平成30年、春。
日本の首都・東京では、桜の花が満開になりました。
私が住む千葉県の柏はようやく咲き始めといったところでしたが、今回は自動車でとある場所へ向かいました。
暇なときに地図をながめるという趣味をもつ私は、手賀沼から伸びている一筋の曲線に・・・
「金山落」
という奇妙な表記を見つけます。
なんと読むのだろう? 「きんざんらく」? 「かねやまおち」?
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「金山落」は、南西から流れてこの沼に注いでいます。
この矢印のちっちゃい沼も、手賀沼なんだそうです。
昭和の干拓事業で、沼は2つに分かれたのだそうです。
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小さいほうの手賀沼へと流れているのが、金山落。
読み方は「かなやまおとし」というのだとか。
(「かなやま」のほうはちょっと自信ないです。「かねやま」かもしれません)
読み方がいまいちはっきりしない「金山落」ですが、地図をながめていると・・・
「今井の桜」
と表記されています。
そんなわけで、柏市内から車で約30分ほど。
手賀の丘公園のほど近く、「今井の桜」があるという金山落にやって参りました。
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広がっている田畑の中で、凛として立つ桜並木。
金山落に沿って植えられています。
周囲に駐車場はありませんので、農道の脇をお借りすることとしました。
開花はもう少し先のようですが、つぼみがふくらんでいるからなのか、並木はうっすらと桃色がかっているようです。
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咲いているものもありますが、満開まではまだまだといったところです。
ただ、ロケーションは最高。
空に電線といったものはなく、川沿いに砂利道が走っているだけで、「田舎の原風景」という言葉が浮かんできます。
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金山落は用水路なのですが、コンクリートによる護岸工事がほとんどなされておりません。
昔の小川の風景が、いまだに温存されているかのようです。
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桜や植生は手入れがなされていないようですが、それがかえっていい味を出しています。
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金山落にかかっている今井2号橋という小さな橋。
橋名標には「昭和38年竣功」とあり、50年以上付替えがなされていないようです。
老朽化が進み、時代に取り残されたようなこの橋も、このロケーションにはふさわしいように思えます。
とはいえ、この日はほとんど桜が咲いておりませんでした。
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路傍に生えていたオオイヌノフグリだけが、満開を迎えていたようです。
この日は15分ほどでこの地を後にし、もう1箇所の桜を見に行くこととしました。