アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「ドラゴン桜」ドラマについてふわっとした感想

2021年06月30日 | 大学受験
「ドラゴン桜」という、元は漫画があってドラマ化されて、それですごーく年数経ってセカンドシーズンが製作された、と、そんな具合らしいですけど私は最初のときのドラマを知らなくて、今回だけ見ました。

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見たといってもわりと「ながら見」が多かったんで「ふわっ」とした感想になりますが

まず、昔のドラマはわりと勉強の方法? についてのものだったと聞いていますが今回のはそういう感じではなくて、東大を目指して勉強する生徒たちのストーリーと学園経営を巡る陰謀ストーリーをからめてというものでした。そのため、どちらも中途半端というか無理くりというか、ドラマとしての出来はちょっとあんまりよくないと思うのですが…

それはともかく、ドラマ「ドラゴン桜」は学力的に底辺の高校から東大目指す的なのが基本ストーリーで、そうであればけっこう「距離」のあることなので、なるべく早く始めてしっかりとした準備しないと話にならなそうだけれども、まぁいろいろあって、本気で勉強するってところが固まるまでもけっこう長いので(ドラマだからね)、「いや、間に合わへんやろ」と思ってしまう。

ホリエモンが半年でどうこう、高三夏でE判定から、とかいったりしてたけれど、それは「半年」だかの受験勉強を始める前にいろいろな素地があるからできること。

それまでにほぼ勉強の習慣もなくて基礎学力もないという場合はそもそも勉強をすること自体難しい。

ドラマでは、元々「勉強をすることができる」二人と、勉強ではないけれど本気のスポーツを通して集中力、体力、頑張るということなどの訓練がとっくにできている一人、受験勉強はしていなかったけれど好きなことをとことん突き詰めていた一人が出てくる。この四人ならなんとか目がありそうだけど他は無理だと思う。まぁドラマだからね…

現実味が薄いのは置いておくとして、この東大専科というコースはなかなか興味深い。

たいていの(トップ校ではない)進学校で、コース設定がある場合は成績による選抜で特進コースを作る場合が多いと思うけれど、このドラマでいう東大専科はぜんぜんそうじゃない。あくまで本人のチョイスであって、むしろ他の子たちからは馬鹿にされているくらいのポジション。

そして、ガンガン長時間授業をやって宿題出して詰め込むスタイルじゃなくて、勉強の仕方についてのアドバイス、ポイントについて授業はあるけれど、(たぶん)あらかたの時間は自習中心で取られている。

授業があれば勉強が進むわけではなくて、基本的には自分で勉強する時間が必要だけれど、ふつうの高校に通っていると、(あまり受験に関係ない)授業があって、それプラス塾に行ったりして、なかなか自習時間が取れない。(学校の授業を内職して自習時間にあてるのもあるけど、そういうスタイルは何かと面倒だ)

学校にいる間に、たっぷり自習時間があって適度に授業やガイダンスがあって、家に帰ったらフリーであれば一番効率よく勉強できる。しかも、学校には(同じ大学を目指す)仲間がいて、教え合ったり、励まし合ったり、雑談したりできるなら最高だよね。

そして勉強の仕方について、あんまりたくさん出てこなかったけどいくつか出てきたものや、受験生の親の心得とかはかなりおもしろかった。わりと理にかなったものも多くて(ただ、今そんな具合なら間に合わんやろとは思ったけども)。

全体に、「勉強はおもしろさがわかって、自分で考えてやって、初めて効率が上がる」という雰囲気が出ていたのは良かったと思う。「やらされる」「強制」じゃ、捗りませんよね。ビシバシやらせればなんとかなるんじゃないかと思ってる先生とか親とかいるとめちゃくちゃ害悪なので、是非全国津々浦々に伝わってほしいです。

そんなドラマでしたが、一番納得感のなかったところといえば…
(具体的に「これはありえない」という個所は挙げていってもしょうがないというかヤボだと思うので除外)

そもそもなぜ東大なのか(東大じゃなきゃいけないのか)ってところかな…

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都立高校入試合格点の男女格差

2021年06月28日 | 大学受験
うちの子たち三人のうち、公立中から高校受験した子もひとり(またろう)いるけど、ほとんどこの問題については意識したことがありませんでした。

     にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記へ ←「内申」が嫌すぎて男女差についてはあまり考えてこなかった

(有利とされる側の)男子だから? いやいや、そういうことではなくて…
またろうが受けるところ(高専とか)は男女別定員じゃなかった、というのがひとつ。
それと、高校受験は、とにかく「内申」という、公平性を云々しても仕方がないくらいの仕組みがどーんとあって、それに翻弄されていたので(特にまたろうはw)、男女間の不公平とかに目を向けるゆとりがなかった、というのがもうひとつ。

この問題というのはつまり、都立高校はみんな共学なんだけど、高校ごとに男女別で定員が決められてて、そのそれぞれで点数順に合格になるわけで、合格者最低点には男女で開きがあるんです。女子のほうが高い場合が多くて、最大では「1000点満点で最大243点上回るケース」があったそうで、そりゃかなりの別世界なのでは!?

私の祖父は長いこと、小石川などの都立高の校長をしていたが、「入試のときは女子が難しいほうがちょうどいいんだ。女は後伸びしないから」といっていたとか(存命中は私がコドモだったんで、これは伝聞情報です)…今だったら炎上待ったなしだな…

まぁ明治男の言ってたという戯言は置いておくとして、今でも「女子は内申で稼ぐから」みたいなことを言う人はいるらしいけど、そもそも内申関係なく学力順で取りたいならそういう入試にするのが筋で、こんなのまったく理由にならない。第一、集団としてそういう男女差はあるとしても、内申を稼げないタイプの女子はどうしたらいいんだいったい。

毎日新聞の記事「都立高、合格点に差 「女子不利」見過ごし続け 小手先「是正措置」甘く」によれば、男女別枠をなくそうという話は何度も出ているがなかなか進まないそうで、理由としては
「都教委が20年に都立高と都内の公立中学の校長を対象に実施したアンケートでは、都立高校長の約8割、公立中学校長の約6割が男女別定員制を「必要」「どちらかと言えば必要」と答えている。校長たちが懸念するのは、男女別定員を廃止した場合、女子が増えて男女比の偏りが出て、教育活動や学校行事、施設へ影響が出るのではないかということだ。回答では、合同定員制に移行した場合の課題について、「トイレや着替え場所の確保」「学校行事の見直し」などが挙げられていた。」と、「校長」としては男女別定員制の支持が根強いようですね。

もちろん、枠をなくしてしまうと、入試結果によって「あれ、女子トイレが足りないよ」ってな場合もあるかもしれないけど、たいていの大学とか、高専とか、芸術系高校とか、男女比決めないで取ってるわけだし、東京都以外の高校だってそうやっているので、なにがしかの不便があるにしても、どうしてもできないってことではないはず。というか、地域の公立中は、区域内の子どもを男女問わず、比率がどうあれ受け入れてるわけですけど、いったいどうなっているのでしょう。

結局のところ、東京都の特殊性というのは私立高校の割合が大きく、そして私立は女子高が多いということらしい。平たくいうと、枠をなくして何でも点数順で取っていくと、一部の私立女子高は定員が埋まらず、一方で一部の男子は進学先がなくなるという懸念があるということのようです。(ともかく中学を卒業する子どもの数の分の席を用意しなくちゃいけないってことで)

しかし、私立高校の存続のために制度があるわけではないですし、そりゃ突然変えたら混乱しますけど、都立高校はだんだん格差をなくしていく…私立高校はそれぞれが自分の学校を魅力あるものにすることで生徒の獲得を考えてもらって、その中のひとつの選択肢としては共学化もありうるということでいいのではないでしょうか。

男女別定員のシステムについて、「どこぞの医学部の女子差別と違って、男女別枠は予め要項に明示してあるから問題はない」っていう意見もありますが、そりゃこっそりやったら問題だろうけど、堂々とやればいいのかって話でしょう。その「どこぞの医学部」が「男女比は7:3にします」とか宣言(募集要項に明記)しさえすれば女子のほうがうんと難しくてもいいのか。

あるいは逆に、東京大学理科一類とかが、「女子が足りなすぎるんで、2割(あるいは3割? 5割??)までは女子取ります」とかいって、合格点が男女でずいぶんな差がついたらどうなんでしょうか。

そもそも、大学とか就職は男女差別ダメで高校以下はいいの?

早稲田大学とか慶應大学とかが合格点を男女で差つけたらダメなのに(たぶん)、そこへ(ほぼ)100%入れる学校…慶應の中等部とか早稲田実業とか…が女子ばっかり超難しいのはいいの??

さらにいえば、女子校とか男子校とかはどうなの?? 公立の癖に(笑)男子エリート校やってるT駒とかアリ!?

…のように、話を拡げるほどわけがわからないのですが、とりあえず都立高校入試合格点の男女格差は解消の方向でいいですかね?? 維持する合理的理由はなさそう(急変を避けるというのは当然あるとして)

署名活動やってるサイトがあります→東京都立高校の男女別定員制を廃止し、 性別によって不利にならない入試を行ってください!

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聖マリ入試不正、差別の認識なし(キリッ)

2020年02月01日 | 大学受験
医学部の入試で男女差別してたのが話題になってたのって、2018年の夏くらいだったでしょうか。あちこちでバレたんで、あまり露骨なことができなくなって、その次がちょうどはなひめたちの学年の大学入試だったから、よかったかなと思ったものです(はなひめは医者志望じゃないけど友だちとかいるから)。

     にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記へ ←2018年度の一般入試で聖マリに受かった女子ってすごくない?

んで、みんながその話題から離れた今年になってようやく、聖マリアンナ医大について第三者調査委員会の報告書が出ました。
医学部「女子差別」を 第三者委に認定された聖マリアンナ医科大が“開き直り”

一次試験が400点(英語100, 数学100, 理科200)
二次試験が200点(面接100, 小論文100)
の600点満点というところまでが入試要項に書かれていること。

そこに「志願票・調査書」の内容を見て「総合的に」評価しているというのだが、ここが「調整可能(?)」なところで、

2015年度 配点80点、うち「男」点は18点
2016年度 配点80点、うち「男」点は19点
2017年度 配点160点、うち「男」点は60点
2018年度 配点180点、うち「男」点は80点

年々、「志願票・調査書」の配点をすごく増やしていますね。さらにその中の男子加点を増やしてますから…それにしても、80点ってそれ、8割得点できた英語が丸ごとふっとぶ勘定ですよ。

大学が「差別なんかしてないもん」って言ってるのに第三者委員会がなぜ差別(性別による一律加点)を認定したかというと、「志願票・調査書」の評価をするときに使ってたExcelシートに「男性調整点」ってカラムがあったとか(爆)、調整を認識してたことが明らかなメールがあったとか、性別年齢を隠してあらためて「志願票・調査書」を評価してもらったら入試のときとぜんぜん違った点がついたとかで、そりゃもうハイやってましたねってなものなのですが。

この明々白々な調査結果を受けて大学がなんといってるかというと
本学医学部入学試験に関する「第三者委員会」の調査報告書について(大学の公式ページ)

「本学といたしましては、一律機械的に評価を行ったとは認識しておりませんが、かかる報告を踏まえ、意図的ではないにせよ、属性による評価の差異が生じ、一部受験者の入試結果に影響を及ぼした可能性があったとの認識に至りました。」
(訳)…そんなつもりじゃなかったけど、属性によって評価が違うことがあったかも…一律とかじゃないよ!!

それで、当然この「点数調整」で落ちた女子も多かっただろうけど、それに対して、今から入学させてあげます的な措置ではなくて(もっとも、古い話だったりするし今から言われても困るかも)、なんと!!

「受験料6万円返します」(o_o) エーーッ そこ?? それだけ??

この開き直りっぷりはすがすがしい。「志願票・調査書」を個々の評価者が見るときに、「おぉ、ずいぶん本格的にスポーツやってたんだな」とかいう類の「心証」があるとすれば、同様の一つとして「おぉ、男子だ」ってのがあって、それがまぁ80点だったと。

だったらなんなのか、仮に上からの指示なしに評価者揃ってそういうことをやっていたとしたら、どんだけ統率とれたジェンダーバイアス持ってるのって。自慢にもなりゃしないんだけど。ともかく、大学がこれを差別と思わないっていうんだから再発防止も何もあったもんじゃない。

そもそもなんで、そんなに女子が嫌なのかといえば、実のところ、育児家事負担が女性に偏りがちなこと(仮に医師同士カップルであっても)、つまり昨日の記事の育休の話と深く関わっているといえます。

上から「差別やめなさい」というのはあまり効き目はなくて(たとえば調査書での調整をやめて面接で調整するとか、調整に使ったExcelは絶対痕跡が残らないように廃棄するとかになっちゃう)、「おぉ男子だ」(取りたい)というその本音が溶けて消えるくらいに、状況がじわじわ変わっていくというのが必要なのでしょうけれども…

じわじわ変わり終わるまでは、ちょっとぎこちなくても、露骨な差別だけはやめさせる(補助金カット)とか、育児する気がいまいちない男性でもとりあえず育休とらせるとか、できるところから形を変えてみるしかないですね。


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付属校推薦入試を敵視しても何も解決しない

2020年01月21日 | 大学受験
某所で話題になっていたので
大学入試「指定校・付属校推薦入試は即刻廃止を」と大前研一氏
を読んでみた。

     にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記へ ←入試をどうかすれば夢のように教育改革できるってのも幻想よね

冒頭には「迷走する文部科学省主導の「大学入試改革」につきあっていては、日本の大学入試制度は混乱するだけで何も得られない。教育の質を高めるには、どのような入試制度が望ましいのか、経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。」とあったので、国全体の施策としてどうすればよいのかの分析が展開されているのかとちょっと期待したけど…

中身は「現在の大学入試制度で、何よりも許しがたいのは私立大学の「指定校推薦入試」や「付属校推薦入試」だ。」で始まっていて…各私立大学がそれぞれ工夫している入試の話? まぁそれはそれでいいとして、

なぜ推薦入試が許せないかというと、推薦が(一般入試よりも)早々と決まってしまって彼らちっとも勉強せんからだという。どきっ。。確かに、うちの次男とか、高三の12月末に学部学科が決まったら、暇なので自動車学校に通ってましたけどね。

しかし「その結果、高校3年間で学んでいるはずの内容を全く理解していないので、大学の理系学部などでは数学の基礎が弱くて授業ができず、補習から始めなければならないという事態になっている。」とあるけど、別にそんなことはなくて、一般入試の人と同じかそれ以上、数学や物理はできるから授業でも別に問題なかったですよ。英語はちょっと…問題あるかも…(小声)

数学がダメで補習から始めなければいけないほどだとすれば、それは推薦が決まってから遊び惚けていたからではなくて(数か月余計に遊んだからってそこまで劣化しない)、もともと基礎学力のない人に推薦合格出しちゃったからでは?

どんな入試をして、どんな人を合格させるかは、大学の命運を握っている非常に重要なことなので、ここは各大学が知恵を絞ってベストを尽くしているはず。いろんな枠を準備して、選考基準をどうすればうまくいくか、考えたあげくのそういう推薦入試をしているということは、まぁ他の枠(たとえば一般入試)を増やしたからってそれよりマシな人材を取れないからやってるのではないでしょうか。

まぁ、とにかく入学者の基礎学力を確保したいってことであれば、全部をシンプルに一般入試枠(ペーパーテスト)にするという方針は理解できるけど、大前氏の主張はそういうことでもないようで、ここからさらにねじれていきます。

「そもそも日本の大学教育は、高校における文系・理系の選択が早いこともあって、オールラウンドに活躍できる人材が育ちにくい。幅広い教養と論理的思考力を身につけるリベラルアーツ教育も極めて貧弱だ。このため、関心分野が偏ったバランスの悪い人間が出てきてしまう。」…じゃ、文系・理系の選択が遅くてリベラルアーツ教育もさかんな付属校ルートなんてバッチリじゃないですか。

入試をいじることで高校以下の教育が変わるかどうか(どう変わるか)もそんなに明らかなつながりがある話ではないと思うけど、大前氏の主張は「日本人が世界で互角に戦えるようになるためには、語学に加えて、セオリー・オブ・シンキングやリーダーシップを身につけることができる教育にゼロベースで転換しなければならない。その契機となるのが真の大学入試改革…」とのことなので、ともかくそういった変化が高校までの教育にもたらされるためにはどういった入試にすればいいのかと。

大前氏の別記事があった:
大学入試は卒試・書類・面接の3段階選考にすべきである

これによれば、
「卒試」…高校卒業資格センター試験。高校まで12年間の教育内容をきちんと理解したかどうかを検証するもので、英語、国語、地理歴史、数学、理科などの受験科目だけでなく、音楽や美術も含めた全科目で、学習指導要領を司っている文科省が責任を持って全国一斉に行なう。
「書類」…受験生が自分のプロフィール(高卒資格センター試験の結果、内申書、ボランティア活動や社会貢献などのレポート)を志望大学に提出する。大学側はそれを独自の選考基準によってふるい分け、自分たちが受け入れたいプロフィールの学生に受験資格を付与する。
「独自入試」…(ペーパーテストもよいが)面接試験を実施することだ。21世紀は答えを覚えたかどうかではなく、答えのない世界で自分なりの答えを導き出して道なき道を切り拓いていけるかどうかが問われる時代だから、そのポテンシャルを人間性も含めて判断するためには、面接試験が必須なのである。

となっている。たとえばセンターレベルの試験で6割取ることが卒業要件であるってことになると、まぁいいたかないがそれをクリアするために全国の高校生が必死に勉強してくれるわけはなくて大量に卒業できない事態になりそうだ。大前氏もさすがにそれはわかるらしくて、試験クリアできない人には補習をして卒業させると書いているけど、じゃ、結局やっぱり基礎学力の担保はできないよね。

ところで、高校卒業資格センター試験なるものを実施するとなると、もちろん記述とかは無理で全部マークシートにするとしても、受ける人数が現状のセンターよりはずいぶん多くなり、音楽や美術など科目も増え、かつ何度も受けるイメージ、ということは作業量がどれだけ増えるのか…!? ずいぶんな体勢を整えないと無理だと思うけど。

それと、全員にポートフォリオ出させてとなるとそれを読むのだって大変だけど、面接試験必須っていったい、どれだけの量の面接を(それもポテンシャルと人間性を判断できるような)するつもりなのか、そりゃ今回ぽしゃった記述よりずいぶん無理でしょ。と思うと大前氏はこんなことを書いている…

受験生数が多くて先生が足りない私立大学の場合は、自校OBに協力してもらえばよい。

…いやいやいやいや…文科省の共通テスト構想よりさらに無茶いってるよこの人…
いったい寄せ集めで面接して「ポテンシャルと人間性」を判断されちゃう側の身になってみてよ。

こんなでたらめな内容でも、エライ人が書くと週刊誌に載っちゃうんだね。それとも、炎上商法かな…

要するに、「一括で」込み入った入試(記述とか、ポートフォリオとか、面接とか)しようとすると実務上破綻するので、
現状は、各大学が工夫を凝らして、学力重視の一般枠、自己アピール重視のAO枠、高校できちんとやってたこと重視の推薦枠、とか各種取り交ぜてベスト解を探ってるわけでしょ。それ以上のことってないと思うの。

そして、国全体としてはセンター試験みたいな、一律に基礎学力を測るテストを準備している。

何かこれ以上のことができるんですかね? やれるとすれば、それこそ
----- 最後の段落
少子化が進む日本の大学は、これから格差が拡大する。そして、その優劣は入学させた人材の優劣に依存するはずだから、生き残っていくためには優秀な人材の“原石”を入試で見抜く努力を怠ってはならない。各大学はそういう覚悟を持ち、文科省任せではなく、自ら入試改革に取り組むべきなのだ。
-----
ここだけは同意。本気で入試方法を、そして入試問題を磨くべし。

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大山鳴動して鼠一匹…も出てこない(入試改革)

2019年12月17日 | 大学受験
やはりというか大学入試共通テストの記述問題もなくなるとのことで、

     にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記へ ←いじるほど悪化していく入試かな

振り回された受験生(と親)は気の毒としかいいようがなく、
正直いって「うちの子の受験が済んでてよかった(←利己的)」と思ったり

「大学関係者との価値観の共有、時間的に足りなかった」大学入試共通テストの記述式導入見送りで萩生田文科相

というか最初から「無理」「無駄」ということがわからなかったのか大変不思議である。エライ人たちがよってたかって考えたんだろうにねぇ。よってたかりすぎたのかな。

---- 公平な採点
採点の質については事業者との約束の中で、先方は“やる、やれる”ということを言っているので、それを評価をして入試センターも応札し、契約しているわけだから、そのことを今から否定することはできないと思う。だだ、国会での質疑にもあったように、現時点でどういう人が採点するのか説明してくれと言われても説明ができないのは先方も認めているところなので、これも不安解消の一つになっていないと判断をした。
----

大規模・新規に実施するものを公平に採点しようと思ったら、そりゃガチガチに正答が決まるような「記述」問題にしなきゃいけなくてマークシートで十分問えるくらいの思考力しか測れなくなる。そのうえコストも時間もかかる。あほらし。

たとえば東大入試の、あの長大な記述がある(というか記述しかない)入試の採点がどこまで公平に行われているか、細かいところはどのみちわからないんだけれども、この場合、

要するにどのくらい賢く採点するかでどの学生が入ってくるか決まるわけで大学のown riskである(アホな入試をすれば自分とこの大学がダメになる)

からこれで済むのだ。自分のところにほしい学生が見分けられるように、全力で出題して全力で採点する、それだけ。

一方、学生は、まともな入試ができていると思える大学を受ければよくて、もしアホな入試をしてると思う大学があるならそんなところは受けなくてよい。

けど共通テストは好みや信頼度で選べるわけじゃないから。

---- 各大学で採点
今回の問題についてもそうだが、英語の中止以降、大学の皆さんの対応を見ていて、大学関係者のみなさんとの価値観の共有に、やや時間的に足りなかったと思っている。記述式が大事だとおっしゃっていただける各大学の先生方も大勢いらっしゃるが、自分たちの大学では問題は作らない、採点はしないというのは、ちょっと私個人は腑に落ちないところがあるので、この点は今後検討を加えた上で、ぜひ必要だと認めていただけるんだったら、例えばセンターの知見を使って、何種類か作問することは可能だということは確認できているので、問題は提供するので、採点は各大学でやっていただくことも、一つのツールとしては可能なんじゃないか。
----

なんか不思議なことをいっている。記述式が大事だとかいいながら、問題は作成しない、採点はしない(→共通テストの中で記述をやってくれ)という大学があったということだろうか? ほしい学生を選抜する基準も自分で作れない、そんな情けない大学はつぶれちゃえばよくない??

それに、記述というのは出題は簡単(問いたいことをそのまま問えばいい)で採点は面倒という性質のものなのに、センターが作問して採点は大学ってのも変な話。

学力が測れるようにマークシートで解答できる問題を設計するのはたいへん、だけど採点は機械的にできるからこそ全国一斉でやるメリットもあったんじゃないの?

このわけわからん文科相コメントを読むに、まだまだこれから迷走するのかなぁという感じでほんと暗い気分になる。

そもそも入試改革って何がしたかったんだっけ…

・業者を儲けさせる
・格差を広げる

以外の意図が見えない…


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