十年ちょっと前に出版された本で「食器洗い機は絶対に人生を変える」(百瀬いづみ著)というのが手元にあるのだが、本棚の整理をしていてものすごく久しぶりにこの本を手に取った。
←古本屋行きの本、もうすぐひと箱分まとまります(たぶん)
元々、百瀬さんにお会いしたことがあるので買った本といってもよく、自分にこの手の本が必要だと思って買ったわけじゃないんだけど。「この手の本」ってつまり、家事の合理化、工夫の話ね。
家事の工夫の本なら星の数ほど出ているけれど、「いやー、そこまでようやらんわ」というような、きちんとやる系家事の本が大半である中で、この本は、お金よりむしろ時間がほんとに貴重品である家庭の中で、どのように家事を片付けると快適に暮らせるか? を徹底追究したもの。
そういう意味で、この本は希少価値がある本なのだけれども、というか希少価値があった本なんだけれども、あまりにも路線がジャスト私向きであるために、あんまり新しい発見がなかったというものだ。私も、体面も見栄もなく、必要に迫られる部分だけの家事をなんとかやってきて、これ以上省けるところはないくらいのところに来てたからね…
なにしろ、この本の中でかなりのページを占めている「掃除」の工夫。我が家では掃除自体を、シルバー人材センターにお願いしてしまっているのだから、この本に盛り込まれている具体的な工夫が改めて生きないのは当たり前です。
この本は、実用書として非常に優れていて、どんな道具をどういうふうに使うと省力化・快適化できるかということがとてもわかりやすくまとめられています。例えば、説明書的には「乾燥機を使わないで」になっているものでも、どのくらい割り切ればどのくらいつっこんでいいかとか、快適さと手間とお金と、自分が求めるバランスを追求するにはどうしたらいいかが具体的にわかるように書かれています。
それはよくわかっていたんだけど、今回あらためて読み返してみたら、この本で一番価値がある部分というのは、「家事に自分のアイデンティティーを求めないという発想の転換」だったのだということに思い至りました。
つまりどういうことかというと、この本は本当に「食器洗い機」で人生が変わる人に一番必要なことが書かれているのです。「家事の省力化をすることが後ろめたい」。しかも、少なくはない金額を費やしてまで。あるいは、食器洗い機では結局あんまりきれいにならないんじゃないの(手洗いのほうが家事として優れている)という主張。そこを乗り越えて、導入してみて、やっぱりよかった、生活にも定着したということがあると、たぶんそこを皮切りに、いろんなことが変わってくるのです。
私は食器洗い機を使っているし、便利だと思っているけど、食器洗い機を使うことに後ろめたさを感じたことはまったくないし、導入前だって別にそこにひっかかってたから買っていなかったわけではない。買ったからといって人生も変わらなかった(^^;;
もちろん自分を基準に「ふつう」を考えると、見誤ることがあるだろうけど、私の世代以下で、「家事の省力化をすることが後ろめたい」という縛りを持ってる人はどれだけいるのだろうか? 百瀬さんと私の世代はほとんど違わない…10年と違わないんだけれども、ここらへんで例えば5年違うと、その差は案外あるのかもしれない、とちょっと思った。
そっか、やっぱり、この本は私には必要ないな。と、処分するふんぎりがついたんだけど。つまらない本ならすぐ捨てられるけれど、中身がしっかりしておもしろい本だと、ものすごーく検討して納得しないと捨てられない。一冊捨てるにもこんだけごちゃごちゃ考えて(しかも読み直して)。かくして本棚はいつもぎっしり(-_-;;
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元々、百瀬さんにお会いしたことがあるので買った本といってもよく、自分にこの手の本が必要だと思って買ったわけじゃないんだけど。「この手の本」ってつまり、家事の合理化、工夫の話ね。
家事の工夫の本なら星の数ほど出ているけれど、「いやー、そこまでようやらんわ」というような、きちんとやる系家事の本が大半である中で、この本は、お金よりむしろ時間がほんとに貴重品である家庭の中で、どのように家事を片付けると快適に暮らせるか? を徹底追究したもの。
そういう意味で、この本は希少価値がある本なのだけれども、というか希少価値があった本なんだけれども、あまりにも路線がジャスト私向きであるために、あんまり新しい発見がなかったというものだ。私も、体面も見栄もなく、必要に迫られる部分だけの家事をなんとかやってきて、これ以上省けるところはないくらいのところに来てたからね…
なにしろ、この本の中でかなりのページを占めている「掃除」の工夫。我が家では掃除自体を、シルバー人材センターにお願いしてしまっているのだから、この本に盛り込まれている具体的な工夫が改めて生きないのは当たり前です。
この本は、実用書として非常に優れていて、どんな道具をどういうふうに使うと省力化・快適化できるかということがとてもわかりやすくまとめられています。例えば、説明書的には「乾燥機を使わないで」になっているものでも、どのくらい割り切ればどのくらいつっこんでいいかとか、快適さと手間とお金と、自分が求めるバランスを追求するにはどうしたらいいかが具体的にわかるように書かれています。
それはよくわかっていたんだけど、今回あらためて読み返してみたら、この本で一番価値がある部分というのは、「家事に自分のアイデンティティーを求めないという発想の転換」だったのだということに思い至りました。
つまりどういうことかというと、この本は本当に「食器洗い機」で人生が変わる人に一番必要なことが書かれているのです。「家事の省力化をすることが後ろめたい」。しかも、少なくはない金額を費やしてまで。あるいは、食器洗い機では結局あんまりきれいにならないんじゃないの(手洗いのほうが家事として優れている)という主張。そこを乗り越えて、導入してみて、やっぱりよかった、生活にも定着したということがあると、たぶんそこを皮切りに、いろんなことが変わってくるのです。
私は食器洗い機を使っているし、便利だと思っているけど、食器洗い機を使うことに後ろめたさを感じたことはまったくないし、導入前だって別にそこにひっかかってたから買っていなかったわけではない。買ったからといって人生も変わらなかった(^^;;
もちろん自分を基準に「ふつう」を考えると、見誤ることがあるだろうけど、私の世代以下で、「家事の省力化をすることが後ろめたい」という縛りを持ってる人はどれだけいるのだろうか? 百瀬さんと私の世代はほとんど違わない…10年と違わないんだけれども、ここらへんで例えば5年違うと、その差は案外あるのかもしれない、とちょっと思った。
そっか、やっぱり、この本は私には必要ないな。と、処分するふんぎりがついたんだけど。つまらない本ならすぐ捨てられるけれど、中身がしっかりしておもしろい本だと、ものすごーく検討して納得しないと捨てられない。一冊捨てるにもこんだけごちゃごちゃ考えて(しかも読み直して)。かくして本棚はいつもぎっしり(-_-;;
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