元旦の新聞からマスコミの2018年予想が出そろった。今年の予想は程度の差があるが、「景気は良い、リスクは北朝鮮と中東」といった内容だ。日米の株価も高水準のスタートとなった。庶民の反応は自らの体験で左右させられるせいか、バブル経済を経験した中高年者と、デフレ経済の中で育った若者によってかなり違う。バブル経済がはじけて30年弱、当時4大証券の山一証券倒産を目にしていた中高年者はバブルで良い思いもしたが、そのはじけ方の衝撃で現在の株価はバブルではないかとかなり懐疑的だ。
その後の失われた25年と言われた中で育った30代、40代は2008年のリーマンショックを経験し、日本経済は成長しない、株価は上昇しないとの体験が染みついている。しかし、この世代はPCそしてスマホにより、グローバル情報を絶えず身の回りに備えており、欧米、最近では中国の先端技術やそれに伴うIT企業(米国のFANGなど)の成長ぶりを見て、日本経済も自動車だけでなくIoTの発展に伴い大きな可能性があると見ている。従って株価も米国にかなり出遅れているので日経平均3万円ぐらいは当然と考える。
自分は1973年の石油ショック以来多くの危機を経験したが、1989年バブルは特に異常で、日本全土の地価が広大な米国の4倍になり、ニューヨークの象徴であるロックフェラーセンタービルをはじめ、米国企業を次々と日本企業が買ったのには驚いた。米国のカリフォルニア州ぐらい買ったらどうかなどと冗談をいったものだ。あのときに較べれば、今地価は上がりつつあるが、正常の範囲内だし、例え株価が3万円になっても、欧米の株価にようやく追いつくくらいの理論値で驚くことはない。
ただ、以上の議論で肝心なことが抜けている。今の日本経済はいつ崩れるか判らない巨大なリスクの上にあるということだ。予想を言う識者達は十分知っていながら言わない。それは1989年バブルの時の政府の債務は300兆円だったが今や1250兆円にのぼり、ギリシャ辺りからは日本政府は巨大な借金を抱えながら何故危機にならないのだ。と言う声も聞こえる。その訳は政府が発行する国債をほとんど日銀が買って支え続けているからで、その付けは将来に先送りされているからだ。しかも、世界の歴史を見ても初めての超低金利政策が国債利払いの負担を無くし、引いては財政危機を国民に見えにくくしている。
将来、インフレ、高金利になるとこれが逆に回転し、国債の利払いは政府にデフォルトを迫り、社会保障も破綻する。
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