行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

統一教会と米国FTXなんとなく似ている

2022-12-03 18:19:57 | 経済

11月15日のブログで「ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、FTXトークンなど様々な暗号資産(仮想通貨)を取引する米国大手のFTXが破綻した。ソフトバンクやブラックロックといった機関投資家が出資しているので、日本のFTX取引所にも多くの個人が暗号資産売買をしており、虎の子の資金を預けている。何故破綻したのか詳細は判っていないが預かり資産が煙のごとく消えることは間違いない」と書いた。その後シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスも出資していたことが同国で政治問題となっていると報じられている。

最近の報道でFTXは、裏付け資産のないトークン「FTT」を発行、それを支払いや借り入れ担保など通常の金融資産のように利用しながら、事業買収などビジネスを急拡大させてきた。いわば「錬金術」的な経営手法が行き詰まった側面がある。債権者は100万人にと推定される。
何故優秀なファンドマネージャーがいる機関投資家がころりと騙されたのか?創業者のサム・バンクマン・フリード氏の神がかり的な存在感を自身とマスコミが造り上げた処にありそうだ。その手口は

トレーダーとしてのキャリアを積み、30歳の若さで、兆円単位の資産家として人々の羨望を集め、2020年の大統領選挙に民主党に500万ドル(6億円)以上を寄付し、政党へのロビー活動(暗号資産規制強化反対)を推進し、業界の代表者のような姿を見せた。
バハマに本社を移し、常にTシャツ・短パンとスニーカー、特徴的なアフロヘアでメディアの前に登場し、自家用ジェット機で移動するという派手な姿を見せた。「寄付のために稼ぐ」といった言動を発し、氏を聖人のように捉える向き(あるいはそういう報道)も多かった。

広告塔として著名人(大谷翔平、大坂なおみを含む)を大いに利用し世間の注目をさらに集めた。米国では債権者からこれら著名人に対して集団訴訟が起こされている。大谷君大丈夫かな?

財務についての情報開示が十分になされず、またビジネスを外部から監視するガバナンスも機能していなかったため、リスクの実態が外部からは認識できなかった。ところが同じ穴の狢?FTXが発行していたFTTを買っていた同業他社があやしい臭いを嗅ぎつけ、FTTを全額売り払ったところ、信用不安が生じて倒産のきっかけになった。

自民党の一部議員が広告塔に使われ、霊感商法や寄付集めに利用された事件と分野は全く異なるがなんとなく似ている。人間は聖人だとか時の権力、有名人には弱い。

 


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