俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

寒鴉

2013-01-16 | 俳句・冬・動物


寒鴉何か銜へて羽撃ちけり

冬の鴉のこと。冬枯れの時季、鴉は餌を求めて人家近くに現れ、ごみ置き場を荒らすこともある。また、木立の中で鳴いたり、浜辺や河原に群がることもある。特に寒中の鴉は哀れがあり、心引きつけるものがある。沼の上を飛んできた鴉が何かを銜えながらそのまま飛び去って行った。一瞬のできごとであったが、生き物の営みを感じた。

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川の水飲んで鳴きけり寒鴉





五十羽はをらむ乱舞の寒鴉


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冬木の桜

2013-01-15 | 俳句・冬・植物


日の中に冬木桜の黒かりき

葉の落ちつくした冬の桜をいう。「冬桜」とは異なる。群馬県館林市にある多々良沼へ白鳥を見に行った。沼へ行く途中に冬木となった枝垂れ桜があり、逆光の中で細かな枝まで黒々としていた。ここに冬ならではの美を感じた。

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人ふたり冬木桜の並木道



遠山の見えて冬木の桜かな


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霜柱

2013-01-14 | 俳句・冬・地理


霜柱日に輝くを吉としぬ

寒さのため、地中の水分が凍結し、細い柱状郡となって地表を押し上げるもの。関東ローム層に顕著。夜中によく晴れ気温が下がると、朝には立派な霜柱が見られる。冬の何もない畑に霜柱ができて朝日に輝いていた。その白い輝きに良いことがありそうな気がした。

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霜柱踏んでみせうか踏むまいか


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冬の霧

2013-01-13 | 俳句・冬・天文


冬霧の見る間に山を隠しけり

冬にかかる霧。「霧」は秋の季語でだが、冬にも朝夕に濃い霧がかかることがある。雪山に茶色の枯木が美しかったので写真を撮ろうとバスを降りたところ、見る見るうちに霧が出てきて覆われてしまった。だが、これもまた墨絵のような味わいがあった。

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冬霧に流るる音のありにけり


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寒雀

2013-01-12 | 俳句・冬・動物


集まりて枝に動かず寒雀

寒中あるいは極寒の頃に見かける雀。寒さのため全身の羽毛をふくらませて丸くなっている雀を「ふくら雀」という。枯枝に寒雀が三十羽ほど止まっていた。曇り空に影絵のように黒く、寒さにじっと耐えているようであった。

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頑なに鳴かぬやうなり寒雀


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