本は、気になったものを密林でぽちってしまうことが多いけれど、やっぱりリアル本屋さんで「ふと手にとる」という出会いも大切にしたいものだ。
←知ってる楽器の知らない歴史
とかなんとかいって、まぁまた不要な本を衝動買いしてしまったわけなのですが、
「50の名器とアイテムで知る 図説 楽器の歴史」
…家に帰ってあちこち読んでみると、不要といえば不要かもしれないけどこれはうちに一冊あってよい本だと思いました。
楽器のそれぞれについて、その特徴や歴史をまとめた本で、「ヴァイオリン」や「フルート」など誰でも知っている楽器から、「グラスハーモニカ」や「ハルモニウム」「オンドマルトノ」のようなあまり知名度の高くない楽器や、「カスタネット」「チャイム」のようなかわいらしい楽器までが同じレベルで項目立てされている。
「ワーグナーチューバ」って何? と思ったら、ワーグナーさんが作らせた楽器で、フレンチホルンとチューバの中間のようなものだそうだ。構想20年。ワーグナーのほかには、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスがこの楽器を使っているとか。
しかし、そのような元々知らなかった楽器について読んでも「へぇ」くらいの感想になりがちなところ、むしろなんとなく知っていると思っている楽器について読むと「そうなの!?」と驚きがあったりしておもしろい。まぁ、知っている楽器であっても歴史についてはあまり知らないもので、当然といえば当然。
「ハルモニウム」という項目があって、名前だけ見ると「知らない」と思ってしまうけれどこれはリードオルガンのことだった。パイプオルガンは大層な、大がかりのものになるけれどハルモニウムはリード楽器で、コンパクトな楽器になるため家庭向きとしてもよく用いられた。ハルモニウムという名前は、優れたリードオルガンを開発したドゥバンという人が名付けた商標なので、この本の項目立てとしては「リードオルガン」としておくほうがよかったようにも思うのだけれど。ハーモニカやアコーディオンについても同じ項目で扱われているのだから。
ところで、別の意味でびっくりする項目が「指揮棒」。指揮棒って楽器なのかっていうと音が出るわけじゃないから楽器ではないと思うけど、同じ音楽シーン(オーケストラなど)で用いられるものではあるし、いろんな楽器に歴史があるように指揮棒にも歴史があるわけだからなるほどこうやって紹介しておくのは悪くないのでしょう。
指揮というか、誰かが代表して合図を出すようなことは、アンサンブル上で必然なので古くから行われていて、しかし歌うなど自分が演奏する片手間で指揮をする場合は手を振るとかして(指揮棒のようなアイテムなしで)合図するだろう。それが、明確にリーダーを示す目的で「杖」が使われるようになったりして(中世後期~)…え? 杖ってあの、リュリさんが足に打ち下ろしちゃって怪我したやつ?? と思ってしまうが、初期のそれはほんとに飾りというかこの人がリーダーですよ、ってだけで、杖を持った手とは逆の手で指揮をしていたりしたらしい。
いずれにせよ、指揮の方法に決まったものはなかったんだけど、だんだん曲がややこしく多声的になると誰かがリーダーシップをとる必要性も増してきて(中略)、指揮棒がまだ珍しかったころに指揮棒を活用したのがメンデルスゾーンさんだったり…当初は演奏家から反発もあったがだんだん指揮棒を使うほうが当たり前になっていったとか。ちなみにメンデルスゾーンはフレンドリーなタイプのリーダーシップを発揮する人で、楽団員に対して親切で優しいとの評判だったので、指揮棒を使う指揮法が独裁的であるというわけではない。
19世紀後半には指揮棒を使う指揮が定着し、また楽譜に対する指揮者の解釈が重要だという考え方も出てきて
(「指揮者は漕ぎ手ではなく水先案内人だ」by フランツ・リスト)
ワーグナーは、細かいところまで自分の考えを伝え入念なリハーサルを行い、テンポ、強弱、音質など細かく指示することが多かった。
このあたりで「指揮棒」については完成に至ったような気もするが、実はこの本の中で「指揮棒」の項目は8ページに渡っていて、ワーグナー登場したところでまだ2ページ丸々が残っている。この2ページで「スター指揮者の登場」→「録音技術の向上、均一化?」そして現代においてあえて指揮者なしで演奏するケースについて取り上げているところがおもしろい。
----- 本日の録音
坂本龍一/Tong Poo(練習)
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
←知ってる楽器の知らない歴史
とかなんとかいって、まぁまた不要な本を衝動買いしてしまったわけなのですが、
「50の名器とアイテムで知る 図説 楽器の歴史」
…家に帰ってあちこち読んでみると、不要といえば不要かもしれないけどこれはうちに一冊あってよい本だと思いました。
楽器のそれぞれについて、その特徴や歴史をまとめた本で、「ヴァイオリン」や「フルート」など誰でも知っている楽器から、「グラスハーモニカ」や「ハルモニウム」「オンドマルトノ」のようなあまり知名度の高くない楽器や、「カスタネット」「チャイム」のようなかわいらしい楽器までが同じレベルで項目立てされている。
「ワーグナーチューバ」って何? と思ったら、ワーグナーさんが作らせた楽器で、フレンチホルンとチューバの中間のようなものだそうだ。構想20年。ワーグナーのほかには、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスがこの楽器を使っているとか。
しかし、そのような元々知らなかった楽器について読んでも「へぇ」くらいの感想になりがちなところ、むしろなんとなく知っていると思っている楽器について読むと「そうなの!?」と驚きがあったりしておもしろい。まぁ、知っている楽器であっても歴史についてはあまり知らないもので、当然といえば当然。
「ハルモニウム」という項目があって、名前だけ見ると「知らない」と思ってしまうけれどこれはリードオルガンのことだった。パイプオルガンは大層な、大がかりのものになるけれどハルモニウムはリード楽器で、コンパクトな楽器になるため家庭向きとしてもよく用いられた。ハルモニウムという名前は、優れたリードオルガンを開発したドゥバンという人が名付けた商標なので、この本の項目立てとしては「リードオルガン」としておくほうがよかったようにも思うのだけれど。ハーモニカやアコーディオンについても同じ項目で扱われているのだから。
ところで、別の意味でびっくりする項目が「指揮棒」。指揮棒って楽器なのかっていうと音が出るわけじゃないから楽器ではないと思うけど、同じ音楽シーン(オーケストラなど)で用いられるものではあるし、いろんな楽器に歴史があるように指揮棒にも歴史があるわけだからなるほどこうやって紹介しておくのは悪くないのでしょう。
指揮というか、誰かが代表して合図を出すようなことは、アンサンブル上で必然なので古くから行われていて、しかし歌うなど自分が演奏する片手間で指揮をする場合は手を振るとかして(指揮棒のようなアイテムなしで)合図するだろう。それが、明確にリーダーを示す目的で「杖」が使われるようになったりして(中世後期~)…え? 杖ってあの、リュリさんが足に打ち下ろしちゃって怪我したやつ?? と思ってしまうが、初期のそれはほんとに飾りというかこの人がリーダーですよ、ってだけで、杖を持った手とは逆の手で指揮をしていたりしたらしい。
いずれにせよ、指揮の方法に決まったものはなかったんだけど、だんだん曲がややこしく多声的になると誰かがリーダーシップをとる必要性も増してきて(中略)、指揮棒がまだ珍しかったころに指揮棒を活用したのがメンデルスゾーンさんだったり…当初は演奏家から反発もあったがだんだん指揮棒を使うほうが当たり前になっていったとか。ちなみにメンデルスゾーンはフレンドリーなタイプのリーダーシップを発揮する人で、楽団員に対して親切で優しいとの評判だったので、指揮棒を使う指揮法が独裁的であるというわけではない。
19世紀後半には指揮棒を使う指揮が定着し、また楽譜に対する指揮者の解釈が重要だという考え方も出てきて
(「指揮者は漕ぎ手ではなく水先案内人だ」by フランツ・リスト)
ワーグナーは、細かいところまで自分の考えを伝え入念なリハーサルを行い、テンポ、強弱、音質など細かく指示することが多かった。
このあたりで「指揮棒」については完成に至ったような気もするが、実はこの本の中で「指揮棒」の項目は8ページに渡っていて、ワーグナー登場したところでまだ2ページ丸々が残っている。この2ページで「スター指揮者の登場」→「録音技術の向上、均一化?」そして現代においてあえて指揮者なしで演奏するケースについて取り上げているところがおもしろい。
----- 本日の録音
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