最高気温20度。
「ふぁぁ・・・フネの上でもフネを漕ぎたくなるなぁ・・・」
あたたかな陽、風、水が、イネムリを誘う、うららかな春の一日。
カヤックにお弁当を積んで、僕たちは、春のリバーピクニックに出かけました。
昨日の大風は、どこへやら。今日の川は、おだやかそのものです。
白い雲が、霞がかった青空を、のんびりと流れてゆきます。
萌えはじめた山と空を映す、鏡のような水面。
頬をやさしくなでてゆく、甘い風。目をたのしませてくれる、花と若葉。
聞こえてくるのは、鳥やカエルの歌、瀬、風の音。
南国の山と岸辺は、一年でもっとも色彩が豊かな季節です。
春の山肌は、黄緑、茶紫、萌黄、鮮緑、濃緑。
サクラの花が終わった岸辺は、赤紫、黄、白、萌黄、若緑、濃緑。
雨が少ない冬を過ごした川は、その流れを少し細くしています。
春の川は、すき返した田から入る濁った水でくすんでいる。
手をのばしてふれる水は、まだ少し冷たく感じます。その水温は14度。
下るにつれ強くなった太陽のヒカリは、僕らの服を一枚ずつ脱がせてゆきました。
♪僕らは薄着で笑っちゃう~♪
南国の川に、まぶしい陽ざしのなか、薄着で漕げるシーズンがやってきました。
ふと、見上げた空にヒコーキ雲。
「あっ、ゲストがヒコーキの時間に間にあうようにしなくちゃ・・・」
と思ったガイドは、パドルを漕ぐピッチを、少しはやめたのでした。