あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

感激!ウィンウッド&クラプトン武道館公演⑤

2011年12月03日 | 洋楽
アコースティックセットになっても
ガットをバキバキならずクラプトンに対し
オーソドックスに弦を奏でるウィンウッド

客席はクラプトンの『Wonderful Tonight』が聴けて大喜びだが
私は続く『Can't Find My Way Home』 でのウィンウッドの歌唱に
感動してたし
ウィンウッドの生ギターサウンドにも感激してた

音が欧州的というか、『グリーンスリーブス』を思わせる音色なのよね
アメリカ志向のブラインドフェイスと思わせて、そういう部分が隠せない
・・・そんな生ギター演奏



クラプトンとの個性の違いを感じつつ
「完全に一方のソロ曲になっても、片方は引っ込んで休養しないで伴奏に
専念するんだな」と、このコンビの姿勢に感銘

そうしてアコースティックセットは終了し
ウィンウッドさんがキーボード席に戻る

なにを演ってくれるのかとワクワクしてたら
「あの」5連イントロ
それに被るキーボードサウンド



ロック史上に残る名曲『Gimme Some Lovin'』

バックコーラスの女性と一緒に私も「ヘイ!」
アレンジもオリジナルに近い
スティーヴも10代の頃のような爆発的歌唱・・・は無理としても
充分歌ってくれてます

サビの歌唱もお見事
私は「Gimme Gimme Some Lovin'♪」とコーラスに参加
(周辺で歌ってるのは私だけだったが・・・)

いやぁ、トラフィックのライヴ・アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・
キャンティーン』でも演奏している同曲だが
70年代的ダルなアレンジに少しガッカリした記憶あり
それに比べ、今回の演奏は60年代的でホント感無量



こんな曲を15分くらで書き上げた17才当時のウィンウッドは、まさに
神童だったんだな

※関係者が「これからは自分で書いた曲を歌う時代だ」と言ってスタジオに
 ウィンウッドたちをカンヅメにして、ちょいと一服して「さぁ、少しは
 進んでるかな」と戻ったらトンデモナイ曲が出来上がっててビックリ仰天
 ・・・なんて逸話あり

 ウィンウッドさんは後に「なんか、出来ちゃったんだよね」と平気な顔で
 回顧したのでした
 そして黒人ソウル歌手かと思わせるヴォーカル・・・やっぱり天才です、
 神童です
 しかも、ルックスも良かったんだから3拍子も4拍子も揃ってます
 それでいながら『Georgia On My Mind』の歌い出しが甲高い声で
 「ジョジャ♪」・・・だから、もう可愛くて堪りません(笑)

 当時観たクラプトンさんは別の意味でも惚れちゃったんじゃないか
 ・・・と疑いたくなる程です
 
 でも天才は成長速度も驚異的だから、サイケにアーシーにと目まぐるしく
 進化して、なかなか万人の理解は得られないのでした・・・

しかし、歌い出し前のカウベルが無いのが寂しかったな
大事だよ、『ギミサム・ラヴィン』にカウベルは大事なんだよ!

ああ、私の「幸せのカウベル」はどこに・・・

そんな事を考えつつも感激な私の耳に低音のオルガン・サウンドが
そしてクラプトンのブルージーなセッションギターが・・・



『Voodoo Chile』だ
ジミヘンの曲をクラプトンとウィンウッドで演奏だ

『ロック史そのもの』な曲が続く
すごい公演を見ているのだと再々々々認識した

 

演奏は圧巻だ
全盛のジミヘンとだって堂々と共演したウィンウッドさんだ

そしてジミヘンに「英国に行くなら彼に会いたい」と言わしめたという
クラプトンさんだ
そんな両者がジミヘンの曲を演るのだ

もうクラプトン&ウィンウッド+ワンだ
60年代後半のエネルギーが甦るのだ

ここでもウィンウッドさんの特性がクラプトンのギターと共に光る

バトルしないのだ
ジミヘン相手でもそうだった

ハモンドオルガンという楽器の特性もあるが、真っ向から衝突しない
~かといってバックに廻るワケでもなく、堂々と存在を主張している

実にウィンウッドさんらしい



パンクの台頭にも、閉塞した英国の状況への反抗として理解は示しつつ
「少し性急すぎるのではないか?」と苦言を呈した理性的な存在

さすが娘が英国王室系の青年と結婚するだけの事はある
(おめでとう御座います)

王室系の結婚相手なんて身内の素性まで調べられるでしょうに
ロックアーティストのウィンウッドさんは、その温厚さと理性的な人格ゆえ、
その査定を楽々クリアしてしまいました

楽曲の売り上げで爵位を得るより凄い事かも知れません

・・・そんな
理知的でありながら情熱的でもあるウィンウッドの演奏
そしてクラプトンの気合が入ったギターソロ

曲が一段落するたびに拍手・・・
そんな圧巻な『ブードゥー・チャイル』が終わって本編は終了

クラプトンとウィンウッドの共演といえば
薬中アル中で再起不能になりかけたクラプトンのカムバックを
助けようと、P・タウンゼンド他の有志がクラプトン復活を企画した
『Rainbow Concert』があるが



※その辺を考えるとクロスロード・フェスにピート・タウンゼンドさんが
 出ないのは不思議な気もするが
 ピートさんが「オレはギターをウン百本も叩き壊した人間だから」と
 辞退してるのかも知れませんねぇ

レインボウ・コンサートでのウィンウッドの演奏は少しぎこちなかった
気もするのよねぇ

やっぱ
まだ、わだかまりが解けてなかったのかもねぇ・・・

そして、本日の武道館
アンコールで再登場したクラプトン・ウィンウッド・グループは
『Dear Mr. Fantasy』を奏で始めた



ああ
トラフィックの1stアルバム『ミスター・ファンタジー』のタイトル・
ナンバーとも言えるウィンウッドさんの代表曲だ

『パーリークイーン』同様、AメロBメロが続き、サビらしいサビが無い名曲
強いてあげればコーラスがサビ

従来のポップソングのパターンを解体したかのような「まったりした」曲構成

曲間のギターソロをクラプトンと交換するウィンウッド
クロスロード・フェスで「ウィンウッドってこんなに良いギタリストだった
んだ!」と感銘受けた演奏が再現されている

2階席だから「目前で再現」ってワケにはいかないが・・・



ウィンウッドファンは皆こう思っただろう

「スティーヴ、あなたこそがミスター・ファンタジーだ」



歌詞は確かこんな感じだった

「ねぇ、ミスター・ファンタジー
 あなたがギターを爪弾けば皆はハッピーなんだ
 あなたが歌えば皆がハッピーになるんだ」

「ねぇ、ミスター・ファンタジー
 歌ってよ ギターを弾いてよ そうすれば皆はハッピーなんだ」


ああ、我等がミスター・ファンタジー=スティーヴ・ウィンウッド

あなたがギターをプレイして歌ってくれて、僕らはハッピーだ
そう感じながら私の頬には涙が伝っていた

最後はクラプトンの『Cocaine』
ここでやっと観客全員が起立

約2時間、20曲目を演奏してくれました

メンバー全員で肩組んで終演の御挨拶

ああ、ありがとう

ウィンウッドさんの来日公演は今後もあるかも知れないが
60年代~70年代の曲をこれほど高いテンションで再現してくれる事は
もう無いかも知れない・・・

それはクラプトンも同様だと思う。
二つの才能が刺激しあった素晴らしいステージだった



それを日本武道館で見れたという事は感動以外なにものでもない

ありがとう御両人
そしてメンバーの方々

帰りは武道館をバックに記念撮影する人々の山
もう50代を過ぎた男女4人が「卒業以来なんです」と言って、
通りがかりの人にシャッターを頼み、相手の人も快く応じていた

ああ、イイ光景だ
12月になって本当に良いものが観れた

そう思いながら九段下の駅へ向かった
大満足のコンサート鑑賞だった

感激!ウィンウッド&クラプトン武道館公演④

2011年12月03日 | 洋楽
この時点で私は覚悟してましてな

「もし、『Pearly Queen』が演奏されなかったら追加公演のチケットを
買おう!」・・・と

クラプトンのギターでウィンウッドが歌う事の凄さを再認識したのよね

しかも、スティーヴ・ガッドを始めとしたメンバーも素晴らしい
べテラン・メンバーなのでスリリングな印象こそないが

(パンフレットでチェックしました)

黒人ベーシストのウィーリー・ウィークスは、70年代にストーンズや
スティーヴィー・ワンダーらのアルバムに参加している腕利きだし

サポート・キーボードのクリス・ステイントンも、ジョー・コッカーの
バックとして印象的なサウンドを残している
※ウッドストックにも参加しているというから、あの『ウィズ・ア・
 リトル・ヘルプ・フロム・アワ・フレンズ』の素晴らしいイントロは
 彼によるものか



ブルース曲の『Key To The Highway』が終わり

ウィンウッドが ゆったりとハモンドオルガンで前奏を始めた

あれ?この敬謙そうで楽園的なメロディは・・・・?
そこにギターの音色が重なり、印象的なリフと歌のユニゾンが

・・・『Pearly Queen』だ (感無量)

ああ、良かった 演奏してくれました

間奏ではクラプトンのギターソロ
う~ん、贅沢だ

この曲を初めて聴くクラプトン・ファンも
ブルースを独自の解釈でロックさせたソウルフルな歌声の素晴らしさは分かって
貰えるんじゃなかろうか

つ~か、分かれよ
クラプトンが惚れた人材なんだからよ



曲はそのまま
『Crossroads』『Georgia On My Mind』へと続く

ブラインド・フェイス以前の楽曲
しかし、この2曲は両者の馴れ初めでもある

クラプトンは、『Georgia On My Mind』を歌う15才のウィンウッドを観て
「まるでレイ・チャールズそのままじゃないか!」と衝撃を受けたというし
クリーム結成前、レーベルのコンピレーションアルバムでクラプトンとウィンウッドは
セッションバンド・パワーハウスで『Crossroads』を演奏してるのよね


※画像は
 「ホワッツ・シェイキン / VA」随分と探したよ このアルバム・・・

エリック・クラプトン&パワーハウス名義でレコーディングしてる『Crossroads』は、
後のクリーム・ヴァージョンよりテンポを落とした「ブルース寄り」のアレンジで

今回のクラプトン&ウィンウッドは、その時のヴァージョンに近い演奏と感じた

感激!ウィンウッド&クラプトン武道館公演③

2011年12月03日 | 洋楽
・・・で
やっぱりウィンウッドさんですよ

さすがに風貌はトシを取られたが、声は若いねぇ
1曲目の『Had To Cry Today』から伸びやかなハイトーン・ヴォーカルが聴けた

歌い出しで拍手だもんね 観客も分かってるよね

 

オーロラビジョンもない、MCも少ないシンプルなステージ
クラプトンは最初に「コンバンワ」、曲ごとに「サンキュー」くらい、
ウィンウッドは喋らない(シャイだなぁ・・・)

観客は座って鑑賞 
イントロで「この曲やってくれるんだ」と拍手

静かに聴いて 曲が終われば拍手
クラプトンのギターソロで拍手 

70年代の会場って、こんなムードだったのかもな

「日本人はノリが悪い」とか言われたが
楽しんでないワケじゃないのだ

息を飲んで見つめているのだ 熱心に聴いているのだ

今回の会場には、そんなムードを感じた

年齢層も高かった
私の前の席には双眼鏡でクラプトンの手元を熱心に見る年配の男性



やっぱり『Presence Of The Lord』は感無量

ブラインドフェイスではウィンウッドがヴォーカル取っていた同曲
今回のプロジェクトでは当初クラプトンが1番を歌い、ウィンウッドが
2番を歌っていたが
来日ツアーではウィンウッドが先に歌った

やはりウィンウッドの歌い出しで会場の感激が伝わる
あの名曲が再現されている事を実感する

クラプトンが作った曲なのだが(私は余りにウィンウッドの声にハマってる
からウィンウッド作だと思っていた)
歌に自信が持てないクラプトンがヴォーカルをウィンウッドに委ねたそうで

委ねたものの自分の心境を綴った歌詞だからウィンウッドへの歌唱指導が執拗で
「だったらアンタが歌えよ!」と温厚なウィンウッドが怒ったとも言われる
(この辺りからグループに亀裂が入ってたのかもな)



天才ヴォーカリスト・ウィンウッドを擁しながら、自分の曲は自分で
歌った感のあるトラフィック
※グループの代表作『フィーリン・オールライト』はデイヴ・メイソン作
 ウィンウッドの声はサビのヴォーカルから聴ける
 ジム・キャパルティも明るい歌声でアルバムを彩ったものだ

クリームだって明らかに声質はジャック・ブルースが良かったけど
クラプトンの歌い出しが印象的な『クロスロード』が代表作になってたし

ウィンウッドもファンもブラインド・フェイスは同様の双頭ヴォーカルに
なるだろうと思ったが、クリームで前に出されすぎたクラプトンは
ウィンウッドの単独ヴォーカルを希望

ファンはクリーム発展型のハードロックバンドを望んだろうし、
レコード会社も売れる音楽を期待したが
グループはアーシーなロックを選んだ

思惑はズレまくり、ブラインドフェイスは空中分解
スーパーグループは未知の可能性を残して霧散した

そしてウィンウッドとクラプトンは別の道を歩み、それぞれ成功を収め

2000年代に入って再び同じステージに立ったワケだ

クラプトンも歌う事を厭わないし、ウィンウッドとヴォーカルを分け合う
『プレゼンス・オブ・ザ・ロード』

そりゃ、ファンは感激しますわな



そして、そんな感激も醒めぬ内に
ステージ上ではウィンウッドのピアノプレイが聴ける『Glad』が始まった

このプロジェクトでは少しシンコペさせたアレンジだが、
日本公演ではトラフィックのアレンジに近付いていた 
トラフィック・ファンの私は嬉しい

ドラムのガッドさんが、しっかりリズムを刻んでバックアップ
テクニシャンのガッドさんだが、今回の公演は土台固めに徹してます

ウィンウッドのヴォーカルは続く『Well Allright』でも聴けて、私は大満足
ただ、ツアーの疲れがあるのか高いサビで声のキーを下げるトコロもあり
その辺は「仕方ないか」とベテランへのいたわりを忘れぬ優しいワタクシ

80年代ソングの『While You See A Chance』も、すんなり聴けた
シンセの音も心地よい

ウィンウッドは、その場その場で最高の音色を奏でるのな
楽器の進歩で出せる音色は増え、それだけ音のチョイスにセンスが必要になったが

ウィンウッドさんは、その点でも天才なんだよなぁ・・・

感激!ウィンウッド&クラプトン武道館公演②

2011年12月03日 | 洋楽
生で観たクラプトンのベスト演奏としては
88年にエルトン・ジョンとのジョイント来日で演奏した、
『アイ・ショット・ザ・シェリフ』だったが
(そのギターソロが気合入りまくりで心から「スゲェ!」と思ったのよ)



しかし今回の公演がベストになりました
それくらいクラプトンのプレイは良かった

当然ウィンウッドと共演する事が御大を刺激させたワケだが

『Presence Of The Lord』ではワウペダル踏みまくり

『Hoochie Coochie Man』ではリズムがキレキレ

『Crossroads』もグッと腰を沈めたノリ

アコースティックセットでは二階席から「神様!」と声が掛かり(笑)

『Voodoo Chile』では、ミューズの息子状態なウィンウッドに
「とんでもねぇ、私だって神様だよ」とギター1本で対抗

アンコールの
『Dear Mr. Fantasy』では
ウィンウッドとギターソロを美しく交換



いや~、素晴らしかった

大満足でしたわ

感激!ウィンウッド&クラプトン武道館公演①

2011年12月03日 | 洋楽
本日、行って来ましたよ



大感激でしたよ 
予想以上に感動しましたよ 息を飲みましたよ
お腹いっぱいでしたよ



セットリストは以下の通り

01 Had To Cry Today
02 Low Down
03 After Midnight
04 Presence Of The Lord
05 Glad
06 Well Allright
07 Hoochie Coochie Man
08 While You See A Chance
09 Key To The Highway
10 Pearly Queen
11 Crossroads
12 Georgia On My Mind
13 Driftin'
14 That's No Way To Get Along (sitdown set)
15 Wonderful Tonight (sitdown set)
16 Can't Find My Way Home (sitdown set)
17 Gimme Some Lovin'
18 Voodoo Chile
-encore-
19. Dear Mr. Fantasy
20. Cocaine

会場も主役二人の登場で大拍手
『泣きたい気持ち』のイントロで拍手

『プレゼンス・オブ・ザ・ロード』のイントロで拍手、ウィンウッドの
歌い出しで拍手

私は『パーリー・クイーン』が聴けて大満足
『ディア・ミスター・ファンタジー』の終盤では思わず涙



英国ロック史、いや古今東西のロック史に残る曲が、当人たちの手で
再現されている「とんでもない現場にいる」と身を正した

クラプトンのギターの音色が前面に押し出さされ過ぎって気もしたが
あんな野太いギターも久しぶりだった