アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「指揮棒」は楽器なのか!?

2024年08月16日 | ピアノ
本は、気になったものを密林でぽちってしまうことが多いけれど、やっぱりリアル本屋さんで「ふと手にとる」という出会いも大切にしたいものだ。

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とかなんとかいって、まぁまた不要な本を衝動買いしてしまったわけなのですが、
「50の名器とアイテムで知る 図説 楽器の歴史」


…家に帰ってあちこち読んでみると、不要といえば不要かもしれないけどこれはうちに一冊あってよい本だと思いました。

楽器のそれぞれについて、その特徴や歴史をまとめた本で、「ヴァイオリン」や「フルート」など誰でも知っている楽器から、「グラスハーモニカ」や「ハルモニウム」「オンドマルトノ」のようなあまり知名度の高くない楽器や、「カスタネット」「チャイム」のようなかわいらしい楽器までが同じレベルで項目立てされている。

「ワーグナーチューバ」って何? と思ったら、ワーグナーさんが作らせた楽器で、フレンチホルンとチューバの中間のようなものだそうだ。構想20年。ワーグナーのほかには、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスがこの楽器を使っているとか。

しかし、そのような元々知らなかった楽器について読んでも「へぇ」くらいの感想になりがちなところ、むしろなんとなく知っていると思っている楽器について読むと「そうなの!?」と驚きがあったりしておもしろい。まぁ、知っている楽器であっても歴史についてはあまり知らないもので、当然といえば当然。

「ハルモニウム」という項目があって、名前だけ見ると「知らない」と思ってしまうけれどこれはリードオルガンのことだった。パイプオルガンは大層な、大がかりのものになるけれどハルモニウムはリード楽器で、コンパクトな楽器になるため家庭向きとしてもよく用いられた。ハルモニウムという名前は、優れたリードオルガンを開発したドゥバンという人が名付けた商標なので、この本の項目立てとしては「リードオルガン」としておくほうがよかったようにも思うのだけれど。ハーモニカやアコーディオンについても同じ項目で扱われているのだから。

ところで、別の意味でびっくりする項目が「指揮棒」。指揮棒って楽器なのかっていうと音が出るわけじゃないから楽器ではないと思うけど、同じ音楽シーン(オーケストラなど)で用いられるものではあるし、いろんな楽器に歴史があるように指揮棒にも歴史があるわけだからなるほどこうやって紹介しておくのは悪くないのでしょう。

指揮というか、誰かが代表して合図を出すようなことは、アンサンブル上で必然なので古くから行われていて、しかし歌うなど自分が演奏する片手間で指揮をする場合は手を振るとかして(指揮棒のようなアイテムなしで)合図するだろう。それが、明確にリーダーを示す目的で「杖」が使われるようになったりして(中世後期~)…え? 杖ってあの、リュリさんが足に打ち下ろしちゃって怪我したやつ?? と思ってしまうが、初期のそれはほんとに飾りというかこの人がリーダーですよ、ってだけで、杖を持った手とは逆の手で指揮をしていたりしたらしい。

いずれにせよ、指揮の方法に決まったものはなかったんだけど、だんだん曲がややこしく多声的になると誰かがリーダーシップをとる必要性も増してきて(中略)、指揮棒がまだ珍しかったころに指揮棒を活用したのがメンデルスゾーンさんだったり…当初は演奏家から反発もあったがだんだん指揮棒を使うほうが当たり前になっていったとか。ちなみにメンデルスゾーンはフレンドリーなタイプのリーダーシップを発揮する人で、楽団員に対して親切で優しいとの評判だったので、指揮棒を使う指揮法が独裁的であるというわけではない。

19世紀後半には指揮棒を使う指揮が定着し、また楽譜に対する指揮者の解釈が重要だという考え方も出てきて
(「指揮者は漕ぎ手ではなく水先案内人だ」by フランツ・リスト)
ワーグナーは、細かいところまで自分の考えを伝え入念なリハーサルを行い、テンポ、強弱、音質など細かく指示することが多かった。

このあたりで「指揮棒」については完成に至ったような気もするが、実はこの本の中で「指揮棒」の項目は8ページに渡っていて、ワーグナー登場したところでまだ2ページ丸々が残っている。この2ページで「スター指揮者の登場」→「録音技術の向上、均一化?」そして現代においてあえて指揮者なしで演奏するケースについて取り上げているところがおもしろい。

----- 本日の録音
坂本龍一/Tong Poo(練習)

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歌のレッスン(!)

2024年08月16日 | ピアノ
何をどう間違ったのか…歌のレッスンに行ってきました。

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歌といっても、いわゆる「声楽(「セントーネルコーレ♪」とか)」や「ボイトレ」的なものでなく、
ミュージカル俳優をやっている先生が、それぞれの人のよいところを引き出してよりよい表現をいっしょに探してくれる的なレッスンだと聞いて

それはケンハモやピアノにも効くやつじゃないか? と思って試しに。

自分の声は聞きたくないのだがそれはそれとして。

どんな曲を持っていったらいいかさっぱりわからなかったのだけど、
声質・音域・歌いやすさから自分に合っていると思った
「キャロットスープの歌」(谷山浩子)

「カントリーロード」(「耳をすませば」より)
を持っていきました。

キャロットスープのほうは、まず自分がどういう歌い方をする人なのか自己紹介的なチョイスで、本命(思い入れがある曲)は「カントリーロード」です。なぜカントリーロードに思い入れがあるのかというと…中学受験ブログから読んでいる方はもしかしたら覚えているかもしれない(→「入試会場に消えていく背中」)

あと、先生はその人の「得意」を生かして全体として魅力ある演奏になるように、小芝居をつけたり、弾き語りをしたりといったことも総合的に考えてくれているそうなので、じゃ、私も得意のものを持っていこうかと

歌のレッスンに行くのにケンハモを持っていきました(笑) 楽譜も、いちおう「涙そうそう」「見上げてごらん夜の星を」などいくつか持参。

レッスンでは、最初に「キャロットスープ」からやりました。かわいい楽しい歌で、自己紹介的にはよかったと思いますが、特に深みというか表現の幅というのも少ないので(子供の歌ですし)、ちょっと声の出し方(方向?)とか変化のつけ方についてアドバイスもらってやってみて終わりになり、じゃ後半は「涙そうそう」やってみませんかという話になりました。

「得意のケンハモ持ってきたんでこちらから聞いてもらっていいですか」

そこで先生の伴奏でケンハモ「涙そうそう」を聞いてもらうと先生めっちゃ感動して「いい!! 素晴らしいですね。これ取り入れましょう、一番は歌で二番はケンハモとかどうでしょう」

楽譜がケンハモ用で、歌詞がなかったので検索してスマホ見ながらいろいろ試して
前奏、間奏、二番、コーダ
をケンハモで吹く形にすることに。

二番を吹くとき、歌詞を見ながらケンハモ吹いてみたところ、先生が「今すごく歌詞が伝わってきました、ケンハモで…うるっとくるくらい」

歌詞を見ながらケンハモ吹くのって(ピアニカの魔術師ミッチュリーさんからの直伝)難しいです。歌詞を考えると鍵盤がお留守になって違う音を鳴らしたり…いろいろありましたが、うまくいったところは我ながらうまくいったと思います。「涙そうそう」は、メロディーがもう隅々まで染みついているのでかろうじてできることですが、やはり歌詞もちゃんと覚えていればもっとうまくできるでしょう。

結果的に、歌詞をつけて歌うことと、歌詞を意識してケンハモを吹くことを複合的にレッスンしてもらった感じで、とてもよい経験になりました。

そういえばカントリーロード…歌いませんでしたが、まぁよかったかも? あれあまり入れ込んで(表現考えて)歌うと泣いちゃうかもしれなくて、いや泣くような曲じゃないんで(一般的には)、ちょっと変な具合になるかもしれませんからね。


「おいしくおいしく~にこめばにこめば~」

----- 今日の録音
坂本龍一/Tong Poo(練習)

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