俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

白鳥(2)

2013-01-11 | 俳句・冬・動物


白鳥や餌を撒くひとへ頸伸べて

新潟県の瓢湖へ行った。ここは、昭和二十九年に餌付けに成功したことで知られ、毎年多くの白鳥がやってくる。午後三時に餌をやる人が二人出てくると、その姿を見ただけで多くの鴨と白鳥が集まってきた。バケツから餌を空中高く撒くと、鴨や白鳥が争ってついばんでいた。面白いもので、白鳥はすべてが集まるわけではなく、遠くの方で無関心を装っているものも沢山いた。

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白鳥の頸をつの字に餌食(は)めり



高々と白鳥へ餌の撒かれけり







白鳥の一羽が鳴けば二羽三羽









白鳥に助走といふがありにけり





白鳥の連なり飛べる哀しさよ





白鳥の編隊仰ぎ立ち去りぬ


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冬暁

2013-01-10 | 俳句・冬・時候


冬暁や湖(うみ)に立ちたる鳥の声

冬の早朝。冬の朝はなかなか明けず、日の昇るころは寒さも一段と厳しい。新潟の福島潟という大きな湖へ、ホテルを早朝の5時半にバスで出発して行った。あたりはまだ真っ暗で、小さな懐中電灯を頼りに潟まで歩いた。すると、潟では夜明けに合わせるように、雁か白鳥か鴨、あるいはこれら全てが大きな声で鳴き始めた。正に鬨の声をを上げているようであった。写真は真っ暗な中で試しに撮った一枚。島の木と対岸の灯、雪山が写っていた。冬の暁は次第に明るくなって行った。

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福島潟と五頭山








五頭山






白鳥と鴨






大菱喰(雁)の群れ







寒暁の潟の向かうに五頭山(ごず)現(あ)れぬ


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冬の山

2013-01-09 | 俳句・冬・地理


輪郭のある雪山や越の国

「冬の山」には草木の枯れた「枯山」、雪の降り積もった「雪山」あるいは「雪嶺」などがある。低い山から高い山とそれぞれに違った冬山の趣がある。越後を旅していると、雪が積もっているが枯木が輪郭を作っている山があった。泰然としていて、絵になる山であった。

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一幅の墨絵とならむ冬の山


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木守柿(きもりがき)

2013-01-08 | 俳句・冬・植物


声かくる人もをらずや木守柿

柿の収穫も終わり、葉も落ちつくした木に一つだけ残された実。まるで柿の木を守護するかのように見えるところからこの呼び名がついた。冬の小鳥のためにとってあるとも、来年もたわわに実るように祈りが込められているともいわれる。雪の越後を旅していると人にまったく会わないこともある。道端の木守柿が彩りを添えているだけであった。

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長靴が旅の靴なり木守柿


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雪遊び

2013-01-07 | 俳句・冬・人事


それなりに大将のゐて雪遊び

雪の上で遊んだり、積もった雪を使って遊ぶこと。雪合戦をしたり、雪の斜面を橇で滑ったりして遊ぶ。雪国を歩いていて、たまたま雪の上で遊んでいる子供たちを見つけた。上級生が大将となっているようで、楽しそうにしていた。こちらがカメラを持っているのを見て、喜んで撮影に応じてくれた。

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尻のまま滑る子のをり雪遊び


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