新鹿山荘控帳

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「靖国への帰還」内田康夫

2007-12-18 18:04:44 | 読書
黙って本を購入する内田康夫がまた新刊を出しました。昨日見つけましたが、荷物があり本日購入しました。

内田康夫は、時々従来のミステリーとはまったく趣の異なる小説を出します。この「靖国への帰還」もいつもの浅見光彦は出てきません。

昭和二十年、厚木飛行場を夜間戦闘機「月光」で飛び立った厚木飛行隊武者中尉は、東京爆撃に飛来したB29編隊に向かった。1機撃墜後被弾した後、厚木飛行場に帰還途中雲の中をさまよう。そして着陸した厚木飛行場は、現代の厚木基地であった。タイムスリップしたのである。
60年前に戦死した彼が、現代に登場したので政府をはじめ国を挙げての大騒動になる。彼を利用しようとする総理が靖国問題を、TV討論を依頼してくる。

すでに英霊として靖国神社に祀られている海軍飛行隊中尉が、現代によみがえり彼の口から当時の軍人の考え方が延べられる。
その彼を現代日本はどう受け止めるのか。マスコミや近隣諸国がその思惑でうごめく。大きなギャップと嵐のような国民の反響に、武者中尉はどう対処していったのか。

戦前の宗教観や武士道や精神構造など、ある意味解りやすく書かれています。このような視点で靖国を語られたものは少ないでしょう。つまり死んでしまった方々は語らず、また生還した兵隊の方々も積極的な思いを語らず、私も死んだ父とそのことを話す機会はありませんでした。

あまり深く考えてみませんでしたが、一読では頭に入らず、明日またもう一度じっくり読んでみようと思います。

コメント
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