天気のいい日に、郊外の畑の中の川の土手をカメラを持って歩いていたと想像してください。
土手のフェンス越しに鳥を撮影していました。50mくらい離れたところに、ダックスを散歩させている女性がいました。
でも中々こちらに歩いてきません。犬と一緒に何かを覗き込んでいます。その内写メを撮り始めました。自分の犬の糞の記録をとっているのは、変ですね。
こちらに来ないので、撮影の終わった私が近づいて行くことにしました。すれ違うところでやっと顔を上げた女性が、私を見ました。二十代後半でしょうか、昼間ですから、近くに住んでいる若奥さんというところでしょうか。
何気なく地面を見ますと、薄緑色の大人の中指位の大きさの蝶の幼虫がいました。丸く輪になっていました。そして橙色の角を出していました。
○以下二人の会話
彼女)これなんですか。
私)蝶の幼虫ですよ。
彼女)この道を横断していたんですが、この子が足で叩いたらこんなになってしまいました。
私)この角からもすごい匂いを出していますよ。
彼女)毒ですか?
私)毒ではないです、匂いです。
彼女)それで臭かったんですね。
私)この子は大変ですよ。犬は人間の5万倍以上の嗅覚がありますから、多分物凄いことになっているのでは。
彼女)マア大変。
私)犬が叩いたから、この幼虫は「俺に構うなと」怒っているのですよ。
彼女)そうですか。
私)でも、今頃蝶の幼虫というのも一寸遅いような気がしますが。ひょっとすると、蛾の幼虫かも、この大きさだとかなり大きな蛾ですね。
彼女)気持ち悪い。
私)でも道路の上にいると、すぐに鳥に食べられてしまうな。
彼女)川のほうから畑に向かって動いていたのでが、この子が叩いたから。丸くなってしまって、角を出したんです。
私)ほおっておけば動き出すのではないですか。
とたんに、幼虫が輪を解いて体を伸ばしました。
彼女)ひょっとしたら幼虫の専門家ですか?
私)とんでもありません。
そこで二人は笑いながら別れたのであります。
(私たちの子どもの頃は、蝶や蛾の幼虫は身近のたくさんいました。ほうせん花に付く、スズメ蛾の茶色の大きな幼虫は、いまだに忘れられません。このくらいの知識は、当時の子どもはみんな知っていたのではないですか)
土手のフェンス越しに鳥を撮影していました。50mくらい離れたところに、ダックスを散歩させている女性がいました。
でも中々こちらに歩いてきません。犬と一緒に何かを覗き込んでいます。その内写メを撮り始めました。自分の犬の糞の記録をとっているのは、変ですね。
こちらに来ないので、撮影の終わった私が近づいて行くことにしました。すれ違うところでやっと顔を上げた女性が、私を見ました。二十代後半でしょうか、昼間ですから、近くに住んでいる若奥さんというところでしょうか。
何気なく地面を見ますと、薄緑色の大人の中指位の大きさの蝶の幼虫がいました。丸く輪になっていました。そして橙色の角を出していました。
○以下二人の会話
彼女)これなんですか。
私)蝶の幼虫ですよ。
彼女)この道を横断していたんですが、この子が足で叩いたらこんなになってしまいました。
私)この角からもすごい匂いを出していますよ。
彼女)毒ですか?
私)毒ではないです、匂いです。
彼女)それで臭かったんですね。
私)この子は大変ですよ。犬は人間の5万倍以上の嗅覚がありますから、多分物凄いことになっているのでは。
彼女)マア大変。
私)犬が叩いたから、この幼虫は「俺に構うなと」怒っているのですよ。
彼女)そうですか。
私)でも、今頃蝶の幼虫というのも一寸遅いような気がしますが。ひょっとすると、蛾の幼虫かも、この大きさだとかなり大きな蛾ですね。
彼女)気持ち悪い。
私)でも道路の上にいると、すぐに鳥に食べられてしまうな。
彼女)川のほうから畑に向かって動いていたのでが、この子が叩いたから。丸くなってしまって、角を出したんです。
私)ほおっておけば動き出すのではないですか。
とたんに、幼虫が輪を解いて体を伸ばしました。
彼女)ひょっとしたら幼虫の専門家ですか?
私)とんでもありません。
そこで二人は笑いながら別れたのであります。
(私たちの子どもの頃は、蝶や蛾の幼虫は身近のたくさんいました。ほうせん花に付く、スズメ蛾の茶色の大きな幼虫は、いまだに忘れられません。このくらいの知識は、当時の子どもはみんな知っていたのではないですか)