毎年この時期、福島の友人達と旧交を暖めるため、福島の温泉に行く。今年は震災お見舞いという特別な意味もあった。新白河で友人の車に乗り込み、芦の牧温泉へ、途中の道路はまだ地割れが多く、修復中のものやまだ手がつかない箇所もあった。崖崩れの修復工事も何カ所か有り、完全復旧にはまだ時間が必要だ。
芦の牧温泉は清流を望む谷にありながら、地震の影響も少なく、先日の大雨にも拘わらず崖崩れの跡もない。岩盤に自然林がしがみついている風情で、杉の人工林のように脆くはないのだ。その清流と自然林を眺める崖淵に棚田のごとく三段になっている露天風呂があり、そこで湯浴みをしながら、福島の友人の話を聞いた。
毎日、近所の放射能を計ることが日課になっている。行政の対応やマスコミの報道に不信感を持ち、自分で確認するしかないと言いきる。テレビもニュースは見ないでドラマか映画しか見ないと語る。友人は果樹を栽培し、蜂蜜も採っているが、蜂蜜は放射能の心配も有り、今年は自家消化のみとのことで土産にリンゴと梨を用意してくれた。
その時の友人の悲しい発言が忘れられない。「遠くから親戚が見舞いに来た時、野菜をお土産に持たせる人が多いが、高速インターの入口にそうした野菜が捨てられている」
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