たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『紅-ing』_久しぶりに笑いました

2020年02月09日 22時17分57秒 | ミュージカル・舞台・映画
 ごっかんの朝、自転車で駅までの道のり、冷たい北風、向かい風がつらくってつらくって涙でました。つらい朝でしたが楽しい一日となりました。初の梅田芸術劇場遠征、御堂筋線の中津駅は小さいながら北口と南口とあり4番出口に出ることはできませんでしたが、1番出口からも行けるよと駅員さんが教えてくれたとおりに辿って無事行き着くことができました。お正月の東京宝塚劇場の宙組公演以来の人が行き交う街らしい街に行ったし、『エルハポン』のキキちゃん以来、久しぶりに笑いました。怒りと不満に満ち溢れた業務には一ミリも笑いの余地などなく、てんがいこどくとなった日常生活の中にも笑いはないのだとあらためて気づいたことにもなるのですが半ば病んでいた心を、笑顔で帰ってほしいという紅ワールドに助けられました。新幹線での移動は遠くないといえどもなかなかに緊張しますが、わたしの人生に必要な楽しい時間でした。

 紅-ing、クレナイ-イングと読むんですね。退団後ゆっくりお体休める余裕もあったかな、いったいこのパワーはどこから出てくるのだろうかと思うぐらい、元気いっぱいな紅ゆずるさんでした。開演前と終演後のアナウンスしていた紅子さん、私服のヒョウ柄ドレスで二回も登場して時間も長いし、パワーアップしすぎるぐらいパワーアップしていました。客席との掛け合いも多くて、周囲に迷惑かけないかぎりにおいて遠慮なく拍手したり声出したりできるのコンサートならでは。子どもちゃんからの掛け声もかかっていて、さすがに怒れない紅子さん。12時開演、13時45分終演と一応なっていましたが余裕で2時間半のパフォーマンス。最初から時間でおさめる気はさらさらなかった紅さんと紅子さん、後半も楽しんでくださいね、って言った時点で1時間半近くたっていたと思います。カラスの鳴き声が時間ですよの合図なのかな、そのあと小さい爆発音のようなものもきこえましたが紅子さん?紅さん?ガン無視でしゃべる、しゃべる。そして歌声が宝塚在団時よりもさらにつややかで美しく声量豊かに響いていて、わたしなんかが言うことではないですがものすごく進化していたと思います。あれだけしゃべって、あれだけ歌って、喉が疲れないどころかさらにとおる声、すごい。どの歌、どの場面も役柄としての表情がみえて、主役は紅さんですが誰にもひとりひとりみせばがあり、宝塚OGとトートダンサーお二人、映像演出との融合も素晴らしい舞台でした。紅色にあふれている舞台でした。気持ちが元気になれる色。月組OG宇月楓さん(トシさん)と花組OGの梅咲衣舞さんが星組OGにまじってこの舞台に出演できたよろこびをことばにしたときの涙が沁みました。きいていて涙なりました。

トートダンサーお二人、いい感じで遠慮しながら溶け込んでいて、紅子の部屋?で紅子さんのさく裂トークにタジタジなりながらたぶん不得手であろう寸劇とアドリブをがんばってくれたのも最高でした。もしかして小池先生の選抜?2015年と16年の東宝エリザでなんども拝見したので十分わかっていますがさすがのしなやかなダンス、ばねがちがうなあと思いました。稽古の前とにかく二人でいようねと小南さんと約束して稽古場に入ったらすぐに馴染んで紅さんをさゆちゃんと呼ぶようになったという田極翼さん、ルドルフを棺に運んだ力持ち、『ロミオとジュリエット』からギンギラのティボルトの歌を紅さんが歌うバックで如月蓮さんとのデュエットダンス、男役のようなスーツきた蓮さんを軽々とリフト、振付はどなたかのかな、すごくかっこよくて同時に美しい場面でした。3階席だったのでオペラグラスで紅さんみたいし、ダンスもみたいし、目が足りなかったです。歌もすごくよかったんですよね、完全にティボルトでした。歌声、声量、立ち姿、圧巻のパフォーマンスでした。

梅咲衣舞さん、カーテンコールで最後にひとこと言われた時はすでに涙涙、お隣の蓮さんが肩抱いていたところは男役魂かな。音楽学校入学前、通っていたバレエスタジオが紅さんと一緒で励まされた続けたという話、コンサート出演が発表されてから披露していますが、『邪馬台国の風』で退団してから2年半かな、退団後ずっと光のあたらない世界にいた自分を、いや色のない世界にいた自分をだったかな、王子様が迎えにきてくれてこうしてまた光のあたる世界にひっぱりだしてくれた、色のある世界にひっぱりだしてくれたことがすごく嬉しいという話、プログラムには「命を差し出すつもりで」とあります。声をかけてもらえたことへの喜びに心震える美しい涙。

宇月楓さん、ソロでXJAPANの「KURENAI」かな、とてつもなくかっこいいダンスと安定の歌声、最後に「yuzuru KURENA-I!!」と叫ぶパフォーマンス、素敵すぎました。『BODDY』拝見しましたがダンスの上手いのさすがでした。さらにかっこよかった。本日のトークコーナーのゲスト、月組だった自分がここにいていいのか、なぜいるのか、なれそめをやっと話せる時がきましたとのことで入団後のお稽古の先生が紅さんと一緒だった、その先生はよくごはんを作ってくれて稽古の前やあとにみんなで食べた、その時「あんたよう食べるなあ」と声をかけてくれたのがきっかけで話すようになった、退団するとき楽屋を白でいっぱいにしてくれた、どうやって感謝の気持ちを返そうかとずっと思ってきた、このコンサートに出演することで恩返しできると話しながら涙。月組に配属されてから、あさこさん(瀬奈じゅんさん)のファンだった紅さんは月組の稽古場をよくのぞきにきていた、あさこさんを真似てダル・レークの恋とギャツビーをなんどもなんどもやっていた、「みなさんみたいですよね」とふってくれてカマラにせまる場面とギャツビーの最後、あとわたしはよくわかっていませんがあさこさんが情熱大陸に出たときの真似かな、あと藤井大介先生作のショーの一場面の真似とか、客席も大盛り上がりの笑いあり、涙ありの場面となりました。最後ロングハンドで紅さんが宇月さんの肩抱いていたんですよね、これまたかっこよかった。紅さんがあまりにもくるのであさこさんにしっしって追い払われたとか。面白すぎますな。台風で退団公演の前楽が中止になったとき最初に電話をくれたのがあさこさんだったことが明かされました。ずっと気にしていてくれたとか。若くいちばん多感な時期をを共にすごし汗と涙をながした縁って一生ものなんですね。「縁だと、縁というと結婚だけをイメージしがちだけどそれだけではない、すべて縁だ」と紅さん。フムフム・・・。

如月蓮さん、カーテンコールのひとことで、「一生紅さんについていきます!」「お墓の中まで?ちょっと考えさせて、AnotherWorldも大変やから」も楽しすぎました。いいですね、谷先生の『AnotherWorld』のおかげでこんなライトが会話が成立するのも楽しい。

終演後、劇場前で藤井大介先生とすれちがったと思います。客席にいらしたの3階席からではみえなかったですが、紅子さんが舞台にあがるようふったとき、そういうタイプじゃないからと辞退。最後に、紅さんがコンサートの第2段もやりたい、全くなんの根拠もなく勝手に言っていますが大介先生よろしくお願いしますとあって、小川理事長客席にいらしたとのことだし、歌劇団に著作権のある舞台写真ばんばん流されてくれて天寿光希さんビデオレター出演させてくれるしすごい全面協力体制、懐が深い劇団、またタッグ組む機会がほんとに訪れほしい、今度は同じメンバーで『CLUBSEVEN』のようなダンスと歌と芝居の融合パフォーマンスあるといいなあなんて個人的希望。

カーテンコールで「テレビやインターネットでなんでもみることができる時代にこうしてわざわざ劇場に足を運んで観劇してもらえるのがすごく嬉しい、退団してから3カ月、直接会える機会のなかったことがすごくさみしかった、宝塚を愛する気持ちはずっと変わらない、宝塚を応援しつつ、これからもファンのみなさんがみたいと思うものをやっていきたい」と。男役としての自分を好きなってくれたファンにいつスカート姿を披露するか、いつ男役だった自分がスカートをはくか、その姿にファンはついてきてくれるのか、ということが紅さんの中でひとつの大きなハードルだったんですね。命がけで18年も男役をやってきた紅さん、最後のショートカットのままで紅色のドレス姿を披露したのはオスカルがはじめて舞踏会へ行くのにドレスを着た時のような気持ちだったでしょうか。男役から性別をこえた、中性的な端正でかっこよくてかわいくて美しい姿を拝見できたのはいいタイミングだったと思います。どすっぴんも可愛すぎました。お墓の中までは無理ですが、これからの生きる楽しみとして、また次なる人生を模索する身として共に歩んでいきたいと思います。お手紙準備する余裕はなかったのでゆっくり書いて事務所に送ろうかな。

とにかく楽しかった、現実をわすれて久しぶりにたくさん笑いました。おなかの底から笑うって気持ちいいね、月曜日まだごっかんみたいだし休みにて大正解、ひたりながら振り返ろうと思います。とにかく盛りだくさんすぎた、無理だけと東京いきた過ぎる。