行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

シンガポールは危機をどうのりきったか

2009-12-02 23:30:19 | Weblog
昨年のアイスランド、最近のドバイ、ともに世界から資本を引きつけ繁栄を謳歌していたが挫折した。シンガポールはどうなのか?同じように人口も484万人と少なく、国土も淡路島程度で資源はなく、あるのは人材だけで世界から資本を引きつけ製造業だけでなく金融センターとなっている。昨年からの世界経済の危機を乗り越えられるのか危惧せざるを得なかった。

古い友人でシンガポール労働組合会議の議長ジョン・デ・ペイバ氏に最近の事情を聞いた。確かにGDP成長はマイナスに落ち込み深刻だが人員削減数は10000万人程度でかつての97年アジア通貨危機の29000人よりはるかに少ない。失業率も2003年のサーズ騒ぎの時5.2%に比べ3.3%におさまっており、この危機を充分乗り越えられるという。

何故シンガポールは強いのか?基本的には人を大切にする伝統で、企業にとっては辛いが雇用の確保は至上命題で、かつ労使で賃金の16%計32%を拠出して社会保障基金を積み立てている。これで個々の住宅の確保は保障され、かつ今回のような危機の時に解雇を防ぐため企業に助成金を支出する。休業補償もするし、その間訓練し、スキルを磨く費用も出す。失業保険がない国だがこれなら心配ない。

最近のスローガンはUpturnDownturn(不況を好転させよう)で4つの「最も」で実現をするとしている。①最も企業を優先させる経済、②最も労働者を優先する国、③最も結束した政労使関係、④最も思いやりのある労務管理、
日本も民主党政権実現で政労はこの4点、諸手を挙げて賛成だろう。問題は経営者だ。
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