自民党の石原伸晃幹事長は10日、青森県弘前市で講演し、11日で10年を迎える米同時多発テロについて「歴史の必然として起こった出来事ではないか」と信じがたい発言をした。
具体的には「テロは産業革命から続いた西洋文明の支配、ピューリタニズムに象徴されるキリスト教支配へのイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」とし、記者団に「歴史解釈の持論を述べただけで、テロ行為を肯定したわけではない」と釈明した・・・・と報道された。
オバマ大統領は事件以来、差別されてるイスラム系米国民に最大限配慮した演説をして国民の団結を訴えた。テロリストとイスラム教を峻別するという米国民の努力に、この石原発言は最も不適切なものだ。歴史解釈でもこの間違いはどこから来たものだろうか。キリスト教とイスラム教の戦いははるか昔、1100年前後の十字軍やイベリア半島での領土争いに遡る。しかも今日、イスラム教はパキスタン、インドネシア、といったアジア圏まで拡大しており、両国はイスラム圏最大の人口でヒンズー教や仏教とは争ったがキリスト教が支配したという歴史はない。
論評に値しない失言をして大臣を首になったものもいるが、政治家特に影響力のある要人の発言には注意しすぎることはない。石原発言は宗教戦争は歴史的に避けられないような印象を与え、多宗教国家に取っては迷惑なことだ。
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