いよいよ、ショパン前奏曲を次々練習して録音していこうという壮大な計画に乗り出しました。
←ショパンのプレリュード、噛めば噛むほど味が出る!?
何曲くらい手がつけられるでしょうね?? …ぶっちゃけ半分として12曲!?
最初は一番簡単そうな(音を並べるのは、という意味です、もちろん)ゆっくりでシンプルなのにしました。
しかし弾いてみると、シンプルすぎると難しいというのはこのことですね。どうにもサマにならない。お指の都合でどこか無意味にごつごつしちゃうと台無しですし、ただ無難に弾こうとしてもつまらない。
そこで、この曲におけるマイ・テーマは
「和音の移り変わりを聞く」
に決定。和音をきれいに響かせるための指の独立とか、そんなの急にできるわけがないですからね。まずは自分が鑑賞する、楽しむ。
出だしの和音は「ソシミ」ですからこの調(ホ短調)の主和音の展開形です。そしてその「ごくふつう」だった和音がじりじりと下がりながら響きを変えていきます。二つ目の「フ#ァラミ」は7thがついて5thが抜けた、まぁ「ふつうに毛が生えた」程度の和音ですが、その次の「ファ#ラミb」になるとちょっと変わった感じの、不安になる響きです。
そうやってじっくりと和音を聴きながら弾いていくと、わりと変な和音のところでは「不安…さびしい…あきらめ??」とかいろんな想像がふくらんできます。そして、三段目に入ると、ここまで下がる一方だった和音が上がり下がりで揺れて、これは、「迷い」??
そして、四段目に入ると、いったんこの流れがとぎれて、気を取り直したようにまた最初の和音から始まります。でも今度はさっきより「先を急ぐように」ずかずかと下がっていったかと思うと、いったん崩れ落ちるように落ち込んでから盛り上がり、激しい旋律の動きがあったあと、また静かに戻っていく。
ここまでずっと、7thの和音でも5thを抜いた、三個で弾いていたんですけど、クライマックスのところでは初めて、四個をベタッと弾く和音になります。そして、旋律が「平常心」に戻る直前の和音は「シミシ」と、三音でも空虚な感じです。
でも最後、素直に小さくなって消えていくのかと思いきや、旋律が主音になったところで左手は「ドソ」と二音だけになります。左手が二音だけになるのは、ここと、クライマックスでドンと落ちたベースの音の二個所だけです。つまりすごく何か主張することのあるポイントのマークなんでしょうね。
ここの「左手: ドソ」「右手: ミ」の響きは、なんというか、多少は決意した部分があるのかな的な印象を受けるのですが、フェルマータ前の和音は結局のところ「シbドソ」と不安というか絶望というか、落ち着きとは程遠い感じがします。もっとも、この和音、右手と合わせれば「シbドソミ」つまり「ドミソシb」というふつうの和音なのに、並べ替えただけでどうしてこんなにただごとじゃない感じになっちゃうんでしょう。
そして最後はいわゆる「お辞儀和音」で決着ですが、凝ったつくりです。いろんな感情が交じり合いながら、結局なんとかやっていくのかな、どうかな、みたいな想像がかきたてられます。
さて、そんなふうにいろいろ想像して弾きながら何度も弾いていくと、多少はまとまった雰囲気が出て来ました。少なくとも、弾いていて楽しめるようにはなりました。でも、録音して聞いてみると、なんとも平板な感じです。アウトプットの技術がなければ、下手な考え休むに似たりってとこでしょうか(-_-;;
私が携帯プレーヤーに入れているソコロフさんの演奏をあらためて聴いてみると、私の演奏よりずっと「幅」(テンポの揺れも、音量も)があって、でもそれが全体として完璧な調和を保っています。しんとした強さが感じられる音の流れです。涙が出るくらい美しい。
そして、ソコロフさんの演奏を聴くと、その時々の和音の響きだけではなくて、横の音のつながりがとても重要だったことに気づかされます。「ミ」が「ミb」になって…とか、そういう隣の和音との、近くて違う音がこの曲の特徴ですからね。そういう、横のラインがくっきり、きれいに浮き出たりするところが自在にコントロールされていて、うっとりします。
無駄とは思いますがいちおう、そのへんを意識して弾きなおし、今回の仕上げとしました。→ショパン前奏曲No.4 2010年7月28日録音
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何曲くらい手がつけられるでしょうね?? …ぶっちゃけ半分として12曲!?
最初は一番簡単そうな(音を並べるのは、という意味です、もちろん)ゆっくりでシンプルなのにしました。
しかし弾いてみると、シンプルすぎると難しいというのはこのことですね。どうにもサマにならない。お指の都合でどこか無意味にごつごつしちゃうと台無しですし、ただ無難に弾こうとしてもつまらない。
そこで、この曲におけるマイ・テーマは
「和音の移り変わりを聞く」
に決定。和音をきれいに響かせるための指の独立とか、そんなの急にできるわけがないですからね。まずは自分が鑑賞する、楽しむ。
出だしの和音は「ソシミ」ですからこの調(ホ短調)の主和音の展開形です。そしてその「ごくふつう」だった和音がじりじりと下がりながら響きを変えていきます。二つ目の「フ#ァラミ」は7thがついて5thが抜けた、まぁ「ふつうに毛が生えた」程度の和音ですが、その次の「ファ#ラミb」になるとちょっと変わった感じの、不安になる響きです。
そうやってじっくりと和音を聴きながら弾いていくと、わりと変な和音のところでは「不安…さびしい…あきらめ??」とかいろんな想像がふくらんできます。そして、三段目に入ると、ここまで下がる一方だった和音が上がり下がりで揺れて、これは、「迷い」??
そして、四段目に入ると、いったんこの流れがとぎれて、気を取り直したようにまた最初の和音から始まります。でも今度はさっきより「先を急ぐように」ずかずかと下がっていったかと思うと、いったん崩れ落ちるように落ち込んでから盛り上がり、激しい旋律の動きがあったあと、また静かに戻っていく。
ここまでずっと、7thの和音でも5thを抜いた、三個で弾いていたんですけど、クライマックスのところでは初めて、四個をベタッと弾く和音になります。そして、旋律が「平常心」に戻る直前の和音は「シミシ」と、三音でも空虚な感じです。
でも最後、素直に小さくなって消えていくのかと思いきや、旋律が主音になったところで左手は「ドソ」と二音だけになります。左手が二音だけになるのは、ここと、クライマックスでドンと落ちたベースの音の二個所だけです。つまりすごく何か主張することのあるポイントのマークなんでしょうね。
ここの「左手: ドソ」「右手: ミ」の響きは、なんというか、多少は決意した部分があるのかな的な印象を受けるのですが、フェルマータ前の和音は結局のところ「シbドソ」と不安というか絶望というか、落ち着きとは程遠い感じがします。もっとも、この和音、右手と合わせれば「シbドソミ」つまり「ドミソシb」というふつうの和音なのに、並べ替えただけでどうしてこんなにただごとじゃない感じになっちゃうんでしょう。
そして最後はいわゆる「お辞儀和音」で決着ですが、凝ったつくりです。いろんな感情が交じり合いながら、結局なんとかやっていくのかな、どうかな、みたいな想像がかきたてられます。
さて、そんなふうにいろいろ想像して弾きながら何度も弾いていくと、多少はまとまった雰囲気が出て来ました。少なくとも、弾いていて楽しめるようにはなりました。でも、録音して聞いてみると、なんとも平板な感じです。アウトプットの技術がなければ、下手な考え休むに似たりってとこでしょうか(-_-;;
私が携帯プレーヤーに入れているソコロフさんの演奏をあらためて聴いてみると、私の演奏よりずっと「幅」(テンポの揺れも、音量も)があって、でもそれが全体として完璧な調和を保っています。しんとした強さが感じられる音の流れです。涙が出るくらい美しい。
そして、ソコロフさんの演奏を聴くと、その時々の和音の響きだけではなくて、横の音のつながりがとても重要だったことに気づかされます。「ミ」が「ミb」になって…とか、そういう隣の和音との、近くて違う音がこの曲の特徴ですからね。そういう、横のラインがくっきり、きれいに浮き出たりするところが自在にコントロールされていて、うっとりします。
無駄とは思いますがいちおう、そのへんを意識して弾きなおし、今回の仕上げとしました。→ショパン前奏曲No.4 2010年7月28日録音
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