照)。その62%が石原(ひいては小泉・安倍)支配の根幹を為し、「負け組」の中からも彼らに同調する事で日頃の鬱憤晴らしをする人たちが現れます。それ以外の残り20~30%の「負け組」は、「物言わぬ民」として、今の保守二大政党制の下では完全に疎外・排除されているのです。小泉政権が先の郵政民営化選挙でキャンペーンを張った時に、そういう「負け組」についてはA・B・C層のどれにも含めず、完全に視野の埒外に置いた様に。

 この石原支配の政治構造をどう打ち破っていけば良いか。「ただ何となく、気分だけの反石原」の立場で、石原のあれこれの差別発言を面白おかしく茶化しているだけでは不十分なのは間違いないでしょう。ではどうすれば良いか。簡単に結論が出る様な問題ではありませんが、若しその手がかりがあるとするならば、「如何に自分の問題として捉えられるか」という所に、そのヒントがあるかも知れません。

 石原の例で言えば、石原を支持する人は、自分を石原の側に置いているのです。ヒルズ族やネオリベ女性にとっては、年金でどうにか生きながらえている独居老人や、ワーキングプアや生活保護世帯や、ホームレスやネットカフェ難民や、ババアや三国人などと言った人たちは、全て自分とは関わりの無い、下手すれば自分の今の豊かな生活を脅かしかねない、「得体の知れない、向こう側の人たち」なのです。だから、平気でこれらの人たちにバッシングを加え、石原を支持する事が出来るのです。
 今までのバッシングが全てそうでした。イラクの日本人人質、拉致被害者家族会、公務員、労組、高齢者、農民、地方住民・・・これらの「抵抗勢力」は、全て自分とは関わりの無い、「得体の知れない、向こう側の人たち」なのだと。

 しかし、その中でも例外があります。JR福知山線事故の被害者やホワイトカラー・エグゼンプション(WE)に反対する声に対しては、不思議とバッシングは起こっていません。ひょっとしたらバッシングされているのかも知れませんが、少なくともイラク人質や抵抗勢力に対する様な露骨なバッシングは起こっていない筈です。それは何故か。通勤災害もサービス残業も、ともに身近にあって、直ぐに自分の生活に跳ね返ってくる事柄だからです。
 或いは、かつての売上税・消費税反対闘争の中で、参院選の与党過半数割れを生み出し、「山が動いた」と形容されるような政治変化が生まれた例も挙げられるのではないでしょうか。たとえ数円・数十円でも、誰しも自分の財布の中からお金を吸い取られるのは嫌です。そういう身近で、自分の生活に直接関係する場合は、「あちら側」ではなく「こちら側」の話として、政治が捉えられるのです。
 如何に、「こちら側」の、自分の身に迫った問題として捉えられるか。「石原的なモノ」をどう打ち破っていくかという事のヒントも、そこに隠されている様な気がします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緊急転載:「きっこの日記」は、何故、削除・謝罪したのか?(毒蛇山荘日記)

2007年04月05日 09時58分45秒 | 反石原・’07東京都知事選
※ファシスト石原による言論弾圧を許すな!

(転載開始)
「きっこの日記」は、何故、削除・謝罪したのか?

しばらく留守にしていたので、よくわからないが、都知事選挙関連の記事で、「きっこの日記」がキナクサイ雰囲気に包まれつつあるようだ。「きっこの日記」は、問題の記事を削除しただけではなく、「お詫び」http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/04/post_caed.htmlと称する全面降伏ともとれる謝罪文をも掲載している。明らかに異常である。公職選挙法に抵触しているとかいないとかいう議論があるが、僕はそれだけではないだろうと思う。おそらくわれわれの知らないところで、何かが起こっているのだろう。問題の記事は、都知事候補者で、ほぼ三選間違いなし、と言われ、大手マスコミの予測調査でも圧倒的に優勢と伝えられ始めた石原慎太郎に関するもののようだ。僕も、保守派とは言いながら、石原慎太郎の言動には批判的であり、今回の都知事選挙では、浅野史郎を応援している者だ。だから何回も石原慎太郎批判を繰り返してきた。さすがに選挙期間中は、自分なりのスタンスでどの候補者に対してであれ、あまり過剰な批判や罵倒は控えているが、しかし、公職選挙法や名誉毀損罪等を持ち出して、ネットの言論を封殺しようとする怪しい動きには違和感を覚える。そもそもネットやブログや「2ちゃんねる」等を使って、選挙期間であろうとなかろうと、様々な怪しい個人情報を流し、それをネタに批判・罵倒を繰り返し、しかもそれを政権維持の「手段」化したのは小泉・安倍一派か、もしくは彼等に雇われた、今ではその正体がバレて、「チーム施行」と揶揄される一部のネット右翼一派だったはずである。しかし、最近は、ブログやネットや「2ちゃんねる」も、小泉・安倍一派の「傭兵」ばかりではなくなっている。というより、むしろ反小泉、反安倍の勢力の方が強くなりつつあるのが現状だろうと、僕は見ている。たとえば、「植草事件」、つまり植草一秀教授痴漢疑惑事件でも、ネットやブログの世界では、植草擁護論(つまり冤罪論)の方が威勢がいい。というわけで、今度の都知事選挙でも、ネットやブログには、スキャンダルまみれの石原慎太郎を批判し罵倒するものが選挙公示前から少なくなかった。僕のこのブログもその一つだった。おそらく「きっこの日記」もその一つだったのだろう。僕は、ネット言論を体制擁護へ誘導したり、管理統制がうまく機能しなくなった時には、権力側からのネット言論論弾圧が始まるだろうと思っていたが、おそらく今回の「きっこの日記」つぶしの動きは、その一環だろうと思う。石原陣営は、「きっこの日記」の記事に激怒し、報復を宣言しているらしいが、そもそも様々なスキャンダルを穿り出して、石原慎太郎批判のキャンペーンを大々的に開始したのは共産党機関紙赤旗のはずだが、石原陣営は、言うまでもなく赤旗を恐喝したり告訴したりすることはないだろう。相手が個人、もしくは弱小ライターだから強気に出ているのである。作家であり、言論人であるはずの石原慎太郎の正体、見たり枯れ尾花、である。自分は、「言いたい放題」言うが、他人が「言いたい放題」言うことは許さない、というわけであろうか。

★きっこさんの「お詫び」
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/04/post_caed.html

★オフィスマツナガ 
http://app.blog.livedoor.jp/takashikitaoka/

★「石原陣営が激怒」のj-castニュース 
http://www.j-cast.com/2007/03/28006465.html

★問題の記事?は…
http://megalodon.jp/?url=http://cache.yahoofs.jp/search/cache%3fp%3dwrt%26u%3dwww.kikko.cocolog-nifty.com%2Fkikko%26d%3dXMKwGBIeOhQq&date=20070328235912
(転載終了)

・出典:文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』
 http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20070404/p1
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反石原・都政革新の戦いは第二ラウンドへ

2007年04月05日 00時30分39秒 | 反石原・’07東京都知事選
・都知事選 本紙世論調査 石原氏依然リード(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007040202005336.html
・統一地方選:東京で石原氏優勢 神奈川は松沢氏 中盤情勢(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070402k0000m010107000c.html

 今回の東京都知事選挙、マスコミ報道を見る限りでは「今回も石原慎太郎の逃げ切り勝ち」の気配濃厚との事ですが、石原都政2期8年の長期スパンで見ると、又別の姿が浮かび上がってきます。この2期8年で石原は確実に追い詰められつつあります。
 8年前の1999年の都知事選も候補者乱立でした。この時は舛添要一や明石康や鳩山邦夫といった有名人が一杯出て、その間隙を縫って石原が初当選を飾りました。4年前の2003年の都知事選では、石原は300万票以上の大量得票で二期目をスタートさせました。その前2回のいずれの選挙も石原にとっては上り坂の選挙でした。
 翻って今回の都知事選挙はどうでしょうか。石原がここまで追い詰められた事は、かつて無かったのではないでしょうか。オリンピック招致、大型開発、福祉切捨て、日の丸・君が代強制、築地市場移転問題、そのどれをとっても石原は、他候補からの論戦に対して防戦一方の闘いを強いられています。そして他の候補者が全て石原に集中砲火を浴びせている事も含めて、こんな事は今まで無かった事です。ここに、前2回の都知事選とは違う、石原打倒の闘いの新たな質的発展が示されています。

 今回言われている「石原逃げ切り」の気配も(但し選挙は水物なので今後の数日間でどう変わるか予断は許しませんが)、反石原統一戦線の不成立や候補者のタマの問題に助けられて、今の所はどうにか命拾いをしているだけではないですか。石原は論戦では確実に追い詰められています。花粉症対策の都のポスターまで自分の売名行為に動員したり、あの傲慢不遜な性格の持ち主が「ちょっとは反省してよね、でもやっぱり石原さん」なんて内容の選挙ビラを出さなければならない所まで追い詰められたり、オリンピックで言い訳に回ったり、急に中学生までの医療費無料化を言い出したり、演説にもいつもの様な強気の調子が見られなかったり。こんな所にも石原の狼狽ぶりが如実に現われています。

・石原知事ポスターの掲載お断り(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/government/0702/0702190366/1.php?action=tree
・【都知事選】「少しは反省してよね! だけどやっぱり石原さん!」今回から配布可能となったビラ、各候補のセンスは・・・(2ch)
 http://news22.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1175334604/

 但し、根拠の無い楽観主義や侮りは禁物です。石原が2期8年に渡って都政の座を維持し高支持率を保ってきた背景やその統治の強さ・巧みさについては、前号エントリーでも言及したように、冷静に分析する必要があります。
 青森や秋田の一人当たり県民所得が200万円そこそこのワーキングプア水準であるのとは対照的に、東京都では年収800万以上の所得階層に属する人が都民の62%を占めます(出典:総務省「全国消費実態調査報告」、「石原都政の検証」P40掲載)。この様な大都市圏への所得偏重、地方との経済格差は、何も今に始まった問題ではないのですが、昨今の経済グローバリズムの進展によって、ますます酷くなりつつあります。
 これらの相対的高所得階層に属する都民の多くも、かつての戦後の高度成長期においては、そのひずみ(公害問題、交通戦争、伏魔殿・黒い霧都政など)を蒙る事によって、美濃部革新都政を誕生させる原動力となりました。しかし、80年代以降の反動攻勢によって革新勢力が退潮し新自由主義イデオロギーが台頭してくるに従い、これらの人たちは次第に「資本の論理」に絡め取られるようになり、今や小泉・安倍・石原政治を積極的に支持するようになりました。
 石原都政打倒が至難の業であるのは、その様な支配構造に絡め取られている事に都民自らが気付いて、意識的にそれを打ち破っていかなければならないからなのです。そういう石原都政の強さ・巧みさも知ればこそ、今回石原がここまで追い詰められた事の意義も初めて理解できるのです。

 終盤戦の各マスコミの世論調査によると、オリンピック招致に賛成は僅か3割で、築地市場の豊洲移転は反対が賛成を圧倒し、都政転換を望む声は過半数超との事。ここにこそ石原打倒の次の展望があります。4月8日の都知事選投票結果がどうあろうと、そこで一喜一憂している場合ではありません。況してや石原に負けて敗北主義に陥ったり反石原陣営同士で責任の擦り合いをするなどは愚の骨頂です。石原が勝っても負けても、その時から石原都政打倒、東京都政民主化の闘いは、それまでの論戦の優位性と反石原の大義を保ったまま、次の新たな発展段階に移るのです。
 これは何も次の都知事選まで待つ事を意味しません。あの傲慢不遜な石原の事ですから、そのうちにまた問題発言・差別発言でボロを出すか何かヘマをやらかすに決まっています。今のブッシュ・安倍政権の様に。その時こそ、石原をリコールに追い詰め、新規まき直しで統一候補を擁立し直して、もう一度都知事選に臨めば良いのです。
 今はまず何よりも、投票箱の蓋が閉まるまでの第一ラウンドで、反石原陣営がそれぞれ最善を尽くす事です。それで石原が負ければ良し、たとえ石原が逃げ切ったとしても、投票結果如何に関わらず、都知事選はそのまま次の第二ラウンドに移るだけです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする