ビール飲みオヤジの日々雑感

ビール飲みオヤジが日々感じる雑感を徒然なるままに。

ビール飲みオヤジのオーケストラ雑感 その3

2011年06月22日 | 音楽
キリンフィルハーモニーの団員向けメルマガに3回シリーズで寄稿した拙作エッセイ最終回。
今日がその発行日でした。
今回もそのままこちらでも載せちゃいます。
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最終回「まさに雑感」

 学生時代はオーケストラの練習が月水金の週3回あった。一つの演奏会で大体3カ月~4カ月の練習期間だったと記憶しているので、一つの演奏会のために都合40回前後の練習を積み重ねていたことになる。
 今さらながら、一つのプログラムを弾き続けてよく飽きなかったと思う。今じゃ、曲によっては3カ月以上練習していると飽きてくる。でも、名曲と言われる曲ほど飽きない。不思議なものだ。(笑)

 先日、久々に自分が現役時代の演奏会のテープ(当然カセットテープ。)を聴いたのだが、ある意味弾き込んだことがよく解る。手前みそながら、今でもそれなりに聴き応えのある演奏だった。

 社会人になってからは、基本的に練習は週1回。そして演奏会までの練習回数は10~12回というところが、在団したオーケストラでは平均的だったように思う。
 札幌や仙台にいた頃は、そんな社会人オーケストラに現役学生の団員も結構在団していた。彼らに大学にもオーケストラがあるのではと訊くと、大学のオーケストラは練習回数が多く束縛されるので嫌だからという答えだった。

 時代は変わった・・・。
 オヤジなど、月水金の夕方に大学のオーケストラの練習があり、なおかつ特に2年生からは前回取り上げたジュネスの運営委員をやっていたので火木土の夕方はその事務局に行き、その上で日曜日にはジュネスミュジカルオーケストラの練習で昼から夜まで弾いていた。
 それ以外にも他大学のオーケストラにエキストラに行ったりもしていたから、束縛どころか、自らの意思でどっぷり浸っていた。

 さて、今年の4月に福岡市民オーケストラに入れてもらい、皆さんがこの原稿を読む頃にはオヤジの福岡デビュー演奏会を終えている。
 
 会社に入ってからの20年は、たまたま勤務地が東京か関西で、オヤジにとって縁も所縁もある土地だったのだが、直近の6年ほどは家族を関西に残し、札幌、仙台、そして福岡と単身赴任者人気ベスト3の街を北から順に下ってきている。
 この縁も所縁も無い街を渡り歩いていく中で、おやじはつくづくオーケストラをやってきて良かったと感じている。

 初めての単身赴任で札幌に行った時、いくつかのオーケストラの演奏会を聴きに行き、2つのオーケストラの練習見学に行った上で、特に熱心に誘ってくれた札幌フィルハーモニー管弦楽団に入ることに決めた。
 何しろ知人も友人もいないのだから、ある程度のレベルとそれなりの雰囲気の団体であることを自ら確かめたかったし、本当に不安だったのだ。
 
 そして結果はオーライだった。
札幌フィルハーモニー管弦楽団に入ったことで、特に週末の生活にメリハリができ、好きなことができることによるストレス発散と、何よりも音楽だけでなく酒にも通じた新しい仲間や友人に恵まれ、札幌ライフは豊かなものとなった。

 3年間過ごした札幌最後の夜は、オーケストラの人たちと飲み明かした。二日酔いで仙台への飛行機が辛かった。(笑)たまたま転勤で来た街だったが、単なる人生での通過点ではなく、仲間や友がいる帰ることができる街になった。

 次の仙台はわずか1年半だったが、幸いなことにここでも送別会で「また仙台に戻ってくるんでしょ?」と言ってもらえた。仙台も帰ることができる街になった。

 今回の大震災では幸いにも在団した仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団のメンバーで犠牲になった方はいなかったが、コンサートホールや練習会場が軒並み被害を受け、避難場所としても使われたことにより、5月の定期演奏会は中止になり、練習もようやく6月中旬から再開という状況だと聞いている。
 練習をすること、演奏会を開くという当たり前がいかに貴重で素晴らしいことか、改めて強く感じさせられる。

 直近、福岡市民オーケストラはまだ入団2カ月足らずで、このオーケストラの仕組みでは研修期間中である。今のところ、猫をかぶって大人しくしている。仲間や友人づくりはこれからだ。
 このオーケストラで驚いたのは、入団オーディションで最低限のアンサンブルが出来るかを視る目的でクァルテット編成でアイネクライネの第1ヴァイオリンを弾かされたこと。オーディションは他にもやっているオーケストラがあり経験していたが、こういった形のオーディションは初めての経験だった。幸い、楽しくアンサンブルさせてもらい、入団許可をいただけた。

 場所が変わり、そこにいる人も違い、積み重ねた歴史の違いがあり、音楽好きが集まるオーケストラという点は同じであっても、そこにいろいろな団体の個性と仕組みの違いがあって興味深い。
 これは転勤族で赴任地各地のオーケストラに関わったからこそ体験できた面白さであり、オヤジにとって貴重な財産だと思っている。

 そして昨年からキリンフィルに御縁ができた。
 さすがに昨年のように練習に日程を重ねられる出張も無くなってしまった今年は、練習に現れることは極めて限られてしまうが、団長の陰謀か(笑)難曲揃いとなった第2回演奏会の成功に向けて、皆さんで頑張って練習していきましょう。(おわり)

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