江戸時代には、江戸城の出城としての
機能を果たしていた徳川将軍家の庭園です。
明治時代には皇室の離宮となり、
1946年「浜離宮恩賜庭園」として公開され、
特別名勝・特別史跡に指定されています。
1654年、徳川将軍家の鷹狩場に、
四代将軍家綱の弟である甲府宰相の松平綱重が、
海を埋め立てて甲府浜屋敷と呼ばれる別邸を建てます。
綱重の子、綱豊(家宣)が六代将軍になると
この屋敷は将軍家の別邸となり、
「浜御殿」と呼ばれるようになりました。
江戸時代を代表する大名庭園ですが、
今では四季折々の花が咲く都会のオアシス、
浜離宮に咲く花の花期に合わせれば、
ひときわ美しい風景に出会えます。
キバナコスモスの蜜を吸うハチもいました。
梅、菜の花、桜、花菖蒲、紫陽花、コスモス、
庭園だけではなく、お花畑もあり、
散策を楽しめるようになっています。
水面に映る逆さタワーもいかがでしょうか。
鴨場池には幾筋かの引堀(細い堀)を設け、
小覗から鴨の様子をうかがいながら、
ヒエやアワなどのエサとおとりのアヒルで
引堀におびき寄せ、鷹や網で捕る猟をしていました。
上の写真は、小覗です。
浜離宮に隣接するのが東京湾、将軍が船に乗降する
将軍お上がり場の階段の一部は海中に沈みました。
「浅草」、「日の出桟橋」への
水上バスの発着場もあります。
東京湾の海水を引き入れ、潮の干潮によって
池の趣を変える様式の潮入の池です。
都内にある江戸の庭園では唯一現存する海水の池には、
ボラ、セイゴ、ハゼなど海水魚が棲息しています。
歴代の将軍たちは「御茶屋」で賓客と共に
景色を楽しみながら食事をしたり、
調度品を鑑賞するなどして過ごすほか、
鷹狩りの際の休憩場所としても使用しました。
多くは焼失しましたが、復元されています。
中島の御茶屋では抹茶と和菓子セット(有料)で、
楽しめますが、残念ながら休業でした。
今から約300年前六代将軍家宣が、
庭園を大改修した偉業をたたえて植えられたと
言われている「三百年の松」は、
太い枝が低く張り出し、堂々たる姿です。
約25万㎡の園内、小高い場所からは、
レインボーブリッジやお台場など
臨海副都心を一望できますよ。
東京都中央区浜離宮庭園1-1
2020.11.7
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