アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

本番に強くなる五箇条

2011年08月30日 | バイオリン
浜離宮コンサートを終えて先生が「みなさん本番に強いですねぇ~」。

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そりゃ、リハでは「ひやっ」としたものねぇ。というか、なんか練習全部通して、本番が一番よくなかったですか?? カノンは練習でもわりといいのがあったと思うけど。とにかく両方とも、本番はほぼベストだった。

ピアノのソロの発表会で、本番が「普段よりむしろうまく弾けた」なんてことが、いまだかつて一度でもあっただろうか。いやない。

ということで、せっかくなので、忘れないうちに、本番でうまくいくコツを勝手にまとめてみましょう~

(1) 信頼できる仲間がいる
…これは大きい。孤立無援の状態で一人、ステージに上がるのと、「では、いきましょうか」。信頼できる仲間と上がるのでは気持ちは雲泥の差。緊張も、ほどよい程度におさまるというものである。そう、まったく緊張してないわけじゃないけど、むしろまったく緊張してない練習中は注意散漫によるミスとかもあったりする。集中がちょうど高まる程度の緊張を。

ま、ピアノでこういうわけにはいかないけれども。思い返してみると、ピアノで、(大人になってからで)本番が練習よりよかったということが一度だけあり、それは、るんちゃんママさんと連弾でラフマニノフの「ピアノ連弾のための六つの小品」より「ロシアの歌」を弾いたとき。

ソロを弾く場合であっても、何度かお互いに練習を聞いているような人が何人か、舞台袖、客席にいたりするとちょっといいみたい。

(2) 具体的な心配をする
今回の気持ちの特徴として、すごく心配の中身が具体的だっていうことがあった。昨日書いた「罠」というやつである。ただ漠然と、「あぁ~うまくいかなかったらどうしよう」みたいなのではなくて、「ここはズレやすいんだよな」というような、中身の定まった心配があった。

リハがうまくいきすぎなかったからよかったという言い方もできるけど(^^;; 意識して対処できる問題点があるというのはいいことかもしれない。

(3) その場で響きを楽しむ
今回よかったのは、とても響きのよいホールだったということ。これは選べないことが多いだろうけど、気持ちだけでも、今、出している音を聴く。カノンのとき、練習ではたいてい走りがちだったけれども、本番ではとてもお互いによく聴いていて、テンポキープもばっちりだった。

この間の「音楽の星座」とか、あと「ピアノと戯れる会」とかでも思ったのだけれど、響きのよいホールにはほんとに助けられる。自分が出した音にうまく耳を傾けている間はいい感じで弾くことができる。ただそのあと、小ミスをきっかけに舞い上がっちゃったりするとうまくいかなくなるんだけれども。

(4) ほどよく一杯入れておく
本番直前の昼食時、グラスワインでかんぱーい♪ 参加者の半分くらいが飲んでいたのか? あれはちょうどいいぐあいだったような。

ま、あの状況(アンサンブル)ならなくても問題はなかったような気もするけど、ピアノでは特にがちがちになりやすいので、ワインを一杯飲んでおくと違う。手がこわばって思ったところに当たらなくなるような事態を回避できる。けどふつうなかなか飲める状況にないんだけど(^^;;

私がそのことをコメントしたら、ピアノの先生が「それはやめたほうが…」と忠告してくださった。プロの奏者として、あるいはコンクールを受けるような場合に「一杯ひっかけて」というのはありえないと思う。だって、運動性能は微妙なところでどこか劣っているはずだからね…でも、そういうレベルの問題じゃなくて、「頭まっしろ」「手ががちがち」を避けて前向きな高揚感で弾ければいいわけだから、検討の余地はある。

体質によって効果には大差あると思いますので、ご自分の体と相談して。

(5) 練習しておく。でも練習不足でもそれはそれ
いやこれが案外ネックだったりして。でもよく練習してあるときがうまくいくとも限らず、どのみち万全に練習できるほどの状況であることは滅多にないので、あるがままに受け止めて、(2)の具体的な不安につなげればよいと思う。練習した結果よりよく見せようとかしてきばらなければそれでよいのだ。


さてどんなもんだろう…

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響きのよいホールでモルダウとカノン

2011年08月28日 | バイオリン
さていよいよ浜離宮ホールです。

   にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ←よいホール、よいアンサンブル、最高(^-^)/

昨日の練習では仕上がりはまずまず、いくつかの「危険な罠」をクリアすればいけるだろうと。

モルダウの罠:
(1) 繰り返しの罠
楽譜が二ページにおさまっていて譜めくりがいらないのはよいが、繰り返しがやたら複雑で、これを間違えるとイタイ。特に、最後のコーダに飛ぶところは注意!! 伴奏の盛り上がりに気をつけていれば忘れずにコーダに飛べる…かもしれない。

(2) 拍子カウントの罠
冒頭に戻る直前、静かに消えていくところを数え間違えやすい。ここのソがずれると地味に気まずい。

(3) 盛り上がりの罠
コーダ後半、ぐおーっと盛り上がってくるところでいきなり走るとバラバラ大事件に(o_o;;

カノンの罠:
(1) 出だしの緊張の罠
冒頭、緊張すると3ポジのファ#がずれたり、かすれたり。これは目立つ。

(2) 細かい音符の罠
32分音符のところ、そもそも速くなると弾けないわけだが、なんか指が制御できてなくて「転ぶ」と余計速くなっちゃうのである。「カノン」でどんどん協力して速くなってくと怖いよ。

(3) 拍子カウントの罠
32分音符から急に八分音符になるところは危険ゾーン。特にそれが裏拍に変わるところ。

午前中のリハのとき、特にモルダウの罠(3)にずっぽりはまってさぁ大変。いや大丈夫なんだろうかこれは??

しかし、ホール自体の音響はまことにすばらしく、音がきれいに合ったときの気持ちよさは天下一品ですよ。
あぁ、ここでピアノも弾きたいなぁと思ったり思わなかったり(すごい緊張しそうだから…)やっぱり思ったり(^^;;

バイオリンでも緊張しないわけではないけど、アンサンブルはピアノソロに比べたらはるかに平常心で弾けます。しかも今回はメンバーがよくて、なにしろモルダウのほうは、人数合わせにより、2ndの端を務めるのは我らが中川先生ですよ。昨日の練習のときあらためて思ったんだけれど、隣で上手な人が弾いていると、自然と弓の動きをまねしているだけでなんかうまく「見える」…うまく「聞こえる」ともっといいけど。

カノンも両脇をがっちり安定感のある弾き手に支えられ、とても弾きやすい。ちょっと自分がうまくなったような錯覚に陥ります。

リハが終わって、近場へ繰り出しみんなで昼ごはん。でたらめに入ったカフェがなかなか当たりで、パスタランチやカレーランチにフリードリンクとサラダがついて880円。私はカレーを食べたけど、シーフードとほうれん草が入ってなかなかおいしかった。フリードリンクがついてるのにあえてグラスワインを頼み、乾杯(前祝い?)する私たち(笑) だって、一杯入れといたほうが実績いいからねぇ。

発表会が始まってからは、分刻みのスケジュールで音出し室が割り当てられているので、練習して~出待ちして~本番出て~と、なかなか忙しい。モルダウを弾いたあとに、「やっぱり客席で聴きたい!!」と客席に入っていくと、あらちょうど「これから20分間の休憩」だって。あらら。でも、きーちゃんさんとお会いして休憩いっぱいお話しできたのでよかった。

休憩時間が終わると、あら結局そろそろカノンの練習じゃない、ってことで結局落ち着いて聞けなかった(-_-;;

という具合で、ほかの演目はほとんどリハとかしか聞いてないんだけど、ピアノソロのほか、「ソプラノ+バイオリン+ピアノ」とか、「サックス四本+ピアノ」とか、なかなか面白いのが目白押し。サックスのアンサンブルって、あんまり聞いたことがなかったけど、とてもかっこいいの。「ソプラノ+バイオリン+ピアノ」とか、いつかやれたらいいな。

さて問題です。本番ではまった罠が、ふたつあります。どれとどれでしょう(^^)

あっでも。全体に「小事故」程度で、大事故はありませんでしたよ。全体としてはとてもまとまりがよかったと思います。あー気持ちよかった!!

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ocarinaさんから花束♪

ありがとうございました(^-^)
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レトロスタイルの助産婦さんと現代医療

2011年08月27日 | 生活
私が三回の出産でお世話になった助産婦さんは、そんじょそこらの病院勤務助産婦さんとはわけが違う。

   にほんブログ村 教育ブログ 中高一貫教育へ←こじろうとはなひめは自宅和室で生まれています

助産婦さんというよりお産婆さん。呼ばれるとどこの家にでも自転車を飛ばして駆けつけ、赤ん坊を取り上げる…というのを若いころからずっとやってた。それこそ戦時中からなので、防空壕の中ででも(!)、双子でも逆子でもなんでもござれ。取り上げた赤ん坊の数は一万を超えるとか…

だから、その助産婦さん(以下、A先生)が抱くと、あのくにゃっとした扱いづらい新生児が魔法のようにぴたりと決まり、なんとも気持ちよさそうなのだ。まさにゴッドハンド。

はなひめの出産のとき、予定日を過ぎてもなかなか生まれないので、プラス十日のとき念のため、連携している産婦人科医のところでチェックしてもらった。お医者さんが言うには、母子ともまったく問題なく、まだ様子を見ていてよいと。「あとどのくらいで生まれそうですか」というと「少なくとも『遠い』という感触はない」と言った(その二日後に生まれた)。

ここでいう感触とは、内診をしたときの具合だろう。ところがA先生には、三回の出産(と、もちろんそれに付随して毎回の妊婦検診)の間、私はただの一度も内診をされたことがない。先生の手は、お腹の外から触っただけで、赤ん坊の姿勢はもちろんのこと、「一週間以内にお産が来るかどうか」もわかるらしかった。なぜわかるのかと聞いてみたところ、「触ったとき、張りかえしてくる感じでわかる」とのことだったが、妊婦として来ていた若い助産婦さんは「なんでそんなことがわかるのかわからない」と言っていた。

ふつうはお産の最中も、いつ全開大になったかを調べたりするのに内診をするものらしい。A先生は、産婦の様子とそれから外診で十分わかるので内診はなるべくしないと言っていた(産婦にとって不快だし、感染の危険などもないではないから)。私も、二回目のお産からは自分でわかるようになった。陣痛が来たとき、どの姿勢が楽かでわかるのだ。全開大の前は、少しお尻を後ろに突き出すような、背骨の下端がやや後ろに曲がったような姿勢が楽。そこを過ぎると今度は逆で、むしろ下端を前に曲げ気味にするのがスムーズだ(こうなったら、ほんとにすぐ生まれる)。

A先生の頭の中には、というかA先生の体全体に、妊産婦の気持ちやら体調から、安産に向かうために必要な情報を捕らえるセンサーとか、それを使って何をしたらよいかという知恵が満ちているようだった。子宮収縮剤を使わなくても、分娩を促す工夫、お産を進める工夫はとてもたくさんある。

A先生のところに検診に行くと、整体の先生が呼んであって、検診のついでに整体を受けることができた。これがまたゴッドハンドで、気持ちいいのなんのって。妊婦は腰もやられがちだし、足が疲れたりとかマイナートラブルがいろいろあるもんだから、これはありがたい。整体は無料で、A先生の持ち出し。

「でも整体するようになってから、すっかり私の仕事が楽(つまり、停滞するお産が減ったという意味)でね。やめられないわ」といっていた。

整体、ツボ押し、歩く、床ふき、そしてなにより体を冷やさないことなど。むくみや貧血や腰痛の予防、起こったらその対処というのも丁寧にしてお産を迎える。

お産が始まったあと、私が一番気に入っているのは、お風呂(水位低め、ぬるめにしたお湯)につかること。あったまるのと、浮力で自由な姿勢が取りやすいのでとても楽なのだが、これはまた、とっても進みやすいのである(その意味では要注意、進んでもいいように準備をしておくこと)。そのほかにも、ツボ押し、ぶら下がり、歩く、場合によってはいったん休憩(寝る)、いろんな手がある。それでも滞ることがあれば、様子を見ながら待つこともできる。

だから、陣痛促進剤の登場シーンはない。それを補う先生の知恵とオーラ(なんか安心してしまうという)がある。最新鋭の機械はないが、先生の職人的勘とゴッドハンドと、それから聴診器がある。もちろん、ほんとにトラブルになったときには近くの総合病院に搬送されるのだが。

病院でなく、助産院(またろうのとき)や自宅(こじろう、はなひめのとき)で産むことはリスクを増やす行為なのかと自問しても結局他人を説得できるほどの答えがあるわけではない。

いったん促進剤など現代医療の助けを借りると、その後はモニタリングが欠かせなくなって、点滴やセンサーなどでベッドにしばりつけられてしまう。そうすると、陣痛を進める工夫、あるいは快適にする工夫のほとんどは禁じ手になるから、もったいないような気がする。お産の進行を自分の手から手放したことでトラブルが生じる可能性は増えるが、しかしトラブルが起きても医療によって対処される。

自分の感触では、その総合病院に直接かかるより、A先生にお世話になるほうが全体からみて安全だったと感じているのだがそれは統計で出た答えとかではなく、自分と知人の体験談、本で読んだ知識とかを総合して考えたものだ。

そして例えばはなひめが出産するとき、自宅出産を薦めるかというと、A先生がもう引退している以上、私にはなんともいえない。A先生の欠点は、自分の持てる知恵も技術も、ぜんぶひとりで持ったまま引退してしまったことだ。21世紀にはおそらく、あのタイプの助産婦さんは存在しない。現代医療ともっと密な連携をとりながら、産婦に快適で安全な、パーソナル環境を作ってくれる助産婦さんが今後生まれるのかどうか私にはわからないけど、A先生はそっち方面に気の回る人ではなく、そういう後継者を育てようとはしなかった(できなかった)。

A先生が取り上げた、最後の子がはなひめ(2000年)。

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キャッチーなキーワードにハマる

2011年08月26日 | 生活
昨日書いたニュースの話で、そもそも私が数あるニュースの中からその記事をぽちっとしたのは、そのタイトルに「分娩誘発剤」とあったからでしょう。

   にほんブログ村 教育ブログ 中高一貫教育へ←お産の話になると止まらなくなっちゃう

この記事は、ちょっと偏ったまとめ方がされていたと思いますが、実際に読者を「つかむ」ことに成功したわけで、ocarinaさんが書いていた「記者の腕の見せ所」ってことですよね。

元の発表では「子宮収縮薬」という表記がされているところ、記事によってそれが「分娩誘発剤」になったり「陣痛促進剤」になったりします。それぞれ、記事を書く側の料理の仕方が表れているのでしょう。

昨日の記事を読んでいて気になった点のひとつは、その「子宮収縮薬」のガイドラインなるものの内容は何なのかということです。「記者の腕の見せ所」に「読者の知恵」で対抗するには、昨日のように「複数の記事を並べてみる」のもひとつの手ですけど、もうひとつは「ソースに当たる」ということですね。

検索するとすぐに
子宮収縮薬による陣痛誘発・陣痛促進に際しての留意点」という、日本産科婦人科学会および日本産婦人科医会の発行した資料がみつかりました。

細かい点については、直接見ていただくとして、昨日挙げたニュースで言われていたようなガイドライン違反になることとしては、大きく分けて
(1) 使うべきでないときに使った
(2) 使う頻度、量、投与方法などが正しくなかった
(3) 使用中のモニタリングを怠った
があることがわかります。

そもそも使うべきときはいつかということですが、医学的適応としては、そのままにしておくと赤ちゃんまたは母体が危険である場合が中心に並んでいます。そしてさらに、「子宮収縮薬使用のためのインフォームドコンセントが得られていること」「事前に頸管熟化について評価すること」などの条件が並んでいます。

そうすると、予定日が近くなってきたときに(一週間前~数日前)、担当医師の診察日に合わせて「入院の支度をしてくるように」といわれ、「お産にしますね~」と点滴が始まるというような流れは何に相当するのでしょうか。

そこには医学的適応もなく、インフォームド・コンセントもありません。強いていえば非医学的適応として書かれている「妊産婦側の希望」でしょうか。別に妊産婦側が希望したわけじゃないですけど(*)

このような使用は、私が直接知っている人のなかでもかなりの人数が経験していますから、稀というわけではないようです。こうやってお産を人工的に始めると、「機が熟していれば(医学的には頸管熟化?)」ほんとうにすんなり生まれるようですし、そうでない場合は長くて痛くて、すごくたいへんな思いをしたり、あるいは帝王切開になる率も高いようです。

でも、結果的にはみんな(私が話を聞いた人は、という意味です)無事に生まれていて後遺症などもありません。くだんの記事では、脳性まひになったケースを分析してガイドライン違反が多かったといっていますが、通常ケースでの違反率も相当なものになるのではないでしょうか。

「(2) 使う頻度、量、投与方法などが正しくなかった」のような違反は容易に重大事故につながりますから、医療側も細心の注意を払っていることでしょう。「(1) 使うべきでないときに使った」についてはもっと影響がわかりにくいと思うので、ごり押しするお医者さんも引き続きいると思います。嫌なら自分で断る(病院を変える)しかありませんが、なかなかそれもやりにくいものです…今回のような提言で、インフォームド・コンセントなしの分娩誘発が減ったらいいですけどね。まぁ私はもう産まないけど。

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(*)誕生日がいついつまでじゃないと四月に保育園に入れないから、というような純然たる産婦側の理由のほか、担当医に見てもらえるときに産むほうがよいと産婦自身が選ぶということもありうる。あるいは、分娩誘発することで回旋異常などが起こりやすくなると仮にしても、医療スタッフが手厚いときに産むほうが安全だという面から、トータルでは誘発するほうがリスクが少ないということもありうる。
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気になるニュースの読み方

2011年08月25日 | 生活
ミクシーのマイページの片隅には、いろんなニュースが載ってくるので気になるタイトルがあるとポチポチしてるんだけど…

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その中にこんなのがあって
分娩誘発剤投与、6件で問題点=新生児脳性まひ-評価機構」時事通信社
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 財団法人日本医療機能評価機構は22日、2009年から10年に分娩(ぶんべん)で発症した新生児の脳性まひのうち、6件で分娩を誘発する子宮収縮剤の投与に問題点があったと発表した。
 投与は脳性まひの直接の原因ではないとされるが、同機構は日本産科婦人科学会などの「産婦人科診療ガイドライン」を順守するよう提言した。
 同機構は分娩で脳性まひとなった子どもを救済する「産科医療補償制度」が始まった09年1月から10年12月までに補償対象となり、状況が公表された15件について分析。6件で子宮収縮剤の投与量が多かったり、投与後の評価をしていなかったりしたという。(2011/08/22-21:21)
-------
なんか、ナナメに読むと「分娩誘発剤怖いねえ、脳性まひを起こしたりするんだ」となりそうなところだけれども、6件という数字の意味するところもよくわからないし、他のものではなく特に分娩誘発剤が問題くさいといってるのかすらよくわからない。

この記事は、時事通信社がまとめたものなので、他社の同内容ニュースを検索してみると、元ネタが比較的原型をとどめていて、記者会見ビデオもついてるこんなのがあった:
産科補償制度の再発防止で初の報告書- 医療機能評価機構」キャリアブレイン

要するに、産科補償制度というのは、分娩で重度脳性まひになった子どもに補償金を支払う制度で、医療ミスかどうかを問わないところがミソ。本人側からいえば、医療ミスかどうかなんて立証するのはほとんど不可能だから、それはともかく補償金が出るというのはよいところですね。

で、その制度を管理する評価機構のほうで、この制度が発足した2009年から2010年の二年間で実際に補償金を支払った15件について状況をまとめ、報告を出したということなのだそうだ。

ここまでは、いちおうひとつめの記事でもよく読めばわかるところ。

それで、「(1)分娩中の胎児の心拍数聴取(2)新生児蘇生(3)子宮収縮薬(4)臍帯脱出―の4点に着目」してこの15件を分析したところ、このうち6件で(3)の使い方にガイドライン違反があったという意味だったようだ。(4)についての詳細が書かれているところがこの記事の特徴(医療関係者向けニュースなので?)。

15件中6件というのがどういう数なのかは引き続きわからない…だって、そのガイドライン違反はよく行われていて、ふつうに出産できた場合を15件調べてもそのくらい違反がみつかるんだったら特に意味はないわけだし(さすがにそんなことはないのか??)

他に、一般紙の記事も読んでみたけれど
産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」産経新聞

時事通信社の記事が「分娩誘発」をクローズアップしたのに対して、こちらの記事だと「15件中8件で、本来なら分娩時に必要な胎児の心拍の監視が不十分だったと指摘された。」となって、「心拍の監視」のほうが前面に出ている。

というより、時事通信社の記事では「分娩誘発剤」が印象に残る仕立て方になっているのに対して、産経新聞社の記事では「多くのケースで不適切な診療が行われていた」ことを強調している。

産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明」朝日新聞
朝日新聞の記事は産経新聞とあまり違わないスタンス。

結局のところ、評価機構さんは、「脳性まひの原因とまでいうつもりはないけれど、とにかくガイダンス違反をしてこの事態に至っているケースがけっこうあるから、みんな気をつけてね」ということを言いたいのだろう。

ということを考えると、時事通信社は、なんだか「分娩誘発剤投与」に問題があるというほうに無理にひっぱっているように見える。

ところで、こうやっていくつかの記事を見比べていて私が今回一番驚いたのは、産経新聞社の記事にだけあったこの部分:
「同機構は、平成21年1月から今年6月末までに補償認定が行われた178件のうち、原因分析を終えた15件を検証。」
えーっ(o_o) 178件のうち15件しか分析してないの?? 既に補償認定まで行われたケースなのに??

…そんな段階で、なんかいおうとしたんだ…勇気あるな…

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