アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

10歳と15歳、二つの「木枯らしのエチュード」

2018年05月31日 | ピアノ
Rayくんの話を記事に書いたきっかけで、昔のRayくんの演奏動画を見ました。

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ピアノWeb発表会に参加してくれたときのショパンノクターン遺作と、その二年後の木枯らし。

Ray Ushikubo Chopin Etude Op.25 No.11 Winter Wind

10歳が弾く木枯らしのエチュードですよ…すごすぎ(o_o)

背の高さ、手の大きさなど、このときの身体的条件と、
大人向けサイズしかないピアノというもの、
この組み合わせでこの曲を弾くことは想定されていないと思うのだけど。

強い音を出したいときはほとんど立ち上がって全身を使い、ねじ伏せるように弾いています。

立ってないときでも、腕はかなり上の角度から下げて、めいっぱいの重みを生かせるように弾いています。

かなり無理があるようにも思うのですが、まったく淀みなく弾き切っています。よくこれで弾けるなぁほんと…

そして去年(15歳)の木枯らし。
Ray Ushikubo plays Chopin in studio on Performance Today

こちらは、体のサイズ的にも無理がなくなって、自然なフォームで弾いています。

ナントカ奏法とか、曲げた指伸ばした指みたいに、ピアノの弾き方にもいろいろ流派(?)があると思いますが、Rayくんの弾き方はかなりオーソドックスというか、とっぴなところはなく、ごく理に適った弾き方をしているように見えます(聞こえます)。

体が小さすぎるときに、超難曲を「力でねじ伏せるように」弾いてしまうと、手を傷めたり、変な弾き癖がつくような心配もあって、そういうことはさせないという先生も多いのではないでしょうか? 非常にもっともな心配だと思うのですけど。

Rayくんの場合、8歳~10歳のころの体全体で弾くようなフォームから、現在のフォームへと、体の成長に合わせてすんなりと問題なく(かどうかは知らないのですが)ちゃんと洗練されていっていますが非常に不思議な気がします。これって誰でもそうなるというものではないのでは??

ただ、8歳のノクターンや10歳の木枯らしを見ても、とにかく本人の中に表現したいものがしっかりあって、それが限界ある体をめいっぱい使って表に現れているということは感じます。弾き方に無理があるようにも見えますが、よく見るとある意味では理に適っているというか、この体格でこう弾くにはこの動きをするしかないということからいえばパーフェクトなのかもしれない。


我々趣味ピアノの大人が実力オーバー曲を(勝手に)弾く場合にも、手を傷めたりしないか、変な弾き癖がつきはしないかと、先生方は心配していると思うのですが(^^;; まぁこじらせようが自己責任ですけど(大人ですから)、無理はするにしても怪我をしやすいやり方とそうでないのとあると思うんですよね。

・まずは表現したい音楽が先にあること(パワーの誇示とかではなく。耳で聞いて嫌な弾き方はしない)
・むやみに長時間弾かない(Rayくんの場合、ピアノとバイオリンが半々なので、ピアノ専門にやる人のわりに弾いてる時間が短い)
・理に適った動きをする(無駄な無理はしない)

というあたりは参考になるんじゃないかと。(いや状況はまったく違いますがね)


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妄想でなく死神みえちゃう転調

2018年05月30日 | ピアノ
さて、おゆき先生が背後霊になって「ここでものすごくいやらしい感じで」とか言ってたって話についてですが、これは別におゆき先生の妄想に基づいてプロンプターしてるわけじゃないんです。

    にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←妄想するよりまず楽譜読もう(笑)

アナリーゼするというと、楽譜にせっせと漏れなくローマ数字を書き込んでいくイメージですが、そして私はその技能がないのですが、まぁそれはともかくこの死神のいやらしさが表れる個所というのが、まぁ「なんかある」ってことはわかります。



この「sanft」のところですけど、いきなりシとレにナチュラルがついてますね。
聞いた感じはというと、そこまで二小節、あくまで明るい感じだったのが、「えぇっ」て感じになります。

明るいとか暗いとかでいうとどっちなのかよくわかんないんですが、ともかく「ざわっ」とします。

歌詞はというとsanftというのが「穏やかに」くらいの意味らしいですけど、
死神から
「腕の中ですやすやと(sanft)眠らせてあげよう」と言われたらそりゃー「いやらしい」ですよね。

元々、死神パートは
「手を出しなさい、美しいかよわい子よ!」
重々しく暗い感じで始まるのですが
「私は味方だ、罰を与え(strafen)に来たのではない」
のstrafenで明るく変わるんです。

明るいといっても死神ですから猫なで声の偽りの明るさ、穏やかさ

その中でちょっと本性がかいま見えるのがsanftのところなのかなと思います。

この音だけではどこに向かって着地するのかわからないのですが、schlafen(眠る)のところでしっかり終止して、着地点では長調です。

このまま「穏やか」な感じを二度繰り返して曲が終わりますが、
そこでは要するに死神の腕の中ですやすやと眠ってるわけで(=死んでる)


そんな感じに、転調とか終止とか…
そういう、楽譜に書かれたとおりのことを総合して読み取って、
死神が見えてきて、
それを生かして弾く(表現する)んですね。

で、そういったことを自力で「読む」ことができるかって話なんですが、
だいたい「こうかな?」と思うことは当たることが多いような気がしますが(聞いたとおりというか)
実はどこで「転調」なのか、リクツのうえではっきりわかってないんです私は。

臨時記号付いたら転調の印かっていえば、
ついてても転調の印じゃないのがあると思うし、
「あれれ?」と思ってもどこへ変わったのかわかんないことも多いし

ざっくりぼんやりしてます(^^;;

というわけで節目節目で背後霊を召喚して(←レッスンともいう)練習するわけですな。


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ピアノとバイオリン、どちらかなんて選べない

2018年05月29日 | ピアノ
…もちろん、私のことなんかではなくてですね…

    にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←ピアノとバイオリンときて指揮もしたら千秋の完成

私はピアノとバイオリンの両方を習ってますけど、バイオリンのほうはハラホロヒレハレで(o_o) ピアノだけにも時間を取られすぎててどうにもなっておらず、たまに弾くと「音程の悪さに泣きて三ページ進まずorz」という感じです。

どちらかを選ぶとしたら断然ピアノ(楽しめる)ですが、でもバイオリンがあることでピアノの楽しみが膨らむ部分もあるし、バイオリンはアンサンブルのしやすさという魅力もこれはこれで捨てがたく…

まぁ気長に両方続けるとは思うのですが。ピアノとバイオリン、均等ではなく、あくまでピアノメインです。


しかしRayくんは5歳のときにのだめカンタービレの千秋に憧れて両方ずっと続けて(←彼が8歳のときから私の推しw)16歳の今ではカーティス音楽院にピアノとバイオリンのダブルメジャーで合格してます。二つの楽器の専攻は30年ぶりとか。ある意味千秋を越えたか(千秋はピアノ科でしたね。日本の音大にはふつうダブルメジャーなんてないだろうけど)。

RayくんがLos Angeles Philharmonicと演奏したグリーグのピアノ協奏曲が全米ラジオ放送されたそうで、webでも聴けるようになってました。

NPR’s From the Top with Host Christopher O’Riley: Los Angeles, California / Show 354
Friday, March 9, 2018 at 10:00 AM | Disney Hall | Presented by LA Philharmonic


ページの左ペインにあるListenのところから「Ray Ushikubo, piano」をクリックすると音声が流れます。
ラジオ放送用のショートバージョンだけど、かっこいい♪

インタビューもちょこっとついてて、Rayくんはのだめの千秋に憧れて云々の説明をしています。
それから、司会の人に、「ピアノとバイオリン、どちらか選びなさいよ、って言われませんか?」と聞かれて、

いやもうしょっちゅういわれています。選ばないと数年以内にムリになるよって。
でもそれ数年前からずっと言われていて、
今でもまた、選ばないと数年以内にムリになるよって言われているのでもう…

どちらも好きなのでとりあえずは両方続ける、とのことです。

続けるといっても趣味の話じゃないので、そりゃもう時間のやりくりもたいへんでしょうけど、
両方やることで開けてくる世界というのもあると思いますし、
Rayくんがどこまでいくのか見てみたいです。

2010年にこのブログでWebピアノ発表会「見開き2ページの世界」というのをやったのですが、そこに、8歳のRayくんがショパンノクターン遺作で参加してくれてます。足台も使って手も腕もめいっぱいな感じがかわいい(*^-^*) このときも確かにうまいけど、ここまで大化けするとまではわからなかった。遠くにいるしただの1ファンだけど近所のおばさんの気持ちで応援しています。


Rayくんのお母さんが書いているブログ記事
LAフィルとの共演が放送されました。



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シューベルト伴奏練習

2018年05月28日 | ピアノ
シューフェスまであと三週間。
#シューフェスというのはシューベルト祭りのことですが
#そういやシューフェスじゃシューマンだかシューベルトだか区別つかないね(^^;;

    にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←歌の伴奏めっちゃ楽しいよ。どきどきだけど

ということで、昨日は海実さんに来てもらって歌との合わせをしました。私にしては余裕もった日程ですな。どや。。

いやはや、日程というのは何事においても、余裕持たせるべきですよ、ほんとに!!

昨日判明したことは、まさかの「調違い」。「死と乙女」が、私の練習していた楽譜と、海実さんが歌うつもりの楽譜で違っていたんです(o_o) 私が練習してたのはフラットひとつ、海実さんのはよっつ。ま・じ・か…

海実さん「ほんとにごめん!! 前にやったことあるような気がしてたー」(←注: やったことあるのはきーちゃんさんです)
私も…いつも同じ本(ドイツ歌曲集(1))から選んで歌ってもらって大丈夫だったんで、確認を怠りました(o_o)

なにしろ三週間前なので練習は間に合うと思いますが、せっかく来てもらったのに合わせができなくてはね。

慌てて楽譜のコピーをとり、おゆき先生と海実さんのほうの合わせを先にやってもらって(めるちゃん使用)、その間に私はやまちゃん+ヘッドホンで音取り(-_-;;

最初、そんなんいきなりムリ~と思ったのですが、音を逐一楽譜から拾おうとしないで、頭の中に音を流してそれを聞いたまま弾くみたいなことに頭を切り替えたら案外そこそこ弾けました。なんかおもしろい感触。

さて、気を取り直して、合わせる曲は二曲で、「アヴェ・マリア」と「死と乙女」。

「アヴェ・マリア」のほうは前にやったことがあるので、合わせてみるとそんなに大きな問題はなく、ただ
「テンポはジャストそのくらいでいいので、でもところどころもうちょっと『待って』ほしいかな」
とのことで(発音が忙しいところとか入らない)、
「もう一度最初からやってみて、随時とめながらいくね」

で、弾いてみたら、一番丸ごと歌い終わっちゃって、
「あれ…今度はちゃんと合わせてくれてて止めたいとこがなかった」と海実さん。

「ハイ今度はちゃんと歌を聞いて弾きました」と私。(←最初っから聞けよ)

だって~「アヴェ・マリア」の右手、細かい音形ずっと続いてもう必死なのよ。ふと意識が途切れて事故るし…さすがシューベルトさん安定の弾きにくさです。何回か合わせてると時々崩壊するんだけどその個所は確率事象って感じで。

「とにかくベースの音は死守で!!」(右手が多少どうあれ進むけど、左手が違うの弾くと破壊的)

さて、問題の「死と乙女」は初挑戦です。実は、海実さんのほうから「野ばら」のほうが無難じゃないか? という指摘があったのですが、ちょうどぎりぎりエントリー締め切りでもう変更できなかったんですよ。

「死と乙女」は、弾く(音を並べる)のが難しいというのではなくて、死神パートをちゃんと死ぬ感じで弾くのが難しいです。歌がずっと同音で続いているところ、こちらの和音が絶妙に移り変わって雰囲気が作られます。歌詞との連動も見事なつくりです。

最初合わせてみたときは、転調したのもあって必死で音を探しているので、ぜんぜん死神じゃない感じで弾いていたのですが、ようやく音がだいたいわかったところで、おゆき先生がすすすと脇に寄ってきて、
「ここでものすごくいやらしい感じで」
「ここで完璧にあぁ死んだなって感じで」
と、ジャストなタイミングでプレッシャーをかけまくってくるので、ひーーと思って必死に対応していると、なるほど死神らしくなってきました。

海実さんも「そういうふうに弾けるならぜんぜん(死と乙女で)問題ない」「アンダンテさんうまくなったよねぇ」といってくれて…すごくうれしいな、指がちゃかちゃか動く系ではまったくない何かの軸。

ただし横におゆき背後霊がついてれば、だが(←当日はおゆき先生いません)

自力でがんばりマス。


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苦手曲改善に向けて

2018年05月27日 | ピアノ
昨日は特別練習会…何をもって「特別」かというと、事前に曲を知らせておいてプログラムが配布されるという練習会と発表会の間のような会でした。

    にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←勢い止めないで行っちゃえー

私が弾いたのは
シューベルト 楽興の時第五番、第六番
シューマン 子供の情景1~7(トロイメライ)

20分の持ち時間を自由に「リハタイム」「本番タイム」に分けていいので、5分リハタイム15分本番タイムとして申請したのですが…これ、練習できてないときにざっくり申請したので…

いざ、時間を測ってみたら15分じゃ終わらないことが判明しました(o_o)

子供の情景は削りようがないので…

やはりここはいつもながらまったりした長さのあるシューベルトさんに調整をお願いしようかと

第六番は、たった2ページですが真面目に弾くと(繰り返すと)7~9分かかるんです。繰り返しを省いたとしても、AパートからBパートいって、ダカーポでAパート全部弾くと結構長いです。そこで、Aパートの冒頭と同じ音形が出てくる箇所にワープすると

…あらちょうどいい時間に。

これ禁じ手だと思いますが(o_o)
すまーして弾いたら誰からもツッコミ入りませんでした。

いただいた感想としては、「アンダンテさんが鬼ごっこ(子供の情景の3番)弾くんだ、なんか意外」というのがありました。そうなんです、私はいつも忙しい曲を避けて通ってるので、ふだんはこういうの弾かないんですよ。

でも、この13曲からなる曲集の、考えに考えて構成されつなげられたところを汲むとどうしても全曲通しで弾いてみたくなり、そうするってーと、自分の苦手が避けて通れないというわけです。シューマンにすっかり、してやられたぜ…

でも、練習してるうちにこれはけっこう好きになってきて、思ったよりなんとかなりそうかなって。

苦手といえばもうひとつ、楽興の時の第五番ですが、これはほんとに鬼ごっこよりどうしようもない感じで、リハタイムに弾いてみてはやれやれどうしたもんかみたいにしてたら、いつも頼りになるご意見番のくさぴあさんが「それ、とにかく違う音を弾いちゃっても勢いのままでずーーっと止まらないでいかないと何の曲だかわからないわよ」と忠告してくれました。

いやあのね、私もそう思うんですがそれが難しいんですよ。

まぁでも、本番タイムでは極力弾き直しをしないぞーと思って突っ走ってみました(といいつつけっこう止まったんだけど)。そしたら本人比ややいい具合になったみたい…途中で音がわけわかんなくなってるとこあるけどな。

発展途上楽興の時第五番

くさぴあさん「雰囲気そんな感じでOK。たぶん間に合う」(←希望的予言)

ということで、勢いで苦手曲選んじゃうとか、全曲弾きたくなっちゃうのもたまには味というか。克服に向けて一歩一歩。


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