新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
写真の無断使用はお断りします

掛け声が聞こえました。

2012-07-06 18:02:22 | ウオーキング
全く釣り人がいなくなる時と、浜に点々と投げ釣り客が並んでいるときとどこが違うのかよく考えてみました。出した結論はその時間にあると言う事です。前にもお話しましたが、その浜は車が近づけない場所にあり地元の人がバイクや自転車で防波堤までやってきてそれから浜に下りるのです。
ですから昼前には地元の方々ほとんどが釣りをやめ、いったん昼を食べに戻られるのです。
その人気のない浜に水鳥が一時戻りますから、それを撮影しようという魂胆です。

大手私鉄の終点の一つ手前に降りたのは十時半を過ぎていたでしょうか。もちろん四つ手前から各駅停車に乗り換えております。
いつもの癖で下車駅でトイレをすませて改札を出たのは、この小さな駅でしたから私が最後でした。駅の周りには全く人がいません。

私の前に下車した男が一人。大きめのザックをだらしなく背負い、よれよれの柄物のシャツをだらしなく着ておりました。その男後ろを歩き出してすぐその男が立ち止りタバコの火をつけています。私を先に行かせたいようでもありました。

私はよそ見をしながら駅前を右に曲がりました。その道はそれほど広くなく数軒の商店や不動産屋があるくらいで、突き当りまで誰も歩いていない昼前の田舎の道です。突き当りは丁字になっており、右には初めての踏切になっています。

歩いていくと左側から警官が二人歩いてきました。大型の黒いファイルのようなものを持ち何か調査に行くのでしょうか。丁字路を通り過ぎ踏切に行きかけて二人はこちらを見ました。そして何か話しています。

24時密着風に解説しますと、『どう思う、声を掛けてみるか』『そうですね、掛けますか』そんな風です。
二人の警官は向きを変えてこちらに歩いてきます。彼らの視線は私でなく私の後ろに向けられています。
こんな時、実に困ります。警官をじろじろ見るわけにもいかず、さりとて目を急にそらすのもまずいですよね。じゃ、普通と言うのはどんな状態でしょう。

私の身形と言いますと、日に焼けてダークブルーのポロシャツはうすいグレイに変色しています。駅を降りたばかりの街中ですからカメラもザックから出していません。鳥撮の時は汚れてもいい格好です。

二人の警官とすれ違いました。後ろで声が聞こえます。『ちょっとすみません』『こんにちは』
これが職質の掛け声かと思いました。ほかにもたくさん人がいれば振り返って確認したのですが、たぶんこの道路には、私と二人の警官、そしてもう一人の乗降客と四人しかいないはずです。

何も気が付かないふりをして私は丁字路を左に曲がり、行きつけのコンビニにおにぎりを買いに寄ったのでした。
考えさせられる出来事でした。
コメント
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