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唐黍を渡る風あり散歩道
イネ科の大型一年生作物。
中南米原産で、日本には十六世紀に渡来した。
明治初年から本格的に栽培されるようになった。
穂は雌雄別々で、雄花穂(ゆうかすい)は茎頂に、雌花穂(しかすい)は葉腋につく。
雌花穂が受精し、太い軸を中心に30センチほどのトーチ状にびっしりと実をつける。
「玉蜀黍」といえば、その実をさす。
黄色の粒々の実は澱粉に富み、焼いたり茹でたりする。
秋の代表的な味覚の一つである。
ただし、最近は六月下旬頃から熟し、夏でも食べられるようになった。
玉蜀黍を少しざわつかせて風が渡ってきていた。
そんな散歩道であった。
娘売る玉蜀黍の甘かりき